ジョン・クリス・ウッズ(John Chris Woods、1911年6月5日 - 1950年9月17日)はアメリカ陸軍に所属していた軍人死刑執行人。最終階級は二等軍曹

1911年にカンザス州ウィチタで生まれる。高校中退後の1929年アメリカ海軍へ入隊し、訓練の後艦艇乗組員となるが、軍紀違反により海軍を不名誉除隊となる。その後、1943年に陸軍に徴兵され、工兵として訓練を受けた後、第5特別工兵旅団第37戦闘工兵大隊B中隊に配属され、ノルマンディ上陸作戦などに参加。1944年10月に転属命令を受けて、死刑執行人としての訓練を受けた。

彼は1946年10月16日ニュルンベルク裁判で死刑判決を受けた10人のナチ戦犯の絞首刑を執行した。また、347人の戦犯を絞首刑にした他、1944年から1945年にかけて、殺人などの犯罪を犯して死刑判決を受けたアメリカ兵30人の死刑執行を担当した。

1950年9月17日、朝鮮戦争の際に駐留していたマーシャル諸島エニウェトク環礁電気椅子を点検していたところ、誤って高圧電線に触れ感電死した。彼は現在、故郷のウィチタの墓地に眠っている。

絞首刑にしたナチ戦犯 編集

ウッズはアメリカ陸軍の命令のもと、助手のジョセフ・マルタと共にニュルンベルク刑務所内の体育館で戦犯への絞首刑を執行した。この際にウッズとマルタは絞首刑に使うロープの長さを誤って見積もり、受刑者のうち何人かは落下後も絶命せず、しばらくの間もがき苦しんだ末に窒息死したことが記録に残されている。

また、設計ミスにより落下口が予定より小さく、受刑者のほとんどが落下時に頭部を強打し外傷を負った。

ウッズは、ニュルンベルク処刑の後に以下のように語ったと伝えられている。

「私はこれら10人のナチスを絞首刑に処した。そして私はそれを誇りに思う。大抵の者が心を痛めナーバスになってしまうこの仕事の中で、私はそのような気分になった経験が無い。私を陰ながら支えてくれたG.Iたちへ賛辞の言葉を贈りたい。私は彼らのお陰で、こうして昇進する機会を与えられたのだ。このことを彼らはみんな喜んでくれている。私は実際に絞首刑を見て、この仕事の方法を憶えてきた。誰かがその役目をやらなければならないからだ。アメリカ軍で働いていた私がこの仕事に就いたきっかけは、数年前に起きたちょっとした偶然からだった」

また、その際の処刑について自らこう評した。

「103分で10人。手早く済ませたよ」

関連項目 編集