シースキマーは、目標に接近する際に超低空飛行(シースキミング)を行う対艦ミサイル

概要 編集

シースキミングにおける飛行高度は、5–15メートル (16–49 ft)程度[1]。飛行速度が超音速になると衝撃波により海面が水しぶきをあげ、目視及びレーダーでも探知されやすくなることから、飛行速度としては亜音速帯のものが多い。超低空を比較的ゆっくりと飛ぶ飛行法が、小型の海鳥の一種であるハサミアジサシ(Sea Skimmer)の飛行形態に似通っていることからシースキマーと名付けられた。

ミサイルを超低空飛行させることで、敵軍艦に搭載されたレーダーによる探知を避けるねらいがある。レーダーの電波水平線上を直進するため、超低空を飛行する目標の探知距離は至近に限られる。また海面状況にもよるがミサイルが数海里まで接近すると、ミサイルのレーダー反射と波頭のレーダー反射のノイズが干渉し、レーダー探知が困難になる。超低空飛行は、レーダーからの被探知率の低減に効果的であるが、海鳥とのバードストライク三角波との衝突というリスクを伴う。

シースキマー型のミサイルは、慣性航法などの中間誘導のもと、シースキミングで攻撃目標に接近する。目標の想定座標から5–10キロメートル (2.7–5.4 nmi)の位置に到達すると上昇(ポップアップ)してシーカーを作動させ、アクティブ・レーダー・ホーミング誘導や光波ホーミング誘導などの終末誘導へ切り替えて目標を捕捉したのち、急降下(ダイブ)して、もっとも効率的な位置に突入する[1]。また近年では、CIWSなどの対空砲火を回避するため、螺旋軌道を描いて目標に突入するものもある。

脚注 編集

注釈・出典 編集

  1. ^ a b 小都元「艦載ミサイルの基礎用語 (特集・艦載ミサイルのすべて)」『世界の艦船』第639号、海人社、2005年3月、104-109頁、NAID 40006607573