スマトラウサギ (Nesolagus netscheri) は、哺乳綱兎形目ウサギ科スマトラウサギ属に分類されるウサギ。

スマトラウサギ
スマトラウサギ
スマトラウサギ Nesolagus netscheri
保全状況評価[1]
DATA DEFICIENT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 兎形目 Lagomorpha
: ウサギ科 Leporidae
: スマトラウサギ属 Nesolagus
: スマトラウサギ N. netscheri
学名
Nesolagus netscheri
(Schlegel, 1880)[1]
和名
スマトラウサギ[2]
英名
Sumatran striped rabbit[1]
Sumatran rabbit[1][2]
Sumatran short-eared rabbit[1]

分布 編集

インドネシアスマトラ島バリサン山脈固有種[1][2]

形態 編集

頭胴長(体長)36.8 - 41.7センチメートル[2]。尾長1.7センチメートル[2]体重1.5キログラム[2]。尾は短く、尾骨の数は12[2]。体色は灰黄色で、耳介から臀部にかけて黒や暗褐色の縞模様が入る[2]

耳介は短く、長さは3.4 - 4.5センチメートル[2]。耳介は黒い[2]。四肢は短い[2]

生態 編集

標高600 - 1,600メートルで発見例がある[2]夜行性で、昼間は木の根元や巣穴などで休む[2]

カメラトラップでの撮影例から、林床の植生を食べていると推定されている[1]。飼育下ではCyrtandra属の植物を食べたという報告例がある[1]

人間との関係 編集

森林伐採による生息地の破壊や、罠による混獲などによる影響が懸念されている[1]。1880 - 1929年までの間に、約15頭しか標本の採集例がない[2]。1990年代後半にクリンチ・スブラ国立公園で、無人カメラに本種が撮影された[1][2]。以前はバリサン山脈広域に分布すると考えられていたが、主な記録はバリサン山脈南部と西部に限られ、近年は主にクリンチ・スブラ国立公園とBukit Barisan Selatan国立公園でのごく限られた観察例や撮影例に限定される[1]。2019年の時点では観察例や撮影例が非常に少ないことから、生息数の推移などに関する情報が不足しているとみなされている[1]

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l McCarthy, J., Holden, J., Martyr, D. & McCarthy, K. 2019. Nesolagus netscheri. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T14662A45178557. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-2.RLTS.T14662A45178557.en. Downloaded on 28 November 2020.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 山田文雄 「スマトラウサギ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、151頁。

関連項目 編集