スーパーハングオン』 (SUPER HANG-ON) は、1987年4月に日本のセガから稼働されたアーケードレースゲーム

スーパーハングオン
ジャンル レースゲーム
対応機種 アーケード (AC)
開発元 セガ第2AM研究開発部
発売元 セガ
ディレクター 浜垣博志
音楽 林克洋
並木晃一
シリーズ ハングオンシリーズ
人数 1人
メディア 業務用基板
(1.78メガバイト
稼働時期 INT 1987041987年4月
対象年齢 日本 CEROA(全年齢対象)
アメリカ合衆国 ESRBE10+(10歳以上)
ヨーロッパ PEGI3
ニュージーランドの旗OFLC:G
コンテンツ
アイコン
アメリカ合衆国 Use of Alcohol and Tobacco
デバイス ステアリング
アクセルグリップ
1ボタン
筐体 ライドオンタイプ
ミニライドオンタイプ
シットダウンタイプ
CPU MC68000 (@ 12.5 MHz)×2
サウンド Z80 (@ 4 MHz)
YM2151 (@ 4 MHz)
Sega PCM (@ 4 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
321×224ピクセル
60.05Hz
パレット12288色
売上本数 4ポイント
(1987年度大型筐体ゲームベストインカム4位)[1]
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バイクを駆って制限時間内にチェックポイントを通過しつつ、ゴールを目指す内容となっている。1ステージの長さは前作の『ハングオン』(1985年)と比べると時間にして半分程度で、その分ステージ数は大幅に増加している。

開発はセガ第2AM研究開発部が行い、音楽は後にアーケードゲーム『ゲイングランド』(1988年)を手掛けた林克洋と、アーケードゲーム『サンダーブレード』(1987年)を手掛けた並木晃一が担当している。

同年に欧州にて各種ホビーパソコンに移植された他、1989年にはAmigaPC/AT互換機MacintoshメガドライブX68000に移植された。アーケード版は2010年Wii用ソフトとしてバーチャルコンソールアーケードにて配信された他、2012年にはPlayStation 3用ソフトとしてセガエイジスオンラインにて配信された。また、2013年にはセガ3D復刻プロジェクトの一環としてニンテンドー3DS用ソフト『3Dスーパーハングオン』が配信された。

ゲーム内容 編集

システム 編集

ビギナー(アフリカ・6ステージ)、ジュニア(アジア・10ステージ)、シニア(アメリカ・14ステージ)、エキスパート(ヨーロッパ・18ステージ)の難易度とステージ数の異なる4つのコースが用意されており、プレイ開始前に好きなコースを選ぶ事が出来る[2]。PS3版、Xbox 360版、3DS版では既存4コース48ステージ全てをつないだコースを加えた5つのコースがある。

コースには『アウトラン』(1986年)同様のアップ&ダウン要素が追加され、2ステージ毎に風景が変化していく。地面の色がなだらかに変わるようになった他、上り坂を利用して遠景を一時的に隠す等自然な変化になるよう工夫されている。

ジュニアコースは前作のコースから景色を変更し、アップ&ダウンを追加して各ステージが2分割されたものである。

使用するマシンは前作からパワーアップした。最高速度は280km/hで、この速度に達するとスピードメーターの数字が赤く点滅し、ハンドルのそばにあるボタンが使用可能となる。これを押すとスーパーチャージャーを使用し、一気に324km/hまで加速する[2]

筐体 編集

筐体は、前作で使用された赤いバイク型のライドオンタイプ、モニターとバイクを分離してコンパクトにしたミニライドオンタイプ、ハンドルのみで操作できるシットダウンタイプの3つが用意された[2]。3DS移植版の選択時に上画面に表示される3Dアイコンは、ミニライドオン筐体の3Dモデルが使われている。

前作筐体であるライドオンタイプのみスーパーチャージャーボタンが無く324km/hは出せず、アクセルのみで323km/hが出るようになっている。また、シットダウンタイプではコースレイアウトが一部異なる。

移植版 編集

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数・備考
1 Super Hang-On   1987121987年12月
Amstrad CPC
Atari ST
コモドール64
ZX Spectrum
Software Studios Electric Dreams カセットテープ
フロッピーディスク
-
2 Super Hang-On   1989101989年10月
Amiga Software Studios Electric Dreams カセットテープ
フロッピーディスク
-
3 Super Hang-On   1989021989年2月
PC/AT互換機
Macintosh
Sales Curve Virgin Mastertronic フロッピーディスク
カセットテープ
- 北米ではコモドール64版のみ発売
4 スーパーハングオン   198910071989年10月7日
  198909041989年9月4日
  1991011991年1月
メガドライブ セガ第2AM研究開発部 セガ 4メガビットロムカセット[3]   G-4011
5 スーパーハングオン   198912251989年12月25日
X68000 SPS シャープ 5インチ2HDフロッピーディスク2枚組 -
6 スーパーハングオン   2010年9月14日[4][5][6][7]
  201205032012年5月3日
  201205032012年5月3日
Wii セガ第2AM研究開発部 セガ ダウンロード
バーチャルコンソールアーケード
- アーケード版の移植
7 SEGA AGES ONLINE
スーパーハングオン
  2012年5月23日[8]
PlayStation 3 セガ第2AM研究開発部 セガ ダウンロード
(セガエイジスオンライン)
NPJB-00093 アーケード版の移植
8 完全版 - セガエイジスオンライン
セガクラシックコレクション
  201205232012年5月23日
Xbox 360 セガ第2AM研究開発部 セガ ダウンロード - アーケード版の移植
2023年2月7日、Xbox 360向けストアでの配信・販売終了予定
9 セガ3D復刻プロジェクト
3Dスーパーハングオン
  2013年3月27日[9]
  201311282013年11月28日
  201311282013年11月28日
ニンテンドー3DS M2 セガ ダウンロード - アーケード版の移植
10 セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE   201612222016年12月22日
ニンテンドー3DS M2 セガ 3DSカード
ダウンロード
- 2022年12月21日ダウンロード版配信・販売終了
11 Super Hang-On   2022年10月27日
SEGA Genesis Mini 2 エムツー セガ プリインストール   MK-16310
メガドライブ版の移植
メガドライブ版
  • レースで賞金を稼いで、稼いだ賞金でパーツを買ってマシンを強化していきながらライバルと戦うオリジナルモードが、独自要素として追加された。バックアップは存在せず、パスワードによってデータを保存するシステムである。メガドライブではアナログ入力ができないため、段階を踏んでバイクが傾く仕様にすることで疑似的なアナログ入力が可能になるようにデザインしてある[2]
X68000版
  • 同社製のサイバースティックに対応しており、使用するとスティックを傾けた量と同じ角度でコーナリングが出来るなど操作性が大幅に向上する。バラエティ番組関口宏の東京フレンドパークII』(1994年 - 2011年TBSテレビ)内の、アトラクション「デリソバグランプリ」(後の「デリソバゴールド」)では、X68000版をモデファイしたものが使用されていた。
Wii(バーチャルコンソールアーケード)版
  • ミニライドオン版を移植したものをバーチャルコンソールアーケードで配信。Wiiリモコン&ヌンチャクやWiiハンドル(バーチャルコンソールとしては初対応)による操作にも対応。
PlayStation 3版
Xbox 360版
  • セガの名作3作品を収録した、『完全版 - セガエイジスオンライン セガクラシックコレクション』に収録され配信。様々な条件下で、全世界のプレイヤーとスコアやタイムを競う「トライアルモード」、音楽を自由に聴ける「ジュークボックス」、3D立体視に対応などの要素が追加された。
  • 2023年2月7日をもって、Xbox 360向けストアでの『セガクラシックコレクション』の配信・販売の終了を予定している[10]
ニンテンドー3DS版
セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE
  • 単体版をベースに収録。『スペースハリアー』と同じく作り直しレベルが高かったため、手を付けられず収録が遅れた[11]
  • 2022年12月21日をもって、『セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE』ダウンロード版の配信・販売が終了した[12]

音楽 編集

BGM

BGMは下記の4曲からゲームスタート前に選択可能。4曲とも完成度が高く当時のプレイヤーに人気を博した[2]

  • OUTRIDE A CRISIS
  • SPRINTER
  • WINNING RUN
  • HARD ROAD
サウンドトラック
iTunes StoreおよびAmazon MP3でも配信中

スタッフ 編集

アーケード版
メガドライブ版
  • プログラム:若山雅弘、HAMA

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games8/10点 (ST)[13]
8/10点 (ZX)[14]
96% (MD)[15]
Crash85% (ZX)[16]
ファミ通27/40点 (MD)[17]
NintendoLife           (Wii)[18]
Sinclair User10/10点 (ZX)[19]
Your Sinclair8/10点 (ZX)[20]
ACE910/1000点 (Amiga)[21]
672/1000点 (CPC)[22]
892/1000点 (ST)[13]
752/1000点 (ZX)[23]
Zzap!6489% (Amiga)[21]
The Games Machine88% (Amiga)[21]
90% (ST)[13]
Amiga Action80% (Amiga)[21]
Aktueller Software Markt6/12点 (Amiga)[21]
7.6/12点 (C64)[24]
10.4/12点 (MD)[15]
ST Action84% (ST)[13]
メガドライブFAN17.32/30点 (MD)[3]
MegaTech89% (MD)[25]
Mega90% (MD)[26]
Raze74% (MD)[15]
受賞
媒体受賞
Sinclair UserSU Classic (ZX)
Your Sinclair27th Best Spectrum Game of all time (ZX)[27]
アーケード版

1998年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では『名作・秀作・天才的タイトル』と認定された「ザ・ベストゲーム」に選定され、同書では前作の筐体が実物大になっていた事に対し本作ではコンパクトになった事に関して「よりコントロールがしやすくなった」、「ライディング部分が軽くなったおかげで、前作では考えられないようなS字カーブも難なく切り返せるようになった」と肯定的に評価した[28]。また本作より搭載されたスーパーチャージャーに関しては「さらにゲームを面白くする要素」と称賛した[28]

メガドライブ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計27点(満40点)[17]、『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り17.32点(満30点)となっている[3]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 2.91 3.11 2.57 2.98 2.77 2.98 17.32

備考 編集

本ゲームの看板にはRKelf、CIBIE、NGK等の実在企業の看板が、メガドライブ版ではマールボロブリヂストン等の実在企業をもじったロゴがそれぞれ登場していた。後のWiiPlayStation 3ニンテンドー3DSへの移植版では、『スペースハリアー』(1985年)、『アウトラン』(1986年)、『ファンタジーゾーン』(1986年)、『SDI』(1987年)、『アフターバーナーII』(1987年)等のセガのゲーム作品への看板変更が施されている。

参考文献 編集

脚注 編集

  1. ^ 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、24 - 25頁、ISBN 9784881994290 
  2. ^ a b c d e 株式会社QBQ編 『懐かしのメガドライブ 蘇れメガドライバー !!』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118704 p12-13
  3. ^ a b c 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、73頁。 
  4. ^ 『スーパーハングオン』がWiiのバーチャルコンソール向けに配信開始” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2010年9月10日). 2019年11月24日閲覧。
  5. ^ 中野信二 (2010年9月10日). “セガ、VCA「スーパーハングオン」9月14日配信開始。ヌンチャクスタイルやWiiハンドルでの操作にも対応” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年11月24日閲覧。
  6. ^ 冨岡晶 (2010年9月10日). “『スーパーハングオン』、バーチャルコンソールアーケードで9月14日より配信開始” (日本語). iNSIDE. イード. 2019年11月24日閲覧。
  7. ^ Ky (2010年9月10日). “セガ,Wiiバーチャルコンソール用体感型バイクレーシング「スーパーハングオン」を9月14日より配信。プレイ動画を4GamerにUp” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2019年11月24日閲覧。
  8. ^ “セガエイジスオンライン”シリーズが5月23日より配信開始!” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2012年5月18日). 2019年11月24日閲覧。
  9. ^ バイク型筐体のプレイ感をジャイロセンサーで再現! 『3D スーパーハングオン』が3月27日より配信” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2013年3月19日). 2019年11月24日閲覧。
  10. ^ Xbox 360ストアで一部タイトルが販売終了へ―買えなくなる『ジェットセットラジオ』『デイトナUSA』などに要注意”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト. 株式会社イード (2023年2月1日). 2023年2月1日閲覧。
  11. ^ 山村智美 (2016年12月22日). “「セガ 3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE」インタビュー ついにFinal Take Off!シリーズ最高の収録数に加え、さらなる隠しタイトルは“あれ”!” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2017年2月21日閲覧。
  12. ^ 株式会社セガ (2022年12月7日). “「セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE」「3D アフターバーナーⅡ」販売終了のお知らせ |セガ”. セガ. 2022年12月15日閲覧。
  13. ^ a b c d Super Hang-On for Atari ST (1988)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月19日閲覧。
  14. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=C+VG/Issue083/Pages/CVG08300024.jpg[リンク切れ]
  15. ^ a b c Super Hang-On for Genesis (1989)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月19日閲覧。
  16. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=Crash/Issue49/Pages/Crash4900011.jpg[リンク切れ]
  17. ^ a b スーパーハングオン まとめ [メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年1月24日閲覧。
  18. ^ Super Hang-On for Wii (2010)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月19日閲覧。
  19. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=SinclairUser/Issue070/Pages/SinclairUser07000012.jpg[リンク切れ]
  20. ^ The Rock'n'Roll Years” (2013年1月19日). 2011年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月24日閲覧。
  21. ^ a b c d e Super Hang-On for Amiga (1988)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月19日閲覧。
  22. ^ Super Hang-On for Amstrad CPC (1987)”. MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月19日閲覧。
  23. ^ http://www.worldofspectrum.org/showmag.cgi?mag=ACE/Issue05/Pages/ACE0500039.jpg[リンク切れ]
  24. ^ Super Hang-On for Commodore 64 (1987)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月19日閲覧。
  25. ^ MegaTech rating, EMAP, issue 6, page 80, June 1992
  26. ^ Mega rating, issue 9, page 23, Future Publishing, June 1993
  27. ^ Your Sinclair magazine issue 93, Future Publishing, September 1993, page 58
  28. ^ a b 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、122頁、ISBN 9784881994290 

外部リンク 編集