スナヅル属Cassytha)は、クスノキ科の属の一つである。17種を含む。寄生性つる植物である。

スナヅル属
スナヅルCassytha filiformis
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperm
階級なし : モクレン類 Magnoliids
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: スナヅル属 Cassytha
学名
Cassytha L.  (1753)
タイプ種
Cassytha filiformis L.

概要 編集

3-5m程に達する寄生性つる植物であるが、葉緑素を持ち光合成を行う(半寄生)。は鱗片葉で目立たない。は他の植物に寄生するため吸着根になっている。穂状花序果実核果

分布の中心はオーストラリアであるが、少数の種がアフリカ南アジアに分布し、スナヅルC. filiformis)が東アジア、南・中央アメリカフロリダハワイと広範囲に分布する。

本属は、ヒルガオ科ネナシカズラ属Cuscuta)に外見が良く似ており、収斂進化の良い見本となっている。

また、Cassytha Mill. (1768) はホモニムであり、サボテンRhipsalisシノニムである。

主な種と分布 編集

世界に生育する17種のうち、日本には3種(2種3変種とする説もある)が分布しており、その全てが分布の北限となっている。また、イトスナヅルケスナヅルは、琉球諸島の特定の島とオーストラリアに隔離分布しており、植物地理学上興味深い。

  • Cassytha aurea - オーストラリア
  • Cassytha candida - オーストラリア
  • Cassytha capillaris - オーストラリア
  • Cassytha ciliolata - 南アフリカ
  • Cassytha flava - オーストラリア
  • イトスナヅル Cassytha glabella - オーストラリア、日本(沖縄県
  • スナヅル Cassytha filiformis - ハワイ、南アメリカ、中央アメリカ、フロリダ、日本(東京都(小笠原)、鹿児島県及び沖縄県)、台湾中国南部
  • Cassytha melantha - オーストラリア
  • Cassytha micrantha - オーストラリア
  • Cassytha nodiflora - オーストラリア
  • Cassytha pomiformis - オーストラリア
  • ケスナヅル Cassytha pubescens - オーストラリア、日本(沖縄県):また、スナヅルの変種(C. filiformis var. duipraticola)とする説もある。
  • Cassytha racemosa - オーストラリア東部

参考文献 編集

  • 沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、2006年。
  • 鹿児島県環境生活部環境保護課編 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物-鹿児島県レッドデータブック植物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年。
  • 島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧』 九州大学出版会、1997年。
  • Weber, J. Z.:A taxonomic revision of Cassytha (Lauraceae) in Australia.Journal of Adelaide Botanic Gardens 3:187-262, 1981

関連項目 編集

外部リンク 編集