トム・フレッシュ

フランスのチーズ

トム・フレッシュトム・フレーシュフランス語: tome fraîche、tomme fraîche)は、牛乳から作られる圧搾されたカード。チーズ の製造過程の中で生産されるもの。熟成が数時間のみ行われるが、塩味はない。伝統的にはフランスの中央高地にあるオーブラック地方で製造される。

トム・フレッシュ

直訳すれば「若いチーズ」の意[1]。 トム・フレッシュという名前は、オック語で若いチーズ を意味するtomaがフランス語化したもの。

カンタルライオールサレール(すべてほぼ同種のチーズ[2])の熟成前のものをさす[3]。ライオールのトム・フレッシュで作ったアリゴ はオーブラックの郷土料理。

工程で言えば、チーズを作る際にまずカードを作るが、その後水を切り、熟成するまでの間の状態がトム・フレッシュということになる[4]。上述の各種AOCチーズに整形・熟成する前の状態であり、形状としては非常に「巨大な塊」を示す[5]。重量は45kg前後[5]、20kgなどとされる。2-5kgほどにパックするケースもある。

なお、トム(フランス語: tome, tomme)という語には他にサヴォワスイスで作られる牛乳を原料とするチーズや、フランス南東部で作られるヤギやヒツジの乳を原料とするチーズを指す総称としての用法もある[6]

脚注 編集

  1. ^ 平田昌弘; 清田麻衣「フランス国中南部丘陵地帯の乳加工体系--オーヴェルニュ地域圏の酪農家の事例から」『ミルクサイエンス』、日本酪農科学会、114頁、2010年。ISSN 13430289https://ci.nii.ac.jp/naid/40017261517/ 
  2. ^ 本間るみ子 著、主婦の友社 編『チーズの選び方 楽しみ方』株式会社主婦の友社、2012年、102-104頁。ISBN 978-4-07-285215-6 
  3. ^ 前掲 (日仏料理協会 2007, p. 424)他、本一文の出典共通。
  4. ^ 前掲 (平田 & 清田 2010, p. 106)。出典中の語「カイエ」(フランス語: Caillé)はカードのフランス語。
  5. ^ a b 前掲 (平田 & 清田 2010, p. 108)。
  6. ^ 前掲 (日仏料理協会 2007, p. 423)。