タマリロ(学名:Solanum betaceum、英語:Tamarillo)は、ナス科ナス属植物。また、その果実のこと。常緑小木で、果実は食用として利用される。トマトに近縁で、ツリートマト木立ちトマトの別名を持つ。

タマリロ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: ナス属 Solanum
: タマリロ S. betaceum
学名
Solanum betaceum
和名
タマリロ、ツリートマト、木立ちトマト
英名
tamarillo

特徴 編集

樹高は最大で6mほどになる。若木は根張りが浅く、風や降霜の影響を受けやすい為、栽培には支柱やマルチングを必要とする。樹齢2年で結果する。果実は約2-8cmで、パッションフルーツとトマトとキウィフルーツの中間のピリッとした味と評される[1]

原産地では1本の木で1家族の3か月間の収穫が出来るとされる。状態が良ければ、1年で66kgもの収穫が見込めるという。ある程度の成長の後、片側の根を切って木を傾け、主幹を切って横枝を出させることで収量を増やす。

分布 編集

南米アンデス山脈周辺、ペルーエクアドルボリビアコロンビアチリなどに広く分布する。

普及 編集

ニュージーランドオーストラリアアルゼンチンブラジルベネズエラインドネシアケニアポルトガルアメリカなどで栽培されている。特にニュージーランドとポルトガルでは商業栽培が進み、輸出も行っている。オーストラリアにおいては1970年代から一部で知られていたが、本格的な栽培は1996年に開始された。日本ではあまり栽培されていない。

名称 編集

原産地である南米では、木立ちトマト(スペイン語:tomate de árbol)の名称が一般的であり、主に英語圏での名称であるタマリロとはあまり呼ばれない。これは1967年にニュージーランドにおけるプロモーションの一環でタマリロという名称が作られたためである。それまでは英語圏においてもツリートマトの名称であったが[2]、エキゾチックなイメージ作りとトマトとの差別化を狙って新名称が採用された[3]。由来は、マオリ語でリーダーシップを意味するtamaとスペイン語で黄色にあたるamarillo[4]。ちなみにニュージーランドは南米原産の個性的な植物の導入に以前から熱心である。

利用方法 編集

熟した果実はそのまま、もしくは砂糖を加えて生食される。また、サラダや煮込み料理に加えられたり、オランデーズソースチャツネピューレ等に加工される。コンポートシュトゥルーデルババロアなどにも使用されている。

コロンビア、エクアドル、スマトラにおいては水や砂糖を加えてしばしばジュースに加工される。

ギャラリー 編集

脚注 編集

外部リンク 編集