センダイムシクイ(仙台虫喰、Phylloscopus coronatus)は、鳥綱スズメ目ムシクイ科ムシクイ属に分類される鳥類

センダイムシクイ
センダイムシクイ
センダイムシクイ Phylloscopus coronatus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: ムシクイ科 Phylloscopidae
: ムシクイ属 Phylloscopus
: センダイムシクイ P. coronatus
学名
Phylloscopus coronatus
(Temminck & Schlegel, 1847)[1][2]
和名
センダイムシクイ[2]
英名
Eastern crowned-warbler[1]
Eastern crowned leaf warbler[1][2]
Eastern crowned warbler[1]

分布 編集

インドネシアカンボジアシンガポールタイ王国大韓民国中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国日本バングラデシュベトナムマレーシアミャンマーラオスロシア東部[1]

中華人民共和国北東部・日本・ロシア南東部・朝鮮半島で繁殖し、冬季になるとマレー半島・ジャワ島・スマトラ島などの東南アジアで越冬する[2]。日本には繁殖のため九州以北に飛来(夏鳥)する。

形態 編集

ムシクイ類は種毎の外部形態の差が極めて小さく、鳴声を別にすれば、野外識別の難しいグループである。本種は全長12.5cm。上面は淡い緑褐色で覆われる。下面は白い羽毛で覆われ、体側面から腹部にかけての羽毛は黄色や緑褐色みを帯びる。嘴の基部から正中線を通り後頭部へ続く筋状の斑紋(頭央線)は不明瞭な淡白色で、頭央線が後頭にしかない個体もいる。眼上部にある眉状の斑紋(眉斑)は淡黄色で明瞭。大雨覆には淡黄色の斑紋が入る。

上嘴の色彩は黒褐色で、下嘴の色彩はオレンジ色。後肢の色彩は褐色。

分類 編集

以前はP. occipitalisに対応した和名がセンダイムシクイだった。しかし分布域東部の亜種センダイムシクイ(P. o. coronatus)が独立種とされたため、現在はP. coronatusに対応した和名がセンダイムシクイとされている。

生態 編集

落葉広葉樹林に生息する。群れは形成せず単独かペアで生活する。

食性は動物食で、昆虫節足動物などを食べる。樹上を徘徊しながら木の葉の裏にいる獲物を捕食する。

繁殖形態は卵生。植物の根元に枯れ葉などを集めた球状の巣を作り、5 - 6月に1回に4 - 6個の卵を産む。抱卵期間は13 - 16日、雛は孵化してから約14日で巣立つ。ツツドリ托卵の対象とされることもある。

人間との関係 編集

囀りを日本語に置き換えた表現(聞きなし)として「焼酎1杯グイ」「鶴千代君(つるちよぎみ)」がある。

画像 編集

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e f BirdLife International 2016. Phylloscopus coronatus. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T22715348A94449332. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22715348A94449332.en. Downloaded on 04 October 2020.
  2. ^ a b c d 日本鳥学会 「センダイムシクイ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会、2012年、289頁
  • 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、山と渓谷社、2008年、204 - 205頁。
  • 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版、2004年、242頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社、1986年、156頁。
  • 高野伸二編 『山渓カラー名鑑 日本の野鳥 特装版』、山と渓谷社、1985年、466頁。
  • 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会、2007年、256 - 257頁。
  • 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、31、61、205頁。
  • 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、515頁。

関連項目 編集