セザリー症候群

悪性リンパ腫の一つ

セザリー症候群(セザリーしょうこうぐん、: Sézary syndrome)は、皮膚の悪性リンパ腫の一種であり、全身が赤くなり痒みが出現し、発熱とリンパ節腫脹も伴う疾患[1]。フランスの皮膚科医アルベール・セザリー (1880-1956) が報告した。

セザリー症候群でみられるセザリー細胞。くびれの深い核を持った異型リンパ球である。

菌状息肉症と同じく、皮膚T細胞性リンパ腫に属する。本症が菌状息肉症の進行したものと考える説もあるが、菌状息肉症が全例セザリー症候群となるわけではない。末梢血中に出現する異常リンパ球はセザリー細胞と呼ばれる。

頻度 編集

比較的まれ。50〜60歳以上に好発[2]

症状 編集

紅皮症リンパ節腫大、末梢血異型リンパ球の出現がある。これをセザリー症候群の3主徴という。強い全身症状を伴わずに慢性的に経過することが多い。

診断 編集

  • 病理検査:Pautrier微小膿瘍など[2]
  • 免疫染色
  • 血液検査:末梢血異型リンパ球の存在。

ただし、すべてのセザリー症候群でこれらがみられるわけではない。そのため、この診断の確定には、紅皮症に挙げられる疾患を除外する必要がある。

治療 編集

ステロイド外用療法、PUVA療法(紫外線療法)、インターフェロン療法など。重症例では化学療法剤(抗がん剤)なども併用する[2]

予後 編集

悪性腫瘍の分類ではあるが、平均生存期間が年単位の低悪性群に分類される[1]

脚注 編集

  1. ^ a b イヤーノート 2015: 内科・外科編 メディック・メディアISBN 978-4896325102
  2. ^ a b c 医師国家試験のためのレビューブック マイナー メディック・メディアISBN 978-4896325485

関連項目 編集