ジョニー・ウィンター・アンド

ジョニー・ウィンターのアルバム

ジョニー・ウィンター・アンド』(Johnny Winter and)は、アメリカ合衆国ブルース・ミュージシャン、ジョニー・ウィンター率いるジョニー・ウィンター・アンド1970年に発表したスタジオ・アルバム。ウィンターのコロムビア・レコード契約後としては3作目のアルバムに当たる。

ジョニー・ウィンター・アンド
ジョニー・ウィンター・アンドスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ブルースロックハードロックロックンロール
時間
レーベル コロムビア・レコード
プロデュース ジョニー・ウィンター、リック・デリンジャー[1]
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 29位(イギリス[2]
  • 154位(アメリカ[3]
  • ジョニー・ウィンター アルバム 年表
    セカンド・ウィンター
    (1969年)
    ジョニー・ウィンター・アンド
    (1970年)
    ライヴ
    (1971年)
    テンプレートを表示

    背景 編集

    1965年に「ハング・オン・スルーピー」をヒットさせたインディアナ州のロック・バンド、マッコイズのメンバーがバックを務め[4]、ギタリストのリック・デリンジャーは4曲のソングライティングに加えて共同プロデューサーとしても貢献し、ドラマーのランディ・Zも「アム・アイ・ヒア?」を提供した[1]。この共演は、当時ウィンターとマッコイズの両方のマネージャーだったスティーヴ・ポールが提案し[5]、ウィンター自身は新バンドの方向性について「他のメンバーがソングライティングも歌唱もできる、全員が可能な限り、あらゆる意味で音楽的に貢献できるバンドが欲しかった」と説明している[4]。なお、メンバーのうちランディ・ジョー・ホブスは、ジョニー・ウィンター・アンドが解散してからも1974年までウィンターの全スタジオ・アルバムに参加し、1976年発売の『狂乱のライヴ』、『トゥゲザー』といったウィンターのライヴ・アルバムにも演奏を残している[6]

    「ノー・タイム・トゥ・リヴ」は、トラフィックがアルバム『トラフィック』(1968年)で発表した曲のカヴァー。デリンジャーが提供した「ロックンロール・フーチー・クー」は、本作のヴァージョンが初出に当たり[7]、デリンジャーのソロ・アルバム『オール・アメリカン・ボーイ』(1973年)に収録されたセルフ・カヴァーは、シングル・カットされて全米23位を記録している[8]

    反響・評価 編集

    母国アメリカでは、コロムビアから発売された前2作と比べて売り上げは低調で、Billboard 200では154位に終わった[3]。一方、イギリス盤LP (S 64117)は全英アルバムチャートで29位に達し、ウィンター初の全英トップ40アルバムとなった[2]

    Bruce Ederはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「彼が初期2作のアルバムで焦点を当てていたブルース色の代わりに、歌唱の面でも選曲の面でも、ここではよりロック指向の方法論へ広がりを見せた」「このレコードにはどこにも弱い瞬間がない」と評している[9]。また、ロバート・クリストガウはB+を付け「元ポップ・スターのリック・デリンジャーが北部を描写」「元ブルースマンのウィンターが南部を描写」と評している[10]

    「ゲス・アイル・ゴー・アウェイ」は、ジェイク・E・リーのアルバム『リトレイスド〜塊顧〜』(2005年)でカヴァーされた[11]

    収録曲 編集

    1. ゲス・アイル・ゴー・アウェイ - "Guess I'll Go Away" (Johnny Winter) - 3:28
    2. エイント・ザット・ア・カインドネス - "Ain't That a Kindness" (Mark Klingman) - 3:29
    3. ノー・タイム・トゥ・リヴ - "No Time to Live" (Steve Winwood, Jim Capaldi) - 4:36
    4. ロックンロール・フーチー・クー - "Rock and Roll, Hoochie Koo" (Rick Derringer) - 3:31
    5. アム・アイ・ヒア? - "Am I Here?" (Randy Z) - 3:24
    6. ルック・アップ - "Look Up" (R. Derringer, Robyn Supraner) - 3:34
    7. プロディガル・サン - "Prodigal Son" (J. Winter) - 4:18
    8. オン・ザ・リム - "On the Limb" (R. Derringer) - 3:36
    9. レット・ザ・ミュージック・プレイ - "Let the Music Play" (Allan Nicholls, Otis Stephens) - 3:15
    10. ナッシング・レフト - "Nothing Left" (J. Winter) - 3:30
    11. ファンキー・ミュージック - "Funky Music" (R. Derringer) - 4:55

    2011年日本盤リマスターCDボーナス・トラック 編集

    1. ゲス・アイル・ゴー・アウェイ(ライヴ) - "Guess I'll Go Away (Live)" (J. Winter) - 4:40
    2. ロックンロール・フーチー・クー(ライヴ) - "Rock and Roll, Hoochie Koo (Live)" (R. Derringer) - 4:56

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集

    1. ^ a b Johnny Winter And - Johnny Winter And (Vinyl, LP, Album) at Discogs
    2. ^ a b JOHNNY WINTER | full Official Chart History | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される
    3. ^ a b Johnny Winter - Awards”. AllMusic. 2016年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月30日閲覧。
    4. ^ a b Giles, Jeff (2015年9月28日). “45 Years Ago: Johnny Winter Unveils His New Band on 'Johnny Winter And'”. Ultimate Classic Rock. Diffuser Network. 2016年3月25日閲覧。
    5. ^ McCulley, Jerry (2009年4月22日). “40 Years of Johnny Winter”. Gibson. 2016年3月25日閲覧。
    6. ^ Randy Jo Hobbs | Credits | AllMusic
    7. ^ Official Rick Derringer - Biography”. 2016年3月25日閲覧。
    8. ^ All American Boy - Rick Derringer - Awards”. AllMusic. 2016年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月30日閲覧。
    9. ^ Eder, Bruce. “Johnny Winter And - Johnny Winter, Johnny Winter And”. AllMusic. 2016年3月25日閲覧。
    10. ^ Christgau, Robert. “CG: Johnny Winter”. 2016年3月25日閲覧。
    11. ^ Jake E. Lee: 'Retraced' Final Track Listing Revealed”. Blabbermouth.net (2005年4月10日). 2018年12月30日閲覧。