タンジー学名Tanacetum vulgare)は、キク科の多年生草本。ヨーロッパからアジアにかけて分布する。和名はヨモギギク(蓬菊)。日本では変種とされるエゾヨモギギクが北海道に自生している[1]

タンジー
タンジー
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: ヨモギギク属 Tanacetum
: ヨモギギク T. vulgare
学名
Tanacetum vulgare
和名
ヨモギギク(蓬菊)
英名
Tansy

特徴 編集

強い香りを持つ植物である。

  • 葉:羽状複葉で鋸歯がある。互生。長さは10〜15センチ程度。羽状の裂片が7〜8組ほどに分かれる。一組の裂片は、さらに小さな鋸状の裂片に分かれ、シダの葉のような外観を呈することもある。
  • 茎:丈夫で根元は赤みがかっており、表面は滑らかで直立する。草丈は50〜150cmほど。
  • 花:先端近くで枝分かれして花をつける。夏の中ごろから終わりにかけて、先端部に放射状に密集したボタン状の黄色い花を複数個咲かせる。
 
タンジー

用途 編集

  • 古来から、薬草として使用されてきた。
  • 西洋では台所の入り口に植えられ、アリなどの虫除けとして使用されてきた。
  • 少量をプディングやオムレツの風味付けに用いていた。

毒性 編集

  • 全体に毒性を持つ成分が含まれている。葉や花を大量に用いた場合は、より毒性が強いと言われている[誰によって?]
  • タンジーから採った精油にはツヨン(アブサン酒の主要成分)よりも強い毒性があり、痙攣、嘔吐、および子宮からの出血を引き起こす場合がある。重篤な場合、呼吸停止や多臓器不全に至り死亡することもある。現在のところ毒性成分の詳細や作用機序は、よく分かっていない。
  • 上記の作用から、タンジーは西洋で堕胎薬としても使われていたが、危険性が高いため現在は殆んど行われていない。
  • 人体に直接用いることは避け、ポプリの材料としてその香りを楽しむ、あるいは虫除けに使うのが無難である。

花言葉 編集

  • 挑戦、抵抗、敵意、(婦人の)美徳

脚注 編集

  1. ^ 基本ハーブの事典 東京堂出版 北野佐久子 2005年p94-96