トム・マーカンド

イギリスの騎手

トム・マーカンド英語: Tom Marquand1998年3月30日 - )[1][2]とはイギリス出身の騎手である。

トム・マーカンド
トム・マーカンド(2023年)
基本情報
国籍 イギリスの旗 イギリス
出身地 イングランドの旗 イングランド
生年月日 (1998-03-30) 1998年3月30日(26歳)
身長 166cm
体重 54kg
騎手情報
所属団体 英国競馬統括機構
初免許年 2014年
免許区分 平地
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幼少期 編集

マーカンドは幼少期をチェルトナムで過ごした。彼自身の家族は競馬とは関係無かったが周りに馬がいる環境で育った。ポニーレーシングと地元の調教師の調教助手を務めた後、16歳でリチャード・ハノン・ジュニア英語版調教師の所属となった[1]

経歴 編集

2014年に初勝利を挙げ、翌2015年に最優秀見習い騎手となる。その年にはBBCヤングスポーツパーソナリティオブザイヤー賞のファイナリストとなった[1]

2017年9月7日ディックプールフィリーズステークス英語版を人気薄のアンナネリウムで制し、重賞初制覇[3]。翌年の2018年にはアンナネリウム及びマーカンドの重賞2勝目となるスプリームステークス英語版を含む100勝以上をマーク[3]。その年のクリスマスと年末年始にかけてシドニーのジョン・オシア調教師のもとで6週間ほどオーストラリアで騎乗した[1]

2019年にはアンナネリウムと共に重賞3勝目となるプリンセスエリザベスステークスを勝利した他、モニカシェリフに騎乗しフランスのベル・ド・ニュイ賞英語版を制した[3]2020年の3月から4月にかけてオーストラリアへ再度渡航し、アデイブに騎乗し自身初のGIとなるランヴェットステークス及びクイーンエリザベスステークスを制覇した[4]。マーカンドはこれ以外にも複数のG3をオーストラリアで制覇した事から、現地のファンからは「オージー・トム」というニックネームを与えられた[5]。また同年にはエプソムダービー初騎乗となり、この時の騎乗馬Khalifa Satはサーペンタインの2着に入った[6][7]。またダービーの数カ月後の9月12日にはガリレオクローム騎乗でセントレジャーステークスを制覇し、自身初のクラシック制覇となった。尚ガリレオクロームには当初シェーン・クロス英語版が騎乗する予定であったが、彼がレース前日に新型コロナウイルスの陽性反応が出た為急遽のテン乗りとなった[8]

2021年にマーカンドは英国で176勝を挙げ、この中にはスターマン騎乗で制覇したジュライカップも含まれている。また、この年にはアデイブ騎乗でクイーンエリザベスステークスを連覇した[3]

2022年にはGIレースで3勝を挙げ、妻のホリー・ドイルと共にジョッキーズチャンピオンシップで2位になった後にそれまでの香港ではなく日本で10月29日から12月25日の間短期免許で騎乗した[2][9]。この時の身元引受調教師は宮田敬介、契約馬主はシルクレーシングであった[2]。騎乗初日から東京競馬場の第8競走をカトゥルスフェリスで制し日本初勝利を挙げる[10]

 
日本初勝利時のセレモニー。横でプラカードを持つのは妻のドイル。

2023年もマーカンドはオーストラリアへ騎乗しに渡航したが、到着後程なくしてランドウィック競馬場にて落馬し、脳震盪と肩の負傷を負った。それにも係わらずクイーンエリザベスステークスまでには復帰し、同レースをドバイオナーで制覇した[11]。その後英国でも5月5日にマーカンドはニューマーケットにて馬に蹴られ、その週騎乗予定であった2000ギニーステークス1000ギニーステークスは乗り替わりとなった[12]

復帰後グッドウッドカップにQuickthorn騎乗で参戦し、序盤でハナを取りそのまま最後まで逃げ切り勝ちを決めた。彼はこの馬を同様の戦法で前年8月開催のロンズデールカップを制していた。レース後マーカンドは馬について「彼とはこれまでも何回か大事な日に楽しんだ事があり、彼もそのまま行きたがる性格故に…(中略)…特に計画らしいものは立てませんでした。皆が彼が何をしようとしているのかをわかっていたからで、それが彼がどんな馬かを証明しています」と述べた[13]

2023年9月4日に英国で1000勝目を挙げた。翌日にはリポン競馬場にて英国史上最安オッズタイの敗戦をDoom騎乗で喫した。これは1948年以来史上2頭目である[14][15]。その後ドイルと共に再び来日し、11月11日から12月29日の間は日本で騎乗する。身元引受調教師及び契約馬主は前年同様宮田敬介とシルクレーシングである[16]

家族 編集

マーカンドはポニーレーシングしていた頃からの幼馴染だったホリー・ドイルと2020年に婚約し[1]、2022年3月21日にヘレフォードシャーにあるアイヴィングトンという村の教会にて結婚式を行った[17]

主な騎乗馬 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e Richards, Tim (2019年4月7日). “Making his mark” (英語). The Owner Breeder. 2022年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  2. ^ a b c クリスチャン・デムーロ騎手、ホリー・ドイル騎手およびトム・マーカンド騎手に短期免許交付 JRA”. jra.jp. 日本中央競馬会 (2022年10月26日). 2023年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  3. ^ a b c d Tom Marquand” (英語). Racing Post. 2023年12月4日閲覧。
  4. ^ Dietz, Andrew (2020年6月16日). “Prince of Wales's Stakes: Tom Marquand bids to extend Group 1 streak on Addeybb” (英語). Racing Post. 2023年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  5. ^ Berry, Emma (2020年4月1日). “'Aussie Tom' Is A Pom At Heart” (英語). Thoroughbred Daily News. 2023年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。 “"the jockey [...] celebrated his 22nd birthday on Monday"”
  6. ^ Porteous, Lewis (2020年6月28日). “No English King, no problem: Tom Marquand keen on Derby ride Khalifa Sat”. Racing Post. 2023年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。 “en”
  7. ^ Epsom Derby: Serpentine stuns rivals to give Aidan O'Brien record eighth victory” (英語). BBC Sport. 英国放送協会 (2020年7月4日). 2023年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月4日閲覧。
  8. ^ St Leger: Galileo Chrome wins final 2020 Classic at Doncaster” (英語). BBC Sport. 英国放送協会 (2020年9月12日). 2023年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  9. ^ Wilson, Harry (2022年9月23日). “'How can you not want to go?' - Marquand and Doyle set for Japanese adventure” (英語). Racing Post. 2023年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  10. ^ 英国のT・マーカンド騎手が来日初勝利「まさか初日から勝てるとは思っていなかった」”. サンスポZBAT. サンケイスポーツ (2022年10月29日). 2024年1月16日閲覧。
  11. ^ Stevens, James (2023年4月8日). “'It's just insane' - Marquand and Haggas take another Australian scalp as Dubai Honour strikes in Queen Elizabeth Stakes” (英語). Racing Post. 2023年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  12. ^ Carr, David (2023年5月5日). “Tom Marquand ruled out of Guineas weekend after being kicked in the arm prior to Newmarket race” (英語). Racing Post. 2023年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  13. ^ Goodwood Cup: Quickthorn powers to victory as Frankie Dettori misses out” (英語). BBC Sport. 英国放送協会 (2023年8月1日). 2023年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  14. ^ Doom: 1-25 favourite beaten at Ripon to become shortest-priced loser” (英語). BBC Sport. 英国放送協会 (2023年9月6日). 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  15. ^ 単勝1.04倍でまさかの敗戦 英で75年ぶり史上2頭目の珍事”. netkeiba.com (2023年9月6日). 2023年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  16. ^ 外国人騎手への短期免許の交付 JRA”. jra.jp. 日本中央競馬会. 2023年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。
  17. ^ Jones, Melissa (2022年3月22日). “Jockeys Hollie Doyle and Tom Marquand get married in lavish ceremony” (英語). Daily Mirror. 2022年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月4日閲覧。