センネンダイ(千年鯛、学名 Lutjanus sebae) は、スズキ目・フエダイ科に分類される魚の一種。インド太平洋の熱帯海域に分布する大型のフエダイで、体側に3本の帯模様が入るのが特徴である。沖縄ではサンバナーと呼ばれる。

センネンダイ
若魚(下2図)は独特の模様をしている
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: フエダイ科 Lutjanidae
亜科 : フエダイ亜科 Lutjaninae
: フエダイ属 Lutjanus
: センネンダイ L. sebae
学名
Lutjanus sebae
(Cuvier, 1816)
和名
センネンダイ(千年鯛)
英名
Emperor red snapper

特徴 編集

成魚は全長60cmほど、稀に90cmに達し、フエダイ科の中でも大型種である。他のフエダイ属と同様に体は側扁し体高が高く、口は前に突き出る。

体は淡赤色で、体側に3本の太い赤帯模様がある。前の帯は背鰭前端から目を通って口へ、真ん中の帯は背鰭の第3-7棘条から腹へ、後ろの帯は背鰭軟条部から尾の下へそれぞれ走っている。この独特の帯模様はしばしば漢字の「川」や「小」にも例えられる。ただし大型個体では帯模様が薄れ全身が赤褐色になることもある。また幼魚の帯模様は黒に近い暗赤色をしている。

帯模様の他に、背鰭と臀鰭の軟条部は三角形に尖り後ろへ突き出ること、胸鰭以外の各鰭の先端が黒く縁取られることも特徴である。

生態 編集

アフリカ東岸・南日本・ニューカレドニア・オーストラリアまで、インド太平洋の熱帯海域に広く分布する。南日本での個体数は多くないが、本州・四国南岸や九州でたまに見られ、南西諸島でやや多くなる。

水深180mまでの、浅い海の岩礁・サンゴ礁周辺に生息する。深場では岩礁から離れた砂底で漁獲されることもある。幼魚は海岸近くで見られ、マングローブ域にも入る。また幼魚はガンガゼなどウニ類との共生が見られる。

単独か、同じくらいの大きさの個体で小さな群れを作って生活する。食性は肉食性で、小魚・甲殻類・頭足類など小動物を幅広く捕食する。

利用 編集

釣り定置網底引き網などの沿岸漁業で漁獲される。日本ではあまり漁獲されないが、台湾や中国南部の海南島などでは漁獲量も多く、重要な食用魚となっている。ただし大型個体ではシガテラ中毒も報告されている。

鮮やかな体色で大型になることから、水族館などで飼育されることもある。

参考文献 編集

  • 内田亨監修『学生版 日本動物図鑑』北隆館 ISBN 4-8326-0042-7
  • 檜山義夫監修 『野外観察図鑑4 魚』改訂版 旺文社 ISBN 4-01-072424-2
  • 蒲原稔治著・岡村収補『エコロン自然シリーズ 魚』保育社 1966年初版・1996年改訂 ISBN 4-586-32109-1
  • 岡村収・尼岡邦夫監修『山溪カラー名鑑 日本の海水魚』(フエダイ科解説 : 岩槻幸雄)ISBN 4-635-09027-2
  • Lutjanus sebae - Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2008.FishBase. World Wide Web electronic publication. www.fishbase.org, version(10/2008).