デイトナDaytona)はクライスラーの一部門である「ダッジ」が販売していた自動車である。

名前はフロリダ州デイトナビーチで行われる「デイトナ500レース」に参加するために作られたホモロゲーションモデルであるダッジ・チャージャーの一グレード「ダッジ・チャージャー・デイトナ」に由来している。

日本へは「クライスラー・デイトナ」として1990年まで投入されていた。

概要 編集

ダッジ・デイトナ
 
デイトナCS(中期型)
 
デイトナ IROC R/T(後期型)
概要
製造国   アメリカ合衆国
販売期間 1984年–1993年
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 3ドアファストバッククーペ
駆動方式 FF
プラットフォーム クライスラー・Gプラットフォーム
パワートレイン
エンジン クライスラーK型2.5リットル直列4気筒SOHC
三菱6G72型3.0リットルV型6気筒SOHC
最高出力 99PS/5,600rpm
最大トルク 16.7kg-m/3,200rpm
変速機 4AT/5MT
サス前 前:ストラット
後:トレーディングアーム
サス後 前:ストラット
後:トレーディングアーム
車両寸法
ホイールベース 2,463mm
全長 4,445mm
全幅 1,760mm
全高 1,227mm
車両重量 1,260kg
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デイトナはクライスラーの一連のFFシャーシである「Kプラットフォーム」から派生した「Gプラットフォーム」を使用した前輪駆動モデルである。ダッジのラインナップのうち、三菱製の「ダッジ・チャレンジャー(2代目)」と「ダッジ・コンクエスト」の間が空白となっていたため、その補完のために企画された。

基本的なシャシコンポーネンツは「ダッジ・チャージャー(2代目)」と共用しているが、ボディスタイルは全く新規のものが与えられている。当初は固定4等式ヘッドライトを採用していたが、1987年にリトラクタブル・ヘッドライトへマイナーチェンジし、さらに1992年には三菱・エクリプス同様の異形2灯ヘッドライトへと変化している。

当初のラインナップは2.2リットルK型エンジン(99PS)および2.2リットルK型ターボ(142PS)であったが、1985年に上級グレードの「ターボZ」(2.5リットルK型ターボ 146hp)が追加され、1987年にはキャロル・シェルビーによってチューンナップされた「シェルビー・Z」(2.2リットルK型ターボ/174PS)が追加された。

さらに1992年にはIROCによりシボレー・カマロの後継モデルとしても指名され、ロータスがエンジンに手を入れた「IROC R/T」(2.2リットルK型 ターボ 224hp/3.0リットル三菱6G72型V型6気筒)がリリースされている。

なお、1984年にはターボモデルが『カー・アンド・ドライバー』誌により「テンベスト・リスト」に挙げられている。

デイトナは1993年に生産を終了し、「ダッジ・アベンジャー」とモデル統合された。

マイナーチェンジ後のモデルが1989年より日本へ「クライスラー」ブランドで導入されていた。

なお、姉妹車に「クライスラー・レーザー」が存在していたが、1989年にモデルチェンジし三菱・エクリプスの姉妹車「プリムス・レーザー」となっている。

その他 編集

1985年に、プロ野球選手の落合博満(当時ロッテオリオンズ)とランディ・バース(当時阪神タイガース)が三冠王を獲得し、リーグMVPの副賞として、デイトナが贈られた。黒と赤の2色が用意され、バースは黒、落合は赤を選んだ。ちなみに落合は2022年現在もデイトナを所有し、同じく所有しているアストン・マーティンV8ヴァンテージ シリーズ(「ボンドカー」)と共に車検、メンテナンスを繰り返しながら、35年以上にわたって現役で走行している。

関連項目 編集