チェンバーズ・ベイ・ゴルフコース
チェンバーズ・ベイ・ゴルフコース(Chambers Bay Golf Course)はアメリカ合衆国の太平洋岸北西部にあるパブリック・ゴルフコースである。ワシントン州タコマ南西のユニバーシティプレースに位置し、ピアース郡が所有するイギリスのリンクス・スタイルのコースで、2007年6月23日にオープンした[1]。 本コースは2015年の全米オープンの会場に選ばれている[2]。
概要 | |
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所在地 | アメリカ合衆国ワシントン州ユニバーシティプレース |
開業 | 2007年6月23日 17年前 |
種類 | パブリック |
所有者 | ワシントン州ピアース郡 |
管理者 | ケンパースポーツ |
ホール数 | 18 |
開催大会 | 全米アマ (2010), 全米オープン (2015) |
ウェブサイト | chambersbaygolf.com |
設計者 | ロバート・トレント・ジョーンズ・ジュニア |
パー | 72 |
全長 | 7,585ヤード (6,936 m) |
設計 編集
チェンバーズ・ベイはロバート・トレント・ジョーンズ・ジュニアの設計で[1][3]、3.8平方キロメートルの郡立公園の中心として、1平方キロメートルの敷地を占めている。この土地はかつて砂と砂利の採取場で、オフロード車やダートバイク乗りの間で有名なところだった。これをピアース郡は3千3百万ドルで買収している[1][4]。 設計にあたっては、郡の意向として全米オープンの誘致を目標に据えて行われた。設計コンペでは全ての事務所がイギリスのリンクスコースをモデルにしたプランを提出している[5]。芝は海岸性気候に理想的なフェスキュー(細く長い洋芝)が用いられており、イギリスでは一般的だが米国内では珍しい[6]。
2015年の全米オープンの際には、コースの設計についてプレーヤーや関係者から多くの批判が出ている。とくにグリーンのアンジュレーションについて酷評が多く、ゲーリー・プレーヤーはゴルフ・チャンネルのインタビューで、一般のゴルファーがプレーするパグリック・コースとしてはありえないほどの難易度の高さを指摘し、ゴルフのアマチュア人口への悪影響を懸念している[7]。
造成 編集
コースの造成中、110立方メートルの土砂(トラックで10万台分)が取り除かれ、敷地内を整地後コースを形成するために戻された[8][9]。 この時点で、未だにこの地は運用中の鉱山として登録されていた。そのため、コースの造成にわずかながら制限が課せられていた[1][10]。
レイアウト 編集
各ホールには5ヶ所のティーグラウンドが設けられ、コース長が5,250ヤードから7,585ヤードまでの幅をもつ。ピアース郡の公営コースであることから、郡内居住者は利用に割引を受けられる。コース内は歩行のみが許され、キャディーはつけることができるがオプションである。電動カートも用意されているが、疾患を抱えているか障害者にのみ利用可能で、必ずキャディーに運転を任せなければならない。
グリーンにはエッジが無い。フェアウェイから直接グリーンに遷移する。
各ホール 編集
チャンピオンシップ・ティー[11]
ホール | 名称 | ヤード | パー | ホール | 名称 | ヤード | パー | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Puget Sound | 598/496 | 5/4 | 10 | High Dunes | 436 | 4 | |
2 | Foxy | 399 | 4 | 11 | Shadows | 537 | 4 | |
3 | Blown Out | 198 | 3 | 12 | The Narrows | 311 | 4 | |
4 | Hazard's Ascent | 495 | 4 | 13 | Eagle Eye | 534 | 4 | |
5 | Free Fall | 488 | 4 | 14 | Cape Fear | 546 | 4 | |
6 | Deception Point | 495 | 4 | 15 | Lone Fir | 246/167 | 3 | |
7 | Humpback | 508 | 4 | 16 | Beached | 423 | 4 | |
8 | High Road Low Road | 614 | 5 | 17 | Derailed | 218 | 3 | |
9 | Olympus | 224/217 | 3 | 18 | Tahoma | 604/525 | 5/4 | |
アウト | 4,019/3,910 | 36/35 | イン | 3,855/3,697 | 35/34 | |||
チャンピオンシップ・ティー: レーティング=78.1, スロープ=146 | 合計 | 7,874/7,607 | 70 |
ネイビー・ティー[12]
ホール | 名称 | ヤード | パー | ホール | 名称 | ヤード | パー | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Puget Sound | 559 | 5 | 10 | High Dunes | 398 | 4 | |
2 | Foxy | 395 | 4 | 11 | Shadows | 457 | 4 | |
3 | Blown Out | 167 | 3 | 12 | The Narrows | 281 | 4 | |
4 | Hazard's Ascent | 530 | 5 | 13 | Eagle Eye | 485 | 4 | |
5 | Free Fall | 465 | 4 | 14 | Cape Fear | 496 | 4 | |
6 | Deception Point | 418 | 4 | 15 | Lone Fir | 139 | 3 | |
7 | Humpback | 482 | 4 | 16 | Beached | 396 | 4 | |
8 | High Road Low Road | 557 | 5 | 17 | Derailed | 172 | 3 | |
9 | Olympus | 227 | 3 | 18 | Tahoma | 541 | 5 | |
アウト | 3,800 | 37 | イン | 3,365 | 35 | |||
ネイビー・ティー: レーティング=75.6, スロープ=139[13] | 合計 | 7,165 | 72 |
運営 編集
本コースの運営は、イリノイ州ノースブルックに本社があるケンパースポーツ管理会社が主体となっておこなっており、オレゴン州南部の沿岸部にあるバンドン・デューンズ・ゴルフ・リゾートも関与している[1]。
コースはチェンバーズ川公有地の一部であり、ゴルフ以外のレクリエーション施設も数多くあり、その一つである全長5キロメートルの遊歩道は、ゴルフコースの西側を横切っている[1]。
大会 編集
チェンバーズ・ベイは2010年の全米アマチュアゴルフ選手権と、2015年の全米オープンの会場となっている。これは2008年初頭に全米ゴルフ協会によって選ばれた[2][15]。 2010年の全米アマの際には、コース長7,742ヤード、パー71 として設定され[16]、当時のUSGAにおける最長記録であった[17]。 この記録は翌年、エリンヒルズが18ヤード上回って更新された[17]。
2015年の全米オープン開催に11ヶ月先立って、USGA は最終ラウンド用チケットとウィークリー・チケットが完売したと報じた[18]。
2022年には全米女子アマが開催。
参照 編集
- ^ a b c d e f Smith, Craig (2007年6月23日). “Chambers Bay golf course opens today”. シアトル・タイムズ 2014年8月13日閲覧。
- ^ a b “Chambers Bay will host U.S. Open”. シアトル・タイムズ. (2008年2月8日) 2014年8月13日閲覧。
- ^ “Ask the Architect, Robert Trent Jones II” (2008年3月). 2008年4月20日閲覧。
- ^ “採掘場から至高のコースへ”. 米国Golf Digest誌 2015 全米オープン特集. ゴルフダイジェスト・オンライン. 2015年6月20日閲覧。
- ^ “全米オープンを意図して設計された初めてのコース”. 米国Golf Digest誌 2015 全米オープン特集. ゴルフダイジェスト・オンライン. 2015年6月20日閲覧。
- ^ “全てフェスキュー芝で開催される初めての全米オープン”. 米国Golf Digest誌 2015 全米オープン特集. ゴルフダイジェスト・オンライン. 2015年6月20日閲覧。
- ^ “「今までで一番不愉快」 異色の全米OPコースに糾弾相次ぐ”. ゴルフダイジェスト・オンライン. 2015年6月23日閲覧。
- ^ Newnham, Blaine (2007年4月12日). “Chambers Bay is a bit of Scotland near Tacoma”. シアトル・タイムズ 2014年8月13日閲覧。
- ^ Hanson, Scott (2014年4月19日). “How 3 visionaries brought the U.S. Open to Chambers Bay”. シアトル・タイムズ 2014年8月13日閲覧。
- ^ Kelley, Steve (2008年2月17日). “Bruce Charlton felt the sand and saw a U.S. Open”. シアトル・タイムズ 2014年8月13日閲覧。
- ^ Chambers Bay Yardage Guide with US Open Tees, チェンバーズ・ベイ・ゴルフコース, (2015年4月4日)
- ^ “HOLE BY HOLE & SCORECARD”. チェンバーズ・ベイ・ゴルフコース. 2015年6月20日閲覧。
- ^ “Course rating and slope database, Chambers Bay”. USGA. 2015年6月20日閲覧。
- ^ Booth, Tim (2008年5月1日). “Chambers Bay's "Lone Fir" hacked”. シアトル・タイムズ. AP通信 2015年6月16日閲覧。
- ^ “USGA Awards 2015 U.S. Open, 2010 U.S. Amateur to Chambers Bay in Washington State and 2011 U.S. Amateur to Erin Hills Golf Club in Wisconsin”. USGA (2008年2月7日). 2008年4月20日閲覧。
- ^ “It's Uhlein's time”. USGA (2010年8月29日). 2014年8月13日閲覧。
- ^ a b “U.S. Am courses give USGA advance look”. Golfweek. (2011年8月22日) .
- ^ “USGA announces its Sunday round at 2015 U.S. Open is all sold out”. シアトル・タイムズ. (2014年7月18日) 2014年8月13日閲覧。