チブサン古墳
概要 編集
本古墳は、山鹿市を流れる菊池川支流の岩野川右岸、標高約45メートルの平小城台地の東端に位置する。周辺には装飾古墳(上流に城横穴群、付城横穴群、馬塚古墳)が多く分布する地域である。
6世紀初めの古墳時代に築造された前方後円墳である。現在は県立風土記の丘の中心遺跡となっている。
後円部南に羨道をもつ、前室・後室の複数の横穴式石室を設け、石室内の石屋形(いしやかた)内壁と屋根の軒部前面に装飾文が描かれている。内側石の上段に白の円文7個、下段に冠をつけ両手、両足を広げた人物像とその右に三角文を白色で、その他は赤色で塗っている。正面の側石に三角文・菱形文を主体に正面中央に円文を描き、赤・白・青の三色で塗り分けてある。特に、中央に描かれている装飾の紋様が女性の乳房に似ていることから、「乳の神様」(別称)として現在に至るまで崇められており、「乳房さん」が訛って今の古墳の名になったとも言われている。
古くから開口し、出土品は不明であるが、事前調査で円筒埴輪、形象埴輪が出土している。前方部と後円部の境にやっこだこ形の石人が立っていた。現在、東京国立博物館に所蔵されている[1]。
データ 編集
交通アクセス 編集
- 熊本桜町バスターミナルから九州産交バス山鹿温泉ゆきに乗車し「山鹿バスセンター」下車。九州産交バス南関ゆきに乗り換え「石村」下車、徒歩8分(620m)。
- 九州自動車道植木インターチェンジから14km、菊水インターチェンジから10km。
脚注 編集
- ^ 隈昭志「チブサン古墳」 文化庁文化財保護部史跡研究会監修『図説 日本の史跡 第3巻 原始3』 同朋舎出版 1991年 232ページ
参考文献 編集
- 文化庁文化財保護部史跡研究会監修『図説 日本の史跡 第3巻 原始3』 同朋舎出版 1991年 ISBN 4-8104-0926-0
関連項目 編集
外部リンク 編集
座標: 北緯33度1分46.8秒 東経130度40分9.8秒 / 北緯33.029667度 東経130.669389度