トヨタ・ラクティス

ラクティス (Ractis) は、トヨタ自動車の小型トールワゴンファンカーゴの後継車種として開発された。初代のベースは2代目ヴィッツである。

初代 CP100型(2005年 - 2010年)

トヨタ・ラクティス
SCP10#/NCP10#型
前期型(2005年10月 - 2007年12月)
2005-2007 Toyota Ractis.jpg
後期型(2007年12月 -2010年11月)
2007 Toyota Ractis.jpg
販売期間 2005年 - 2010年
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア トールワゴン
エンジン 2SZ-FE型 1.3L 直4 DOHC
1NZ-FE型 1.5L 直4 DOHC
変速機 CVT(Super CVT-i)
4速AT(Super ECT)
駆動方式 FF / 4WD
サスペンション 前:ストラット式
後:トーションビーム式
全長 3,955mm
全幅 1,695mm
全高 1,640-1,660mm
ホイールベース 2,550mm
車両重量 1,120-1,200kg
先代 トヨタ・ファンカーゴ
-自動車のスペック表-

「思い通りのレスポンス・カッコイイスタイル・かつてない開放感・広大なスペース・低燃費低排出・軽快な走り」をコンセプトに作られた。1.3-1.5Lと小排気量ののエンジンを積みながらも広い居住空間を追求しているため、居住性がよく、かつ経済走行性に優れる(1.5L・FF車(1NZ-FE搭載車)は18.6km/L(10・15モード))一方、車両本体価格が最大160万円程度と比較的低価格に関わらず高速走行時に効果を発揮するクルーズモードを搭載する(1NZ-FE搭載車のみ)など、街乗用にも長距離走行用にも適用できる仕様となっている。

2代目ヴィッツのプラットフォームを採用しているため、前部衝撃吸収構造に優れる。基本的に前部からの衝撃はバンパリインフォースメント、左右サイドメンバおよび、従来はただの保持部材であったラジエーターサポートをユニット化し強度部材とし、それぞれに衝撃吸収構造を設けて極力エネルギーを吸収する構造になっており、それでも吸収しきれないエネルギーは左右Aピラーを通してルーフ部に逃がすか、サイドメンバからフロントトルクボックスを通じて床下のフロアメンバに逃がすようになっている。また、万が一衝突でエンジンが後退してもフロントパネルの前部に設けられたリインフォースメント(強度部材)が受け止め、そのエネルギーを両サイドのフロントトルクボックスに逃がす構造となっており、衝突時の生存空間を極限まで残す構造となっている。また、ラジエーターサポートをボルト止めとして交換を容易にしていることも特徴である。後方からの衝突、側面からの衝突に対しても、パネルに強度を持たせるのではなくリアサイドメンバやセンターピラーなど強度部材によって衝撃吸収を行う構造となっているため、損傷波及がしにくく生存空間を極力残す構造になっている。サイドカーテンエアバッグを標準装備するなど、この価格帯の自動車としては安全装備が充実していることも特徴の一つである。

そのほか、コンパクトカーには珍しい装備として、大径16インチタイヤ(175/60R16)、ゲート付きシフトレバー、本皮巻きステアリング+シフトノブ。トヨタ初の装備として、CVT専用パドルシフト(レクサスIS用と色違い)、サイドターンランプ付きドアミラー。新開発の装備として、ヴィッツの4倍細かい制御を持つ電動パワステ、アクティブCVTシステム(7速モード付)。評価が分かれるものとして、低いハンドルのその上に望むバノラマビューメーター(オプティトロンメーター)がある。

ファンカーゴからの変更点

先代(ファンカーゴ)との大きな変更点は、以下のことが挙げられる。

年表

月販目標台数を7,000台と設定してのスタートだったが、最初の1か月間(2005年10月3日-2005年11月2日)の売上台数は目標台数の3倍にあたる約2万1,000台を受注し、目標を大きく上回った。

2代目 CP120型(2010年 - )

トヨタ・ラクティス
NSP12#/NCP12#型
フロント
2nd Toyota Ractis 1.jpg
リア
2nd Toyota Ractis 2.jpg
販売期間 2010年 -
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア トールワゴン
エンジン 1NR-FE型 1.3L 直4 DOHC
1NZ-FE型 1.5L 直4 DOHC
(日本向けのみ)
1ND-TV型 1.4L 直4 SOHC
ディーゼルターボ
(欧州向けのみ)
変速機 CVT(Super CVT-i)
(日本向けのみ)
6速MT(欧州向けのみ)
駆動方式 FF
4WD(日本向けのみ)
サスペンション 前:ストラット式
後:トーションビーム式
全長 3,995mm
全幅 1,695mm
全高 1,585mm
ホイールベース 2,550mm
車両重量 1,090 - 1,170kg
-自動車のスペック表-

先代と同じ5ナンバーサイズを維持しつつ、室内幅を40mm拡大したことで室内空間にゆとりができた。また、FF車にはコンパクトクラスでは初めて、ラゲージスペース側面のレバー操作のみで簡単に格納できる6:4分割チルドダウン機構付リアシート(4WD車は6:4分割ダブルフォールディングリアシート)の採用により、使い勝手を高めた。さらに、後席の座面奥行きとシートバック高をそれぞれ30mm拡大、クッション厚を10mm厚くし、前席のシートを薄く作ることで足回りのゆとりを拡大するなど、先代の弱点とされていた後席の居住性を大幅に改善している。

また、1.3L車はDual VVT-iを搭載した1NR-FE型に置換、1.5L・4WD車はトランスミッションをCVT (Super CVT-i) に変更。合わせて、空力性能の改善と車体の軽量化も行われたことで燃費が向上され、FF車は「平成22年度燃費基準+25%」を、1.5L・4WD車は「平成22年度燃費基準+15%」をそれぞれ達成。全車が環境対応車普及促進税制に適合した。

グレード体系も従来からの「X」・「G」に加え、専用デザインのフロント周りやインテリアカラーを採用した「L'épice(レピス)」のグレードを設定。専用ユーロサスペンションやパドルシフトを採用し、走りを追求した「S(1.5L・2WD車のみ)」が追加。さらに、後述の「ウェルキャブ」から「車いす仕様車(タイプI)助手席側リヤシート付」が車いす仕様車では初となる型式指定を取得し、カタロググレードとしてラインナップされた。

今回のモデルチェンジを機にワイパーが払拭性を考慮して1本となり、ホイールが4穴から5穴に変更されている(PCDについては100で変更なし)。さらに4WD車の駆動システムについては、ビスカスカップリングを使用したVフレックスフルタイム4WDから電子制御カップリングを使用したアクティブトルクコントロール4WDに変更されている。助手席シートベルト非着用警告灯は、タコメーターあたりについている。[1]

また、スバル(富士重工業)のエンジニアが100名規模で参加した共同開発第1号車でもある。

ヨーロッパでは「ヴァーソ・S (Verso-S) 」の名称で販売されている。

年表

取扱販売店

2代目ではトヨペット店扱いの車両のみ、車両型式の末尾に「(B)」が付与されている。

車名の由来

英語で「Run」の「R」と、「activity」の「acti」と、「space」の「s」と言う意味を組み合わせた造語。

ウェルキャブ(福祉車両車)

ラインナップとして下記の5種類を設定。中でも車いす仕様車には、ウェルキャブ初のインライン架装(高岡工場生産)を実施。インライン架装を実施することにより、価格を抑えることが可能となった。また、車いす仕様車タイプIIでは、子供(搭載可能な車いすサイズに制限あり)を1.5列目(ほぼ助手席)に車いすごと乗せることが可能となっている。

なお、2009年10月の一部改良に伴い、新たにリモコン操作でルーフ上に設置されたボックス内に車椅子を電動格納できる「ウェルキャリー」を搭載したフレンドマチック車「タイプII」、フレンドマチック取付用専用車「タイプIII」「タイプIV」を新たに設定した。なお、同年8月25日に施行された特定改造自動車のエネルギー消費効率相当値の算定実施要領により燃費値が算定できるようになったため、1.3L車の一部仕様と1.5L・FF車がベース車と同じく環境対応車普及促進税制(エコカー減税)を受けられる。

2代目では「車いす仕様車(タイプI)助手席側リアシート付」が車いす仕様車としては日本初となる型式指定自動車となり、「平成22年度燃費基準+20%」を達成した。

初代
2代目

脚注

  1. ^ カタログには載っておらず、実車でしか確認できない。
  2. ^ トヨタ、新型「ラクティス」発売 高さは低く・幅は広く - asahi.com 2010年11月22日
  3. ^ トレジア - SUBARU公式サイト
  4. ^ 発売直前に、istがマイナーチェンジを機にネッツ店専売になったため、トヨペット店にとっては、事実上その穴を埋めるモデルとなると同時に初のトールワゴンの取扱いとなる。

関連項目

外部リンク