チャレンジコイン

アメリカ軍で帰属意識や士気を向上させるために隊員に与えられるコイン

チャレンジコイン (Challenge Coin) は、主にアメリカ軍において、帰属意識や士気を向上させるために隊員に与えられる直径4センチほどの円形の金属板。部隊名、ロゴ、参加した作戦名などが刻印されている。

アメリカ海兵隊岩国基地

概要 編集

コインと呼ばれているが、貨幣としての価値はない記念メダルである。

一般的には各々の部隊章やモットーなどが刻印されているが、部隊長、部隊最先任軍曹等は個人の名前や階級などが刻印された特別なデザインの物を持つこともある。これら部隊長クラスが持つコインは部隊内で褒章・叙勲するまでには至らない程度の功績があった隊員への謝礼や、極親しい友人、部隊を訪問したVIP等に友好の証として手渡されることがある。その際の流儀として握手をする右手に隠し持ち、握手をした瞬間に相手の掌中に渡すという一種のサプライズ演出が行われる。現在のチャレンジコインは単に円形のものばかりではなく、四角形をはじめとする多角形、また部隊が使用する航空機等の機材や部隊章に採用されているマスコットキャラクターの形状等様々であり、前述の手渡しのさいに既に手からはみ出るような大きさのものまで存在する。

歴史上チャレンジコインがどのように出現したかは定かではないが、一説では第一次世界大戦の頃であると言われている。第二次世界大戦後には兵士達がバーなどで「チャレンジ」と称して仲間同士でコインを持っているかチェックし合い、持っていない者がその場にいる全員に、逆に全員が持っていた場合はチェックを掛けた本人が酒をおごる風習が起こったとされ、この風習は現在においても続いている。これが現在のチャレンジコインという呼び名につながっているとみられるが、本品は単にコイン、あるいはユニットコインと呼ばれることもある。

友情の証として他国の軍人に渡すこともあり、在日米軍司令のジョン・ドーラン空軍中将は、かつて墜落した自分を救助した自衛官と再会した際にチャレンジコインを渡している[1]。また2019年9月30日、河野太郎防衛大臣が在沖米軍のクラーディ4軍調整官に渡したときの様子は河野の公式twitterにて公開されている[2]

出典 編集

  1. ^ 在日米軍司令官が命の恩人と再会 > Marine Corps Air Station Iwakuni-Japanese > News Article Display
  2. ^ 河野太郎 [@konotarogomame] (2019年9月30日). "クラーディ四軍調整官にチャレンジコインを差し上げる。". X(旧Twitter)より2022年7月11日閲覧

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集