トヨタ・カムリ

トヨタ・カムリ (CAMRY) は、トヨタ自動車で生産されている乗用車である。日本国内仕様の生産は堤工場が担当。取扱いディーラーはトヨタカローラ店[1]。尚、当項では便宜上、前身の「セリカ カムリ」を初代としている。

概要

元々は中型車として登場し[2]、トヨタカローラ店においてはカローラの上位車種という位置づけであったが、3代目 V20型よりアメリカオーストラリアでの生産を開始し、以後世界戦略車としての顔を見せ始める。

2000年代半ばからマークXと同格車種として扱われているが[3]、6代目以降は海外での販売を主眼に置いた開発がされているため、車幅は国内販売を主とするマークXや上位車種のクラウンより大きく設計されており[4]、最小回転半径は5.5mである。EセグメントBMW・5シリーズメルセデス・ベンツ Eクラスと同格寸法で、より大きな室内空間を意識した設計となっており、FFセダンのなかで最も売れているトヨタグループの世界戦略車である。

かつて国内でもV型6気筒のグレードを持っていたが、7代目以降の国内仕様は4気筒のみである。機敏なドライブフィールを重視するFRのマークXと後席居住性を重視したカムリとで販売チャネルと客層を分けている。

2006年1月のフルモデルチェンジでウィンダム[5]と統合されたため、現在はカローラ店専売車では最上級車種となっている。

日本市場では販売台数がそれほど多くないため見かける機会が比較的少ないが、世界市場における人気は絶大であり、特に北米市場では、連続してクラストップの販売実績を誇り、日産自動車アルティマ本田技研工業アコードと共に人気は高い。また、オセアニア・東南アジア地区での人気も高い。全世界で累計1,000万台以上を販売しているトヨタのベストセラーカーであり、同社の屋台骨を支える世界戦略車でもある。

国際的にメジャーな車にも関わらず国内販売が振るわない理由として、FRで6気筒のマークXと同じ価格帯のため割高に感じられる点、「カムリ」という車名のイメージ[6]と運転時の取り回し、道路や車庫スペース等が狭いという国内事情が影響している点が挙げられるが、トヨタグループではゆったりした直進安定性と居住性を鑑みロングクルージングを意識したFFセダンをコンセプトに開発された車である。

車名を変えた後継車種の案も出たが、国際戦略車としてのネームバリューを国内で向上するという思惑と「カムリ」という従来からのイメージの打破を目指し、車名を継続した。

日本国内向けは2011年発売の9代目モデルよりハイブリッド専用車種となったが、本来ならばトヨタのハイブリッド専用車種は全てのトヨタ販売店にて販売されるのだが、ハイブリッド専用車となった9代目でも従来通りカローラ店のみの販売となる(後述)。

歴史

初代 A40/50型(1980年 - 1982年)

トヨタ・セリカカムリ(初代)
A40/50型
販売期間 1980年 - 1982年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 12T-U型 1.6L OHV
13T-U型 1.8L OHV
3T-EU型 1.8L OHV
21R-U型 2.0L SOHC
18R-GEU型 2.0L DOHC
変速機 4速AT/3速AT/5速MT/4速MT
駆動方式 FR
サスペンション 前 - マクファーソン・ストラット式コイルスプリング
後 - ラテラルロッド付4リンクコイルスプリング
3T-EU型・21R-U型・18R-GEU型エンジン搭載車はセミトレーリングアーム式独立 コイルスプリング
全長 4,445mm
全幅 1,645mm
全高 1,395mm
ホイールベース 2,500mm
車両重量 1,125kg
ブレーキ 4輪ディスク
データモデル 2000GT 5速MT(後期型)
-自動車のスペック表-


2代目 V10型(1982年 - 1986年)

トヨタ・カムリ(2代目)
SV10/CV10型
セダン(前期型)
1982 Toyota Camry 01.jpg
1982 Toyota Camry 02.jpg
販売期間 1982年 - 1986年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 1S-U型 SOHC
→1S-iLU型 SOHC
2S-ELU型 SOHC
3S-GELU型 DOHC
1C-TL型 SOHC ディーゼルターボ
→2C-TL型 SOHC ディーゼルターボ
変速機 5速MT / 4速AT
駆動方式 FF
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ストラット
全長 4,440mm
全幅 1,690mm
全高 1,395mm
ホイールベース 2,600mm
車両重量 1,045kg
ブレーキ 前:ディスク
後:ドラム
データモデル セダン2000ZX 5速MT(前期型)
-自動車のスペック表-


3代目 V20型(1986年 - 1990年)

トヨタ・カムリ(3代目)
SV20/VZV20/CV20型
セダン(前期型)
Toyota Camry 20 001.JPG
セダン(後期型)
Toyota Camry 1988 Jpn.jpg
販売期間 1986年 - 1990年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
4ドアハードトップ
5ドアステーションワゴン(日本未発売)
エンジン 1S-i型 SOHC
→4S-Fi型 DOHC
3S-FE型 DOHC
3S-GE型 DOHC
1VZ-FE型 DOHC
2C-T型 SOHC ディーゼルターボ
変速機 4速AT / 5速MT
駆動方式 FF / 4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ストラット
全長 4,520mm
全幅 1,690mm
全高 1,390mm
ホイールベース 2,600mm
車両重量 1,220kg
ブレーキ 4輪ディスク
データモデル セダン2000GT 5速MT(前期型)
-自動車のスペック表-


4代目 V30型(1990年 - 1994年)

トヨタ・カムリ(4代目)
SV30/VZV30/CV30型
セダン(後期型:1992年 - 1994年)
Toyota Camry (third generation, V30) (front), Serdang.jpg
Toyota Camry (third generation, V30) (rear), Serdang.jpg
販売期間 1990年 - 1994年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン / ハードトップ
エンジン 4S-FE型 DOHC
3S-FE型 DOHC
3S-GE型 DOHC
1VZ-FE型 DOHC
4VZ-FE型 DOHC
2C-T型 SOHC ディーゼルターボ
変速機 4速AT / 5速MT
駆動方式 FF / 4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ストラット
全長 4,600 - 4,670mm
全幅 1,695mm
全高 1,380 - 1,410mm
-自動車のスペック表-
北米仕様の詳細はトヨタ・セプターを参照


5代目 V40型(1994年 - 1998年)

トヨタ・カムリ(5代目)
SV40/CV40型
後期型
Toyota Camry 1996.jpg
Toyota Camry 40 004.JPG
販売期間 1994年 - 1998年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 4S-FE型 DOHC
3S-FE型 DOHC
3C-TE型 ディーゼルターボ
変速機 4速AT / 5速MT
駆動方式 FF / 4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ストラット
全長 4,625mm
全幅 1,695mm
全高 1,410 - 1,435mm
-自動車のスペック表-


6代目 XV20型(1996年 - 2001年)

トヨタ・カムリ(6代目)
SXV20/MCV20型
アジア仕様・前期型
Fourth gen Camry.jpg
販売期間 1996年 - 2001年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
変速機 4速AT / 5速MT
駆動方式 FF / 4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ストラット
全長 4,760mm
全幅 1,785mm
全高 1,420 - 1,430mm
ホイールベース 2,670mm
-自動車のスペック表-


7代目 XV30型(2001年 - 2006年)

トヨタ・カムリ(7代目)
ACV30型
北米仕様・前期型
2002-2004 Toyota Camry 2.jpg
販売期間 2001年 - 2006年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
変速機 4速AT
駆動方式 FF / 4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ストラット
全長 4,815mm
全幅 1,795mm
全高 1,490 - 1,500mm
ホイールベース 2,720mm
プラットフォーム トヨタ・Kプラットフォーム
-自動車のスペック表-


8代目 XV40型(2006年 - 2011年 )

トヨタ・カムリ(8代目)
ACV40型
前期型
2006 Toyota Camry 01.jpg
後期型
2009 Toyota Camry G.jpg
販売期間 2006年 - 2011年
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 日本仕様
2AZ-FE型 直4 DOHC 16バルブ 2.4L
北米仕様
2AR-FE型 直4 DOHC 16バルブ 2.5L(後期型)
2GR-FE型 V6 DOHC 24バルブ 3.5L
変速機 5速AT / 4速AT
駆動方式 FF / 4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ストラット
全長 4,815mm
全幅 1,820mm
全高 1,470 - 1,480mm
ホイールベース 2,775mm
プラットフォーム トヨタ・Kプラットフォーム
-自動車のスペック表-


オーストラリア製カムリ・ハイブリッド

トヨタ・オーストラリアは2009年12月、同国ビクトリア州のアルトナ工場において、カムリ・ハイブリッドの生産を開始した。同モデルはオーストラリアにおいて2010年2月から販売開始される。生産は年間10,000台が予定され、うち300台はニュージーランドへ輸出される計画である[19]。フロントグリル、テールランプなどが独自意匠となっている[20]

9代目 XV50型(2011年-)

トヨタ・カムリ(9代目)
AVV50型
日本仕様 フロント
TOYOTA CAMRY AVV50 001.jpg
日本仕様 リア
TOYOTA CAMRY AVV50 002.jpg
販売期間 2011年 -
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 日本仕様
2AR-FXE型 直4 DOHC 16バルブ 2.5L
北米仕様
2AR-FE型 直4 DOHC 16バルブ 2.5L
2GR-FE型 V6 DOHC 24バルブ 3.5L
2AR-FXE型 直4 DOHC 16バルブ 2.5L
モーター 2JM型 交流同期電動機
変速機 電気式無段変速機
駆動方式 FF
サスペンション 前:ストラット
後:ストラット
全長 4,825mm
全幅 1,825mm
全高 1,470mm
ホイールベース 2,775mm
プラットフォーム トヨタ・Kプラットフォーム
-自動車のスペック表-

Cd値を0.28としたことで空力性能を向上させるとともに、車体も先代比で約100kgの軽量化、ハイブリッド化に伴う重量増を考慮しても約40kgの増加に抑えられている[23][24]。結果、JC08モード燃費でアッパークラスのセダンで最高値となる23.4km/Lを実現し、「平成27年度燃費基準+20%」を達成。同時に「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」の認定も取得している。

Kプラットフォームは先代からのキャリーオーバーで、ボディサイズも先代とほとんど変わらないが(ホイールベースに至っては同寸)、内外装は居住性や空力性能を保ちつつ、高級感や存在感のあるセダンスタイルを追求したデザインとなり、ハイブリッドシステムの圧倒的な静粛性に加え、風切音を低減した高遮音性ウィンドシールドガラスを採用するなど、走行中でも会話がしやすい静粛性能を実現。 尚、先代で設定のあった4WDとプリクラッシュセーフティシステムは廃止されている。

レース出場

NASCARにおけるカムリ

2007年からカムリをベースにしたマシンで、現在アメリカで最も人気のある自動車レース・NASCARの最高峰クラスであるネクステルカップ(現・スプリントカップ)とブッシュシリーズ(現・ネイションワイドシリーズ)に参戦している。ちなみに、2007年はトヨタ北米進出50周年でもあった。

2008年からは、NASCARの有力チームのひとつであるジョー・ギブス・レーシングがカムリを使用することを発表。チーム所属の人気レーサーであり、年間王者の経験もあるトニー・スチュワートらが乗った。2008年3月9日、スプリントカップシリーズ第4戦がジョージア州アトランタ・モーター・スピードウェイで行われ、スチュワートのチームメイトであるカイル・ブッシュが外国車メーカーとしては1954年ジャガー以来、日本車メーカーとしては史上初となる優勝をもたらした。

レース出場マシンではないが、2012年デイトナ500ではカムリがペースカーとして使用された[32]

また、レース活動ではないが中東地区ではドリフト仕様のベース車として、XV30型、XV40型を中心に日本でいうところのAE86レビン/トレノ同様人気がある→サウジドリフト[33]

車名の由来

脚注

  1. ^ 初代モデルに限り、全国のトヨタビスタ店でも取り扱っていた。また、愛知県では登場時から1988年12月まで名古屋トヨタディーゼルでも取り扱っていた。
  2. ^ 初代はカリーナ(現:アリオン)の姉妹車であった。
  3. ^ 直接の姉妹車という訳ではない。
  4. ^ マークXは1775mm、現行クラウンは1795mmであるのに対し、現行カムリは1820mmである。
  5. ^ 海外ではレクサス・ESとして販売されているが、日本のレクサス店では投入されていない。
  6. ^ 日本ではこのクラスには相応の高級感を求めるユーザーが多いが、カムリはマークXと比べて高級感が薄いというイメージがある。
  7. ^ driver2011年11月号 P28
  8. ^ 元来セリカのセダン版がカリーナなのである。
  9. ^ 実際にデザインされたのはリヤ周りのみでフロント側は輸出用カリーナの流用だった。
  10. ^ 4輪独立懸架車はA50型。
  11. ^ なお、スポーツツインカムで知られる3S-GE(LU)型DOHC16バルブエンジンがトヨタ製の乗用車で初めて搭載されたのもこの車種である。また、日本車初のFF横置きDOHCエンジン搭載車もこのV10型カムリである。
  12. ^ フロントグリルなどが同時に登場したLS400(初代セルシオ)に似せた造形になっているのが国内仕様との違いであった。また、ES250のエンジンは2.5L V型6気筒DOHCの2VZ-FE型で、最高出力は116kw(158ps)/5800rpm・最大トルクは206Nm(21kg・m)/4600rpmを発揮。
  13. ^ 後に中古並行という形でロシア等日本国外に流出している
  14. ^ 1996年12月のカムリグラシアが久々のセダンのV6エンジン搭載車になる
  15. ^ 後のマイナーチェンジでセダンのみグラシア名が外れる
  16. ^ 日本向けのV6エンジン搭載車はこの代が最後
  17. ^ 日本国内向けのカムリとしては最初で最後のステーションワゴンであった。
  18. ^ スバル北米工場で「トヨタ・カムリ」生産、トヨタのハイブリッド技術をスバルに提供
  19. ^ トヨタ自動車、豪州でカムリハイブリッド ラインオフ式を実施 (トヨタ自動車によるプレスリリース) 2009年12月11日
  20. ^ http://response.jp/article/2009/02/23/120819.html
  21. ^ トヨタ カムリ 次期型、豐田章男社長が太鼓判 - CarView、2011年7月3日
  22. ^ Toyota Ukraine reveals new Camry for other parts of the world”. Autoblog (2011年8月25日). 2011年11月5日閲覧。
  23. ^ 【トヨタ カムリ 新型発表】約100kgの軽量化レスポンス 2011年9月7日
  24. ^ 100kgについては先代の海外仕様に設定されていた「カムリハイブリッド」との比較で、40kgについては先代「2.4G」との比較
  25. ^ Official: new Toyota Camry in China, including hybrid”. CarNewsChina.com (2011年11月9日). 2011年11月9日閲覧。
  26. ^ トヨタ、中国の広汽トヨタエンジン工場で新型エンジンの生産開始”. トヨタ自動車 (2011年11月9日). 2011年11月9日閲覧。
  27. ^ Toyota Debuts New 2012 Camry Sedan in Australia [52 Photos]”. Carscoop (2011年12月7日). 2012年4月18日閲覧。
  28. ^ トヨタ、米国製カムリを韓国に輸出「FTAで米国から大挙」=韓国”. サーチナ (2011年12月6日). 2011年12月6日閲覧。
  29. ^ トヨタ自動車、台湾でカムリハイブリッドの生産および販売を開始TOYOTA ホーム>ニュース>2012 2012年2月16日(2012年3月8日閲覧)
  30. ^ トヨタ、タイで新型「カムリ」発売”. newsclip.be (2012年3月18日). 2012年4月18日閲覧。
  31. ^ 2012 Toyota Aurion prices and specifications”. CarAdvice.com.au (2012年4月17日). 2012年4月18日閲覧。
  32. ^ トヨタ カムリ 新型、デイトナ500ペースカーに指名 - CarlifeNavi、2011年8月26日
  33. ^ なお、この中東でのドリフトでカムリ以外にしばしば目にする車両は同じく大型FFセダンのホンダ・アコード/インスパイアヒュンダイ・ソナタ(EF型後期/NF型)が代表的である。
  34. ^ トヨタには他にもクラウン(王冠)やカローラ(花冠)といったネーミングの車種が既に発売されており、これらの流れを汲んだ命名であるとされる。

関連項目

外部リンク