スヴァローグウクライナ語: Сварог、Svarog)とはスラヴ神話における太陽神であり、精霊またはでもある。輝き清いという意味である。

概要 編集

スヴァローグという名は、同じ意味を持つサンスクリット語のSvargaとペルシャ語のxwar(クヴァル)と関連している可能性があることから、インド=ヨーロッパ語族との関連性が示唆される[誰?]

古スラヴ人にとって火はとても神聖であったため、火が灯っている間は叫んだり罵ったりすることは禁止されていた。火の神Svarogichはスヴァローグの息子である(「~ィッチ」とは子と言う意味である)という解釈も存在する一方、この2柱は同一の火の神を示すという解釈もある。

古スラヴ神話では、スヴァローグは火に介在する生殖や性的な力をもって鍛冶の神としても信仰されていた。いくつかの神話では、スヴァローグは自身の口を代わりに使って耕し、人間に恵みを与えたという。さらにスヴァローグは深い溝を作り、あの世とこの世を切り離す事も出来るという。

また、スヴァローグは聖コスマスと聖ダミアヌス、聖ミカエルとも同一視された。この場合、聖人を動物表現で表すことが多い。同一視された聖人の姿は黄金の角を持った牛、雄豚、馬、Varagnaという名のハヤブサで表されている。

なお、欧州ではネオペイガニズムというムーブメントがあり、ネオペイガニズムではスヴァローグを最高神かつ創造神とすることがある。本来の古スラヴ神話ではスヴァローグ 、ペルーンダジボーグの三柱がトリグラフを構成していたからである。

脚注 編集

参考文献 編集

  • Graves, Robert: New Larousse Encyclopedia Of Mythology (Hardcover) Crescent (December 16, 1987)
  • Ryan, W. F.:The Bathhouse at Midnight: An Historical Survey of Magic and Divination in Russia (Magic in History Series) (Paperback) Pennsylvania State University Press (September 1999)
  • Znayenko, Myroslava T.: The gods of the ancient Slavs: Tatishchev and the beginnings of Slavic mythology (Paperback), Slavica (1980)
  • Yoffe, Mark; Krafczik, Joseph: Perun: The God of Thunder (Studies in the Humanities (New York, N.Y.), V. 43.) (Hardcover), Peter Lang Publishing (April 2003)
  • アレグザンスキー, G. 著「スラヴの神話」、ギラン,フェリックス編 編『ロシアの神話』小海永二訳(新版)、青土社〈シリーズ世界の神話〉、1993年10月。ISBN 978-4-7917-5276-8 pp. 12-17。

関連項目 編集

  • (かまど)