ジョン・フランシス・ケリー

アメリカ合衆国の政治家・軍人

ジョン・フランシス・ケリー(John Francis Kelly、1950年5月11日 - )は、アメリカ合衆国政治家海兵隊員ドナルド・トランプ政権で国土安全保障長官大統領首席補佐官を務めた。アメリカ海兵隊の退役軍人および元アメリカ南方軍司令官[1]で、現役時は海兵隊大将

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国の政治家
ジョン・フランシス・ケリー
John Francis Kelly
生年月日 (1950-05-11) 1950年5月11日(73歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
マサチューセッツ州ボストン
出身校 マサチューセッツ大学ボストン校
ジョージタウン大学
国防大学
前職 アメリカ南方軍司令官
所属政党 無所属
称号 アメリカ海兵隊大将
教養学士(BA)
修士(MA)
修士(MS)
配偶者 カレン・ハーネスト
子女 3人

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
第28代大統領首席補佐官
在任期間 2017年7月31日 - 2019年1月2日
大統領 ドナルド・トランプ

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
第5代国土安全保障長官
在任期間 2017年1月20日 - 2017年7月31日
大統領 ドナルド・トランプ
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日本語表記ではバラク・オバマ政権で国務長官を務めたジョン・フォーブズ・ケリーと同じくジョン・F・ケリーとなるが、姓のスペルと原発音が異なる(国務長官の方はKerryである)。

経歴 編集

1950年5月11日にアメリカのマサチューセッツ州ボストンアイルランド系アメリカ人カトリックの家に生まれる。1976年にマサチューセッツ州立大学を卒業する。1984年ジョージタウン大学で国家安全保障の修士号を得て、大学院を卒業する。

1970年アメリカ海兵隊に入隊し、ノースカロライナ州キャンプ・レジューヌの第2海兵師団に派遣され、1976年に軍曹で退役した。大学卒業後に1976年に第2海兵師団に戻り、ライフル小隊司令官・中隊副司令官・作戦支援士官・歩兵司令官を歴任した。1987年には少佐に昇格し、大隊の作戦担当責任者となった[2]

国土安全保障長官 編集

2016年12月7日にドナルド・トランプ次期大統領がケリーを自らの政権で国土安全保障長官に指名する見通しが伝えられた[3]2017年1月20日にアメリカ上院本会議はケリーを国土安全保障長官に充てる人事を承認した[4]

2017年2月にケリー国土安全保障長官は「メキシコ国境の壁(いわゆるトランプの壁)の建設は2年以内に完成するだろう、準備期間は数か月しかかからない、メキシコからの敵意についてはアメリカ国民の安全確保が第一であるが、メキシコと共通する問題についてパートナーシップを構築したい」とインタビューで語った[5]

2017年5月末にアメリカ国内を発着する全ての国際線でノートパソコン・タブレット・デジタルカメラなどの電子機器の持ち込みを禁止する可能性がある(ラップトップバン)とケリー国土安全保障長官は述べたが、6月13日にはすぐには必要は無いかもしれないと述べている[6][7]

大統領首席補佐官 編集

2017年7月28日にトランプ大統領はラインス・プリーバス大統領首席補佐官を更迭し、後任にケリーを起用したと発表[8]。7月31日に横滑りで大統領首席補佐官に就任し、国土安全保障長官は退任した。

2018年12月、ケリーは大統領首席補佐官を退任した。後任として翌2019年1月から1年3か月の間ミック・マルバニーが代行を務めた後、2020年3月31日にマーク・メドウズが新たに就任した。

2019年10月に保守系メディアが主催する政治会議に出席し、大統領首席補佐官の後任探しに当たり、大統領に対して「事実をあなたに伝えないような人物を採用するべきでは無い」と忠告したと述べ、自分が首席補佐官を続けていれば弾劾調査(ドナルド・トランプとウクライナ論争を参照)にさらされることはなかっただろうと振り返っている[9]

脚注 編集

  1. ^ "John F. Kelly" 2017年1月21日閲覧
  2. ^ John F. Kelly”. U.S. Department of Defence. 2017年3月17日閲覧。
  3. ^ トランプ氏、国土安保長官に元南方軍司令官ケリー氏指名へ Reuter (2016年12月8日), 2017年1月21日閲覧.
  4. ^ 米上院:マティス国防長官、ケリー国土安保長官承認-大統領就任初日 Bloomberg (2017年1月21日), 2017年1月21日閲覧.
  5. ^ Catherine Herridge (2017年2月2日). “DHS secretary: Border wall should be finished in two years”. Fox News. 2017年3月17日閲覧。
  6. ^ VICTORIA WOOLLASTON (2017年5月30日). “The UK's laptop ban on flights: everything we know so far”. Wired. 2017年6月17日閲覧。
  7. ^ John Halinski (2017年6月13日). “DHS Chief Hints Laptop Ban May Not Be Extended Right Now”. hamodia. 2017年6月17日閲覧。
  8. ^ “大統領首席補佐官を更迭 トランプ政権、混乱拡大”. 日本経済新聞. (2017年7月29日). https://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040001_Z20C17A7000000/?dg=1&nf=1 2023年12月27日閲覧。 
  9. ^ ケリー前首席補佐官、退任時に弾劾を「警告」 トランプ氏は否定”. CNN (2019年10月27日). 2019年10月27日閲覧。
軍職
先代
ダグラス・フレイザー英語版
  アメリカ南方軍司令官
2012年 – 2016年
次代
カート・ティッド英語版
公職
先代
ジェイ・ジョンソン英語版
  アメリカ合衆国国土安全保障長官
2017年
次代
エレイン・デューク英語版(代理)
先代
ラインス・プリーバス
  アメリカ合衆国大統領首席補佐官
2017年 - 2019年
次代
ミック・マルバニー(代行)