ジャック・アンソニー・クラークJack Anthony Clark, 1955年11月10日 - )は、アメリカ合衆国アメリカ合衆国ペンシルベニア州ニューブリングトン(英語版)出身のプロ野球選手外野手一塁手指名打者)。右投右打。 ニックネームは「Jack the Ripper」(ジャック・ザ・リッパー、切り裂きジャック)。

ジャック・クラーク
Jack Clark
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ペンシルベニア州ニューブリングトン
生年月日 (1955-11-10) 1955年11月10日(68歳)
身長
体重
189 cm
92 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手一塁手
プロ入り 1973年 MLBドラフト13巡目
初出場 1975年9月12日
最終出場 1992年8月28日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

人物・来歴 編集

1975年から1992年まで、チャンスに強い右打ちのスラッガーとして活躍。 通算18シーズンプレイしたが、故障による欠場も多く、出場自体が少なかったキャリア初期の2シーズンは別として、16シーズン中7シーズンは30試合以上に欠場した。

1975年9月12日サンフランシスコ・ジャイアンツでメジャーデビュー。 当初は右翼手で、1977年にはレギュラーに定着し、25本塁打98打点を記録した1978年には初のオールスター出場を果たす。 1980年には卓越したリーダーシップでウィリー・マック賞を受賞。 その後も活躍するが、サンフランシスコ湾に近い当時のジャイアンツの本拠地キャンドルスティック・パークの風を嫌っていた。 1984年はわずか57試合の出場に終わる。

1985年2月1日に、遊撃手ホセ・ウリベイ、投手デーブ・ラポイントデビッド・グリーン1986年近鉄でプレイ)、ゲーリー・レーシッチ(1986年 - 1988年中日でプレイした「ゲーリー」)の4選手との交換でセントルイス・カージナルスに移籍。 これを機に、守備の負担を減らすために一塁にコンバートし、この年110盗塁を記録したビンス・コールマンをはじめ、ウィリー・マギーオジー・スミスら「ホワイティ・ボール」と呼ばれたホワイティ・ハーゾグ監督好みの俊足揃いのチームにあって、唯一の強打者として活躍し、チームの地区優勝・リーグ優勝に貢献。 特にロサンゼルス・ドジャースとのナ・リーグチャンピオンシップシリーズの最終戦となった第6戦では、トム・ニーデンファーから決勝3ランホームランを打ち、ワールドシリーズ出場を決める一打となった。 カンザスシティ・ロイヤルズとのワールドシリーズは敗れた。 1986年は再び故障のため65試合の出場に終わる。1987年には自己最多の35本塁打、106打点を記録する。しかし、故障のためシーズンのクライマックスを前にシーズンを終了。 地区首位に立っていたカージナルスは唯一の強打者を失って、ベテランのダン・ドリーセンを四番に起用したり、エンゼルスを解雇されたダグ・デシンセイ(1988年はヤクルトでプレイ)と残り7試合で契約したりと逃げ切りに必死となった。 地区優勝、リーグ優勝は果たしたが、主砲のいないチームはワールドシリーズではミネソタ・ツインズに敗北。クラークはこの年限りでフリーエージェントとなり、ニューヨーク・ヤンキースと契約。

1988年に移籍したヤンキースでは、ゴールデングラブ賞受賞9回の名手、ドン・マッティングリーが居ることから、主に指名打者として起用される。 27本塁打、93打点こそ記録したものの、初のア・リーグに戸惑ったか、打率は.242に終わり、マスコミにも糾弾され「ニューヨークはもうこりごりだよ」とコメントして、翌年はサンディエゴ・パドレスに移籍。 1989年は26本塁打、94打点、1990年は25本塁打、62打点とまずまず活躍するが、1991年ボストン・レッドソックスに移籍。 再びDHとして起用され、この年は28本塁打、87打点と活躍するが、翌1992年限りで現役を引退した。

引退後はロサンゼルス・ドジャースの打撃コーチ等を務めた。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
1975 SF 8 19 17 3 4 0 0 0 4 2 1 0 0 1 1 0 0 2 0 .235 .263 .235 .498
1976 26 115 102 14 23 6 2 2 39 10 6 2 3 2 8 0 0 18 0 .225 .277 .382 .659
1977 136 468 413 64 104 17 4 13 168 51 12 4 1 3 49 2 2 73 7 .252 .332 .407 .739
1978 156 657 592 90 181 46 8 25 318 98 15 11 3 9 50 8 3 72 15 .306 .358 .537 .895
1979 143 598 527 84 144 25 2 26 251 86 11 8 1 6 63 6 1 95 9 .273 .348 .476 .824
1980 127 524 437 77 124 20 8 22 226 82 2 5 1 10 74 13 2 52 12 .284 .382 .517 .899
1981 99 437 385 60 103 19 2 17 177 53 1 1 0 6 45 6 1 45 12 .268 .341 .460 .801
1982 157 659 563 90 154 30 3 27 271 103 6 9 0 5 90 7 1 91 20 .274 .372 .481 .853
1983 135 574 492 82 132 25 0 20 217 66 5 3 0 7 74 6 1 79 14 .268 .361 .441 .802
1984 57 249 203 33 65 9 1 11 109 44 1 1 0 3 43 7 0 29 9 .320 .434 .537 .971
1985 STL 126 532 442 71 124 26 3 22 222 87 1 4 0 5 83 14 2 88 10 .281 .393 .502 .895
1986 65 279 232 34 55 12 2 9 98 23 1 1 0 1 45 4 1 61 4 .237 .362 .422 .784
1987 131 558 419 93 120 23 1 35 250 106 1 2 0 3 136 13 0 139 5 .286 .459 .597 1.056
1988 NYY 150 616 496 81 120 14 0 27 215 93 3 2 0 5 113 6 2 141 14 .242 .381 .433 .814
1989 SD 142 593 455 76 110 19 1 26 209 94 6 2 0 5 132 18 1 145 10 .242 .410 .459 .869
1990 115 442 334 59 89 12 1 25 178 62 4 3 0 2 104 11 2 91 12 .266 .441 .533 .974
1991 BOS 140 585 481 75 120 18 1 28 224 87 0 2 0 5 96 3 3 133 17 .249 .374 .466 .840
1992 81 320 257 32 54 11 0 5 80 33 1 1 0 5 56 3 2 87 4 .210 .350 .311 .661
MLB:18年 1994 8225 6847 1118 1826 332 39 340 3256 1180 77 61 9 83 1262 127 24 1441 174 .267 .379 .476 .855
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰 編集

外部リンク 編集