ジメチルトリスルフィド

ジメチルトリスルフィド: dimethyl trisulfide)は、有機硫黄化合物。别名三硫化メチル、ジメチルペルトリスルフィド、ジメチルトリスルファン。新鮮なタマネギ様の臭気を持つ無色ないし淡黄色の液体で、天然にはホップキャベツブロッコリーカリフラワーなどに存在する。

ジメチルトリスルフィド
dimethyl trisulfide
識別情報
CAS登録番号 3658-80-8
特性
化学式 C2H6S3
モル質量 126.27
示性式 CH3SSSCH3
外観 無色ないし淡黄色の液体
匂い 玉葱様の臭気
沸点

165-170℃

への溶解度 微溶
溶解度 アルコールプロピレングリコール、油類に可溶
屈折率 (nD) 1.601
関連する物質
関連物質 ジメチルスルフィド
ジメチルジスルフィド
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

物性 編集

消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[1]

用途 編集

ローストチキンの香りを出すために肉フレーバーに10ppbほど添加されるほか、焼菓子やピクルスミートソーススープなどに1ppmほど用いられる。香料用途としてはPenta Mfg.が製造する。

中国北京市で作られている、豆腐ケカビを付け、塩漬けして発酵させた「青腐乳」(別名「臭豆腐」、「青方」)にはインドールフェノールジメチルジスルフィド酢酸エチルトリメチルヒドラジンなど[2][3]と共に含まれており、独特の風味を出す臭気成分のひとつとして作用している。

出典 編集

  1. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  2. ^ 馬艷莉 他、「青方腐乳關鍵揮發性風味物質研究」『現代食品科技』2015年5期pp316-321、広州、華南理工大学 [1]
  3. ^ 劉玉平 他、「臭豆腐中揮發性香成分提取与分析」『食品科学』、2011年32巻24期pp228-231、北京、中国食品雑志社

参考文献 編集