ジェイソン・キプニス

アメリカの野球選手 (1987 - )

ジェイソン・マイケル・キプニスJason Michael Kipnis, 1987年4月3日 - )は、アメリカ合衆国イリノイ州クック郡ノースブルック英語版出身の元プロ野球選手二塁手外野手)。右投左打。愛称はキップKip[1]

ジェイソン・キプニス
Jason Kipnis
クリーブランド・インディアンス時代
(2019年6月28日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 イリノイ州クック郡ノースブルック英語版
生年月日 (1987-04-03) 1987年4月3日(36歳)
身長
体重
5' 11" =約180.3 cm
190 lb =約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 二塁手中堅手
プロ入り 2009年 MLBドラフト2巡目
初出場 2011年7月22日
最終出場 2020年9月27日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入り前 編集

 
アリゾナ州立大学時代(2009年)

高校卒業後はケンタッキー大学に進学し、2008年からアリゾナ州立大学に移った。同年のMLBドラフト4巡目(全体135位)でサンディエゴ・パドレスから指名されたが、この時は契約せずに大学に残った。

プロ入りとインディアンス時代 編集

2009年MLBドラフト2巡目(全体63位)でクリーブランド・インディアンスから指名され、57万5000ドルの契約金で入団した[2]

2010年には、外野手から二塁手に転向した。A+級キンストン・インディアンスとAA級アクロン・エアロズ打率.307、16本塁打、74打点OPS.878を記録。オフにはインディアンスの最優秀マイナー選手に選ばれると共に[3]、「ベースボール・アメリカ」誌から球団内でロニー・チゼンホールアレックス・ホワイトに次ぐ3位、全体では54位の有望株に選ばれた[4]

2011年はAAA級コロンバス・クリッパーズからスタート。7月のオールスター・フューチャーズゲームではフリオ・テヘランから先頭打者本塁打を放った[5]。7月22日のシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャーデビュー。8月14日に右ハムストリングを痛めて故障者リストに入ったが、9月6日に復帰[6]。最終的な成績は36試合の出場で打率.272、7本塁打、19打点、出塁率.333を記録した。

2012年は正二塁手として152試合に出場。打率.257、14本塁打、76打点、31盗塁という成績をマークし、攻撃と走塁の両面でチームに貢献した。

2013年は6月に打率.419(93打数39安打)、4本塁打、25打点、OPS1.216で初のプレイヤー・オブ・ザ・マンスを受賞。初めてオールスターに選ばれ、クレイグ・キンブレルから打点を挙げた。レギュラーシーズンでは、打撃3部門でいずれも前年を上回る成績を残した。走塁面でも2年連続30盗塁以上を決めた。一方、三振数も143と大幅に増加した。

2014年4月4日にインディアンスと総額5250万ドルの6年契約(2020年の球団オプション付き)に合意した[7]。3年連続で規定打席に達したが、前年とは打って変わり、打撃3部門の数字を下げた。オフの12月17日に左の手術を受ける事が発表された[8]

2015年は5月に打率.429(119打数51安打)、4本塁打、17打点、OPS1.217で2度目のプレイヤー・オブ・ザ・マンスを受賞し、初の月間50安打を達成した。7月にはオールスターのメンバーに選出された。141試合の出場で打率.303(リーグ7位)、9本塁打、52打点を記録した。

2016年は自己最多の156試合に出場し、打率.275、キャリアハイとなる23本塁打、82打点、15盗塁を記録したが、ボストン・レッドソックスとのディビジョンシリーズでは、5試合でソロ本塁打1本のみに留まり、打率.053と活躍出来なかった。続くトロント・ブルージェイズとのリーグチャンピオンシップシリーズでは、3試合で打率.364、1本塁打、3打点を記録し、チームのリーグ優勝に貢献した。

2017年は右肩及び右ハムストリングの故障のため、90試合の出場に留まった。

2018年は147試合に出場したが、打率.230と低調な成績に終わった。

2019年は121試合の出場で打率.245、17本塁打、65打点に留まり、オフの10月31日にFAとなった[9]

カブス時代 編集

2020年2月11日にシカゴ・カブスとマイナー契約を結んでスプリングトレーニングに招待選手として参加することになったと報じられ[10]、18日に正式公示された[11]。7月17日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[12]。この年は44試合の出場で打率.237、3本塁打、16打点を記録。オフの10月28日にFAとなった[13]

ブレーブス傘下時代 編集

2021年2月15日にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[14]。開幕はAAA級グウィネット・ストライパーズで迎え、シーズン59試合に出場したが、メジャー昇格の機会はなくオフの11月11日にFAとなった[11]

2022年は無所属だった。

2023年2月20日に現役引退を発表した[15]

選手としての特徴 編集

メジャーデビュー当初は外野手から二塁手へ転向してまだ日が浅いことから、エラーの多さや併殺処理などに改善の余地があるが、身体能力は優れているため、将来的には少なくともメジャー平均レベルまでは達すると予想されていた[16]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2011 CLE 36 150 136 24 37 9 1 7 69 19 5 0 0 1 11 0 2 34 0 .272 .333 .507 .841
2012 152 672 591 86 152 22 4 14 224 76 31 7 3 6 67 2 5 109 12 .257 .335 .379 .714
2013 149 658 564 86 160 36 4 17 255 84 30 7 5 10 76 3 3 143 10 .284 .366 .452 .818
2014 129 555 500 61 120 25 1 6 165 41 22 3 1 2 50 2 2 100 15 .240 .310 .330 .640
2015 141 641 565 86 171 43 7 9 255 52 12 8 4 6 57 6 9 107 5 .303 .372 .451 .823
2016 156 688 610 91 168 41 4 23 286 82 15 3 5 7 60 0 6 146 21 .268 .343 .469 .811
2017 90 373 336 43 78 25 0 12 139 35 6 2 2 5 28 0 2 71 0 .232 .291 .414 .705
2018 147 601 530 65 122 28 1 18 206 75 7 1 1 3 60 1 7 112 5 .230 .315 .389 .704
2019 121 511 458 52 112 23 1 17 188 65 7 2 5 6 40 2 2 88 7 .245 .304 .410 .715
2020 CHC 44 135 114 13 27 8 1 3 46 16 1 0 0 2 18 0 1 41 1 .237 .341 .404 .744
MLB:10年 1165 4984 4404 607 1147 260 24 126 1833 545 136 33 26 48 467 16 39 951 76 .260 .333 .416 .750

年度別守備成績 編集

内野守備


一塁(1B) 二塁(2B)
























2011 CLE - 36 58 100 6 16 .963
2012 - 146 241 440 6 94 .991
2013 - 147 242 395 12 91 .982
2014 - 123 181 347 6 63 .989
2015 - 124 203 311 7 69 .987
2016 - 151 198 422 12 70 .981
2017 - 75 107 171 7 41 .975
2018 - 131 175 308 9 68 .982
2019 - 117 150 253 4 51 .990
2020 CHC 1 6 0 0 1 1.000 36 29 75 3 12 .972
MLB 1 6 0 0 1 1.000 1086 1584 2822 72 575 .984
中堅守備


中堅(CF)












2017 CLE 11 14 0 0 0 1.000
2018 14 16 0 0 0 1.000
MLB 25 30 0 0 0 1.000
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰 編集

記録 編集

MiLB
MLB

背番号 編集

  • 22(2011年 - 2019年)
  • 27(2020年)

脚注 編集

  1. ^ Explaining Indians Players Weekend names MLB.com (英語) (2017年8月26日) 2017年9月15日閲覧
  2. ^ Jason Kipnis Baseball Stats The Baseball Cube(英語). 2012年1月26日閲覧
  3. ^ ndians announce 2010 Minor League Player & Pitcher of the Year Awards. indians.com(英語). 2012年1月26日閲覧
  4. ^ 2011 Top 100 Prospects. BaseballAmerica.com(英語). 2012年1月26日閲覧
  5. ^ Boeck, Scott(2011-07-11). Eighth inning rally lifts U.S. over World in Futures Game. USATODAY.com(英語). 2011年1月26日閲覧
  6. ^ Blocks, Starting(2011-08-11). Cleveland Indians activate Jason Kipnis, recall Luis Valbuena. Cleveland.com(英語). 2012年1月26日閲覧
  7. ^ Jordan Bastian (2014年4月4日). “Indians, Kipnis agree on six-year extension”. MLB.com. 2014年4月7日閲覧。
  8. ^ Kipnis has finger surgery; should be OK for start of season. Clevelan.com(英語). 2014年12月17日閲覧
  9. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  10. ^ Steve Adams (2020年2月11日). “Cubs, Jason Kipnis Agree To Minor League Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年3月9日閲覧。
  11. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2023年3月3日閲覧。
  12. ^ Jeff Todd (2020年7月17日). “Cubs Select Jason Kipnis, Return & Re-Acquire Trevor Megill” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年7月21日閲覧。
  13. ^ 2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月3日閲覧。
  14. ^ Braves Sign Jason Kipnis To Minors Contract” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月15日閲覧。
  15. ^ Former All-Star Jason Kipnis announces retirement”. ESPN.com (2023年2月21日). 2023年3月3日閲覧。
  16. ^ Sickels, John(2011-06-28). Prospect of the Day: Lonnie Chisenhall, 3B, Cleveland Indians. Minor League Ball(英語). 2012年1月26日閲覧

関連項目 編集

外部リンク 編集