チャップリンの霊泉』(The Cure)は、チャーリー・チャップリンミューチュアル社英語版における10作目のサイレント映画1917年公開。共演はエドナ・パーヴァイアンスエリック・キャンベルヘンリー・バーグマン他。

チャップリンの霊泉
The Cure
監督 チャーリー・チャップリン
脚本 チャーリー・チャップリン
製作 チャーリー・チャップリン
撮影 ローランド・トザロー
配給 ミューチュアル・フィルム・コーポレーション英語版
公開 1917年4月16日
上映時間 23分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 サイレント映画
英語字幕
テンプレートを表示
チャップリンの霊泉

本作の残存するNGシーンがドキュメンタリー『知られざるチャップリン英語版』で紹介されている(#外部リンク 「Unknown Chaplin: Ep. 1 -- My Happiest Years」参照)。収録された映像からは、当初チャップリンの役は保養所の客ではなくスタッフだったことが確認できる。

チャップリンが更衣室でカーテンを開けるたびにポーズをとるシーンは、英国のミュージックホールで人気の出し物である「活人画(タブロー・ヴィヴァン)」に触発されたものであることが指摘されている[1]

あらすじ 編集

鉱泉のある保養所にアルコール中毒の男 (チャップリン)がやって来るが、彼のスーツケースは酒で満たされている。チャップリンは、他の映画同様に保養所の大男 (キャンベル) を怒らせたり、女性 (エドナ) に惚れたりするが、彼の持ち込んだ酒により保養所で大騒動が繰り広げられる。 

キャスト 編集

日本語吹替 編集

俳優 日本語吹替
チャールズ・チャップリン 千葉繁
エドナ・パーヴァイアンス 土井美加
エリック・キャンベル 若本規夫
(ナレーター) 近石真介
この作品はサイレント映画だが、チャップリンのデビュー100周年を記念し、日本チャップリン協会監修のもと、日本語吹替が製作された[4]

背景 編集

この映画で描かれた飲泉による温泉療法は、元々ヨーロッパでは盛んに行われてきた。飲泉カップと呼ばれるカップで、朝夕一定の時間に飲泉所に集まり、処方にしたがって飲泉カップに温泉水を汲み、音楽を効いたりおしゃべりをしたりしながら、時間をかけて温泉水を飲むというものである。温泉地には長期滞在を前提として、飲泉、温泉浴、温泉プールなどの温泉関連施設が設けられたほか、病院やホテル、屋外の運動場などのほか、図書館、博物館などの文化施設も併設されている[5]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ トム・ウッド(Tom Wood、1894年 - 1932年)のこと[2]。1963年生まれの同名の俳優であるトム・ウッド(Tom Wood / Thomas Mills Wood)とは異なる人物。

出典 編集

  1. ^ Vance, Jeffrey. “Charlie Chaplin : The Cure”. www.charliechaplin.com. Roy Export S.A.S.. 2024年4月24日閲覧。 “There is a delightful scene in the changing room where Charlie assumes several poses in his swimsuit as the curtains open and close before he dances along to the pool. The scene was inspired by the tableaux vivants, a popular feature of many British music-hall programs.”
  2. ^ Tom Wood - IMDb(英語). 2023年10月20日閲覧。
  3. ^ 吹替で蘇る!チャップリン笑劇場”. STAR CHANNEL. 2014年10月1日閲覧。
  4. ^ チャップリンの霊泉”. STAR CHANNEL. 2014年10月1日閲覧。
  5. ^ 「世界の温泉」”. www.nagayu-onsen.com. アーク. 2024年4月25日閲覧。

外部リンク 編集