テーテュース

ギリシア神話の神

テーテュース古希: Τηθύς, Tēthȳs, : Tethys)とは、ギリシア神話女神である。長母音を省略してテテュスとも表記される。

テーテュース
Τηθύς
ローマ時代モザイクに描かれたテーテュース
ハタイ考古学博物館英語版所蔵
位置づけ ティーターン
配偶神 オーケアノス
ウーラノス, ガイア
兄弟 クロノス, オーケアノス, コイオス, クレイオス, ヒュペリーオーン, イーアペトス, テイア, レアー, テミス, ムネーモシュネー, ポイベー, キュクロープス, ヘカトンケイル, ギガース, メリアス, アプロディーテー, エリーニュス
子供 ポタモイ, オーケアニデスステュクス, メーティス, エウリュノメー, ディオーネー, ペイトー, アシアー, テュケー,クリュメネー, カリロエー
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土星の第3衛星テティスの由来である。

神話 編集

ウーラノスガイアの娘で、ティーターン神族の1人。オーケアノスコイオスクレイオスヒュペリーオーンイーアペトスクロノステイアーレアーテミスムネーモシュネーポイベーと兄弟[1]。またオーケアノスの妻で、3,000人の河神の息子と、オーケアニデスと総称される3,000人の海や泉、地下水の女神の母である[2][3][4]

ホメーロスによれば彼女の住まいは大地の果てにあるとされる。またテーテュースとオーケアノスはヘーラークロノスから匿って育てたが、オーケアノスと喧嘩をして以来、両者は離れて暮らしているといわれる[5][6]ヒュギーヌスもテーテュースをヘーラーの乳母と呼んでいる。ヒュギーヌスによると星座になったカリストーおおぐま座)が海に沈むのを禁じたのはテーテュースである[7]

なお、ギリシア神話にはテーテュース(Tethys)とは別にテティス(Thetis)という名前のニュムペーが登場する。

脚注 編集

  1. ^ ヘーシオドス、133行-138行。
  2. ^ ヘーシオドス、337行-368行。
  3. ^ アポロドーロス、1巻2・2。
  4. ^ ヒュギーヌス、序文。
  5. ^ 『イーリアス』14巻197行-210行。
  6. ^ 『イーリアス』14巻300行以下。
  7. ^ ヒュギーヌス、177話。

参考文献 編集

関連項目 編集

自然科学の分野にはテーテュース神に因む呼称があり、「テティス」「テチス」「テテュス」などと呼ばれる。

外部リンク 編集