スクロールロック: Scroll lock)は、コンピュータ用のキーボードのキーの一つ。スクロールのロックに使用される。

概要 編集

スクロールロックは現在のコンピュータ用キーボードの大半に搭載されており、キーボード上にオン・オフの状態が判るランプが付いているものもある。しかし現在ではこのキーはあまり使われず、特定のソフトウェアのみが使用している。[1]

スクロールロック(Scroll lock)の略記は、「Scroll Lk」、「Scr Lk」などがある。

歴史 編集

スクロールロックは、初期のパーソナルコンピュータワークステーションのほとんどでは搭載していなかったが、オリジナルのIBM PCから搭載された [2]。本来の用途はカーソルキーの動作の拡張だった。スクロールロックのモード状態がオンの時は、カーソルの位置を移動しないまま、カーソルキーでスクロールすることができた。この用途では、スクロールロックは一種の修飾キーでもあり、またキャップスロック(Caps Lock)などの状態(オン・オフ)を持つトグル方式のキーの1つでもあった。

用途 編集

主な用途 編集

現在は、この本来の用途で使われることはまれだが、いくつかの現在のアプリケーションプログラムは現在でもこの動作を使用している。

Microsoft ExcelLotus NotesForté Agent英語版などでは、表の中でセルを選択(アクティブ)にしてからスクロールロックをオンにすると、カーソルキーなどでスクロールを行っても、セルの選択(アクティブなセル)が移動しない。つまり現在のグラフィカルユーザインタフェース環境におけるスクロールバー操作やマウスホイールと同じ事が、キーボードだけでできる。

スクロールロックは現在では使用頻度が低いため、不要とみなされる場合もあり、スクロールロックを搭載しないキーボードもある [3] 。またXfceなどのLinux用のいくつかの軽量デスクトップ環境では、スクロールロックを全くサポートしておらず、キーを押してもインジケーターが点灯しない。[4][5]

使用頻度が少ないため、ファンクションキーとして割り当てているソフトや、CPUの切り替えキーとして利用するKVMスイッチがある。

ノートパソコンなどでは、スペースの節約のために、Fnキーなどと同時に押すことでスクロールロックを押すことができる機種もある。

脚注 編集

  1. ^ ソフトウェアによっては、ステータスバー上に「SCLK」などの表示が出るものもある。
  2. ^ PFU キーボードコレクション
  3. ^ Keyboard - General Discussion”. Logitech (08-28-2008). 2008年11月26日閲覧。 “this keyboard does not have a scroll lock key”
  4. ^ 2023年1月現在 (Xfce ver.4.14にて確認)
  5. ^ ただし、コンソールモードでは本キーが機能し、インジケーターも切り替わる。

関連項目 編集

外部リンク 編集