セリプロロール(Celiprolol)は高血圧の治療に用いる交感神経β受容体遮断薬の一つである。β1受容体に対しては遮断薬として働くが、β2受容体英語版に対しては部分作動薬として働く。弱いα2受容体英語版遮断作用も持つ。商品名セレクトール

Celiprolol
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
薬物動態データ
生物学的利用能30-70%
半減期5 hours
識別
CAS番号
56980-93-9
ATCコード C07AB08 (WHO)
PubChem CID: 2663
ChemSpider 2563
UNII DRB57K47QC チェック
KEGG D07660
ChEMBL CHEMBL27810
化学的データ
化学式C20H33N3O4
分子量379.49 g/mol
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効能・効果 編集

本態性高血圧症(軽症~中等症)、腎実質性高血圧症、狭心症[1][2]

  • 本態性高血圧症(軽症~中等症)、腎実質性高血圧症 - 1日1回100~200mgを食後経口投与。1日最高用量は400mg。
  • 狭心症 - 1日1回200mgを食後経口投与。1日最高用量は400mg。

禁忌 編集

  • 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者
  • 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者
  • 心原性ショックの患者
  • 鬱血性心不全、肺高血圧による右心不全のある患者
  • 未治療の褐色細胞腫の患者
  • 妊婦または妊娠している可能性のある婦人
  • 製剤成分に対し過敏症の既往歴のある患者

副作用 編集

重大な副作用として、心不全房室ブロック洞房ブロックが知られている[1]

臨床研究 編集

2010年の臨床試験では、稀な遺伝性疾患であるエーラス・ダンロス症候群の血管合併症の予防薬として有効であることが示唆された。その研究では、動脈破裂や剥離の発生率が減少することが示されていた[3]

出典 編集

  1. ^ a b セレクトール錠 100mg/セレクトール錠 200mg 添付文書” (2013年6月). 2015年10月14日閲覧。
  2. ^ セレクト-ル錠100mg/セレクト-ル錠200mg:医薬品インタビューフォーム” (PDF). 日本新薬株式会社 (2009年8月). 2019年4月24日閲覧。
  3. ^ Ong K-T (2010). “Effect of celiprolol on prevention of cardiovascular events in vascular Ehlers-Danlos syndrome: a prospective randomised, open, blinded-endpoints trial”. Lancet 376 (9751): 1476–1484. doi:10.1016/S0140-6736(10)60960-9. PMID 20825986. 

外部リンク 編集