ショノルキス・フラグランス

ショノルキス・フラグランス Schoenorchis fragrans はラン科植物の1つ。ごく小型の着生ランだが、小さな花が多数つくので鑑賞価値は認められている。

ショノルキス・フラグランス
Schoenorchis fragrans
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: ショノルキス属 Schoenorchis
: ショノルキス・フラグランス S._fragrans
学名
Schoenorchis fragrans

特徴 編集

小型の着生植物[1]。草丈は3cmほどにしかならない。茎は約2cmで、多数の葉を2列に密につける。葉は長楕円形で長さ2.0-2.5cm、葉質は厚くて堅く、葉の先端は丸くなってその先が急に小さく突き出す。花茎は弓状に曲がりながら伸びて、その長さは2cmで、そこに多数の花を密集させる。花は半ばまで開く形で、長さ約0.5cm、紅紫色をしている。上萼片は卵形で長さ0.3cm、側萼片やや歪んだ倒卵形、で長さ0.5cm、先端は尖る。唇弁はわずかだけ3つに裂け、長さ0.3cmで中央の裂片は舌形で中央に多肉のカルスが乗る。距は長さ0.3cm、まっすぐに伸びて円筒形をしており、先端部がややふくれる。蕊柱は短い。

命名の経緯 編集

本種は最初は H. G. Leochenbach らによって Saccolobium 属の新種として1876年に記載したもので、これを1963年に Siedenfaden と T. Smitinand が本属に移したものである。 種小名は『香りが強い』の意である[2]が、普通は匂わない。

分布と生育環境 編集

インド北東部からミャンマータイに分布し、混交林の乾燥気味な場所で樹冠部に着生する[3]


利用 編集

洋ランとして栽培鑑賞される。本属ではユンキフォリアがもっとも流通しているが、本種はほぼそれにつぐものである。ただしいずれにせよ一般に広く知られたものではない。

出典 編集

  1. ^ 以下、主として唐澤(1992),p.246
  2. ^ ここまで唐澤(1992),p.246
  3. ^ 齋藤(2009),p.121

参考文献 編集

  • 齋藤亀三、『世界の蘭 380』,(2009)、主婦の友社(主婦の友ベストBOOKS)
  • 唐澤耕司、『ORCHID ATLAS 世界の野生蘭/第8巻』、(1992)、八坂書房