ディーツ社ディーツ出版社ドイツ語: Dietz Verlag)は、ドイツ社会民主党印刷所に起源をもち、社会主義者らの著作や雑誌を刊行してきたドイツ出版社である。現在の名称はベルリン・カール・ディーツ出版社ドイツ語: Karl Dietz Verlag Berlin)。

ディーツ出版社
正式名称 Karl Dietz Verlag Berlin
ベルリン・カール・ディーツ出版社
前身 J.H.W.ディーツ
設立日 1946年
本社所在地 ドイツの旗 ドイツベルリン
Franz-Mehring-Platz 1[1]
外部リンク http://dietzberlin.de/
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沿革 編集

1878年社会主義者鎮圧法により、ハンブルクドイツ社会民主党印刷所非合法化された[2]。翌1879年10月19日、印刷工出身のヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ディーツの名を冠した出版社「J.H.W.ディーツ」が発足し、党印刷部門を引き継いだ[2]

1881年12月31日シュトゥットガルトに移転[3]1883年1月1日、党理論誌『ノイエ・ツァイト』創刊[3]。『哲学の貧困』を皮切りに、同年よりマルクス主義文献を相次いで刊行していった[3]

1885年、廉価版叢書『国際文庫』刊行開始[4]カール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスカール・カウツキーアウグスト・ベーベルエドゥアルト・ベルンシュタインフランツ・メーリングらの著作を67巻出版し1923年に終結した[4]

1913年頃、マルクス・エンゲルスの全集を企画し果たせなかった[4]が、戦後著作集(Marx-Engels-Werke、日本語版は大月書店『マルクス・エンゲルス全集』)を刊行した。

ナチス政権発足により、1934年8月24日登記抹消>[5]。戦後、東ベルリン西ベルリンに再興[5]。名称をめぐる両社の裁判により、1998年、東のディーツ社は現在の名称に改称[5]、西のディーツ社はボン・J.H.W.ディーツ後継出版社ドイツ語版となった。

参考文献 編集

  • 的場昭弘<研究ノート>『マルクス・エンゲルス全集』の出版社-ディーツ」『経済貿易研究 : 研究所年報』第27巻、神奈川大学、2001年3月、33-44頁、ISSN 03865193NAID 110000407091 

脚注 編集

  1. ^ Adresse
  2. ^ a b 的場(2001), p. 39.
  3. ^ a b c 的場(2001), p. 40.
  4. ^ a b c 的場(2001), p. 41.
  5. ^ a b c 的場(2001), p. 42.