トヨタ・ランドクルーザー

トヨタ・ランドクルーザー (Land Cruiser) はトヨタ自動車が製造する四輪駆動自動車である。日本では「ランクル」と通称される場合もある。

概要

世界で最も知名度の高いSUVのひとつとも言われ、その耐久性は世界中で高い評価を受けている[1]。「ランドクルーザー」という車名は1954年6月より使用されており、2011年1月現在、一つの車名で継続生産されている日本製の自動車としてはもっとも長い歴史をもつ(56年。クラウントヨエースよりも古い)。

4ドアで大柄の車体を持つ「ステーションワゴン」、主に業務用途向けとして多彩な車種を展開する「70ヘビー系」(ヘビーデューティー)、そして、「70ライト系」(ライトデューティー、日本国内での車名はランドクルーザーワゴン) から発展した「ランドクルーザープラド」の、車格も仕様もまったく異なる三系列が並行して生産、販売されている。

現在のステーションワゴンは、レクサス LX570姉妹車でもあるV型8気筒エンジンを搭載したランドクルーザー200であり、欧州など、仕向け地によっては車名がランドクルーザー V8 となる(100系の欧州名はアマゾン = Amazon )。100系のランドクルーザーシグナスは、日本国外のレクサスブランドでLX470として販売されていたものを日本国内販売したものであったが、国内へのレクサスブランド導入に伴い、200系では廃止された。しかし、日本国内のレクサスブランドにおけるLXの投入は実施されていない。

ランドクルーザーの源流はヘビー系にあり、現行モデルの70系では、日本製クロスカントリーカーとしては初となるV型8気筒ディーゼルエンジンを採用し、長大な車体を持つ7879を中心に世界各国に向けて輸出が続けられている。日本国内では貨物登録(1、4ナンバー)となっていたこともあり、NOx規制法およびPM規制条例の影響により、2004年7月に販売を終了している。

ランドクルーザープラドは、タコマ/ハイラックスサーフシャシやエンジン、ドライブトレインの多くを共有するモデルで、2ドアのショートと4ドアのロングのバリエーションを持ち、V6ガソリンエンジン直4のガソリン、ディーゼルエンジンを積む。ランクルワゴンの伝統に則り、乗用車なみの装備を持つワゴンと業務用途の簡素なバンをラインナップしている。欧州アフリカでの名称には「プラド」は使われず、ランドクルーザーのみである。北米では、レクサスブランドにおいてGX470として販売されている。

NHKをはじめ各放送局の取材車や中継車としても利用されている。なお、同タイプの日本メーカー製車両としては三菱ジープや、日産・パトロール(後のサファリ)がある。

前史

戦時中、トヨタによって少数が生産された日本陸軍四式小型貨物車こと「AK10型」四輪駆動車は、フィリピン鹵獲された通称「バンタム・ジープ」をコピーして設計された。その際軍部から、敵方との識別のため「外観はジープに似せない事」とする旨の指示があった。機能がそのまま外観に表れるジープでは、それは容易なことではなかったが、生産型は資材の窮乏も伴い、木材なども用いた簡易な外装に一つ目ライトと言う、いわゆる「戦時型」となり、結果的にまったく別物の外観となった。

「AK10型」はフロントにリーディング・アーム+リジッドアクスルのサスペンションを持ち、AE型乗用車C型エンジン(初代 4気筒 2585cc)と3速T/M、2速T/Fを組み合わせていることからも判るとおり、BJ型以降のランクルとの直接のつながりは無い。

また、トヨタは、KYC型トラックとそれをベースとした水陸両用トラック陸軍「スキ」(1943年から198台生産)でも4輪駆動(総輪駆動)車を手がけた経験があり、AK10型とは異なり、トラックであるこれらの構成はBJ型に通ずるものがある。

歴史

BJ・FJ型(1951年-1955年)

警察予備隊(現・陸上自衛隊)への納入を狙い、トヨタ・ジープBJ型として開発され、1951年に試作車が完成した。

シャシは同社の小型トラック、SB型の梯子形フレームを流用して改良、それに4輪リーフリジッドのサスペンションを組み合わせた四輪駆動とし、エンジンは当時の大型(6t)トラックに用いられていた直列6気筒OHV・3,400ccの初代B型ガソリンエンジンを搭載、トランスミッションもトラック用を流用した。トルクに余裕のある粘り強いエンジン特性とギアリングが低いことから、トランスファーは1速で済ませている(副変速機は備えていない)。「B型」エンジンを搭載した「Jeep」型車ということで型式は「BJ型」となった。

当時のトヨタには、ウイリス・ジープに匹敵する性能の4気筒エンジンがなかったため、排気量の大きな6気筒を搭載したが、重量、燃費以外の性能では、当時のウイリス・ジープを凌ぐ性能を得た。

警察予備隊の試験には日産・4W60型も参加したが、入札の結果、三菱がライセンス生産するウイリス・ジープが採用され、他の2車は敗れた。トヨタとしては当初の目的は果たせなかったがその後、国家地方警察(国警:こっけい)のパトロールカーとして採用された。

基本型の「BJT型」(ツーリング)、無線連絡車の「BJR型」(ラジオ)、消防用シャシの「BJJ型」(略号Jの意味は不明)の3タイプがカタログモデルとされ、その他の「変り型」は特装扱いとした。

BJ・FJ型年表

20系(1955年-1960年)

1955~60年FJ25

40系(1960年-1984年)

1960年1月発売開始。20系のフルモデルチェンジ版として登場した。

すでに20系が30番台の数字を使っていたため、型式は40とされた。

1984年11月に70系にフルモデルチェンジされるまで24年にわたり販売され続け、超ロングセラーモデルとなった。北米においても、1960年代前半まではトヨタの最量販車種であった[2]

そのため、世界各国で業務用として今なお現役のものも多く、また、趣味の世界でも、「ヨンマル」、「フォーティー」などの愛称で親しまれ、多くの愛好家に大切にされている。

また現在でも根強い支持を受け、ランドクルーザープラドをベースに誕生したFJクルーザーのデザインモチーフとなっている。

など、主に高速走行を重視した快適性の向上と、乗用車の雰囲気を盛り込むことが設計の主眼とされた。

第1期

第2期

1970~73年頃の北米向けモデル
FJ40LV
欧州向けディーゼルモデル
BJ40LV-K(ダッチドア)
または-KC(観音開き

第3期

BJ40LV-KC(ディーゼル)
西ドイツ以外の欧州向けモデル

第4期

45LV (II)
60系のデビューに合わせ、エンジン、T/MT/Fブレーキなどの主要部品が60系と共通化され、パーキングブレーキも専用のセンタードラム式から、フットブレーキとシューを共用する後2輪ドラム式へと変更となる。
ロングホイールベースのディーゼルエンジンをH型から6気筒・4000ccの2H型と4気筒・3400ccの3B型へ変更、60系と共通化され、それぞれHJ47BJ45となる。HJ47は主にオーストラリア(略号 ARL)に向けてBJ45はそれ以外の地域向(欧州 = EUR、ジェネラルカントリー = GEN)けに広く輸出された。B/2B型も合わせて改良され、それ以前のエンジンとの互換性が少なくなる。
マニュアル・フリーハブが日本国内向けにも装備され、それを車幅内に収めるため、樹脂製スペーサーによりフロントフェンダーの取り付け幅が広げられる。日本国内向けのみフェンダーミラーとなる。

55、56型(1967年4月-1980年7月)

FJ56V-KC
日本国内モデル

乗用車ムードあふれるユニークなボディースタイル、4輪駆動車という特異な車であるにもかかわらず、乗用車を上回る安全性。 高出力エンジンと理想的な車両重量配分と抜群の高速性能、と当時の解説書にはある。

北米市場を強く意識したモデルでランドクルーザーシリーズとしては初めて、工業デザイナー(社内)によるスタイリングを採用している。

北米でムース(へら鹿)とあだ名されることとなったフロントまわりや大きくへこんだスライド式(電動、または手動の下降式)のリアウインドウなどそれまでの常識にとらわれない独特のスタイルとなった。
しかし現場経験の無い若手が担当したことから、パネル割りに不慣れな部分が多く、生産開始後もライン上でハンマーによる修正が必要となり、品質が安定するまでには多くの月日を要する結果となった。

北米の保安基準に適合させるため、インストゥルメントパネルは発泡ウレタンのパッドで覆われ、ステアリングホイール中央にも大型パッドが設けられた(その後40系と共通の小ぶりのものに変更)。

パワートレインは40系と全く同じで、125馬力のF型ガソリンエンジンと、オフセット式の2速トランスファーに、コラムシフトの3速M / Tが標準の組み合わせで、オプションでフロアシフトの3速と4速M / Tが選べた。ファイナルレシオ(デフの減速比)は3.700が標準とされた。3速M / Tは1速とリバースがノンシンクロであった。
その後、1969年にエンジン出力が130馬力に向上した。

北米以外の仕向け地についても、トヨタは55型にディーゼルエンジンを最後まで与えなかった。その点にこのモデルのポジショニングが良く表れている。
より実用的なモデルが必要な仕向け地には、H型ディーゼルエンジン搭載のHJ45(1967年~1980年 二代目FJ45と同じ、ホイールベース2950mmで2ドアのモデル)の各タイプが用意され、それを補っていた。

当初の予定どおり、生産台数のほとんどが北米をはじめとする日本国外へ輸出された。
国内では業務用として多くの納入実績を誇ったが、高価であったこと、小型車枠を超えていたこと、ディーゼルエンジンが無かったことがネックであったと言われ、個人向けの販売は振るわなかった。

50「系」の開発計画は当初、ショートホイールベースの2ドアハードトップとロングホイールベースの4ドアステーション・ワゴンの二本立てであり、その時点では名実ともに50「系」であった。
2ドアモデルは1/10クレイモデルによるスタイリング検討まで行われており、このモデルが生産されていれば、FJ50型を名乗るはずであった。しかし、北米での販売が好調であったFJ40とのバッティングの可能性、販売価格、荒川車体の生産能力などを考慮した結果、2ドアモデルの計画は中止されることになった。
現在50番台の5556型50「系」ではなく、「型」と呼ばれる理由はここにある。

ちなみに50「系」はブラジル・トヨタが生産する、ランドクルーザーのノックダウンから発展した「バンデランテ(Toyota Bandeirante)OJBJ50系(1954年~2001年11月)が名乗っている。
この区別はランクルに詳しい者以外にとっては非常に分かりづらいため、一般的には5556「型」をまとめて50「系」OJBJ50系「バンデランテ」と車名で呼ばれることが多い。

60系(1980年 - 1989年)

60系の消防車
FJ60V-KCHQ4または
FJ61V-KCH4
FJ60LG
USモデル
バン 4.0 D 直噴ターボ VX
HJ61V 日本国内・後期モデル
バン 4.0 D GX ハイルーフ
HJ60V 日本国内・後期モデル

1980年、ステーションワゴン、55型の後継車種として登場。

ガソリンエンジンは55型から変わらず6気筒・4.2Lの2F型であったが、新たに6気筒・4.0Lの2H型(国内は1982年から)と4気筒・3.4Lの3B型の2種のディーゼルエンジンが設定される。ステーションワゴンのラインナップに初めてディーゼルエンジンが加わった。

消防車仕様は山間部を中心に配備されており、現在でも見ることができる。

当初80系への切り替えは1989年の10月を予定していたが、新機構満載の80系はトヨタとアラコにとって共に未経験の部分が多く、その解決に多くの時間を要すこととなり、その後11月に延期されるも生産立ち上がりは遅れに遅れ、最終的には年明けの1990年1月にずれ込んだ。
そのため60系は同月まで生産が続けられることになった。

70系(1984年 - )

FJ70LV?
ヘビー系 ショート
ハードトップ
HZJ75LV
ヘビー系 ロング
トゥループキャリアー 4.2
HZJ76HV
ヘビー系 セミロング
バン 4.2LX(日本国内仕様)
HZJ73
ヘビー系 ミドル
ソフトトップ4.2LX
(日本国内・非一般向けモデル)
2007 - 現行型
##J79LP ピックアップ
(サブタンク付・中東向け)
2007 - 現行型
FZJ71LG/LV ハードトップ
(中東向け)

ヘビー系

これは新型のV型8気筒1VD-FTV)ディーゼルエンジン(4461cc、インタークーラーターボ)を今までの狭いエンジンベイに収めるにあたり、余裕がなかったためと思われる。 ちなみに1984年のデビュー以降、フロントマスクの変更は3度行われているが、ボンネット全体が大きく変更されたのはこれが初めてとなる。

なお以降の説明は日本国内向けを中心として行うが、一部日本国外向けの記述も時系列上載せている。

※78、79はライト系(70プラド)セミロングと型式重複している。


ライト系

ライト系 2ドアハードトップ
日本国内向けワゴンLJ71G
ライト系 2ドアハードトップ
欧州向け

70系のライトデューティー版派生種として、1984年11月に登場(日本国内は1985年10月)。

エンジン、トランスミッションデフなどをハイラックス / ハイラックスサーフと共用、サスペンションスプリングは国産4輪駆動車初の、4輪コイルリジッドとなる。R系L系エンジン共に、出自は乗用車用である。

仕向け地により、「ランドクルーザーワゴン」(日本国内)、「ランドクルーザー」、「ランドクルーザー II ( 2 )」、「バンデラ」の名を使い分ける。この場合の「II」は、「カローラ II 」と同様、サブシリーズ(格下)の意味となる。

70プラド セミロング4ドア
LJ78G

1990年4月、4ドア・セミロングボディーの追加に伴い、「PRADO」(プラド)のサブネームが与えられる。(以降はトヨタ・ランドクルーザープラドを参照)

※78はヘビー系ロング、79はヘビー系スーパーロングなど、ホイールベースの異なる車型との型式重複を起こしている。

80系(1989年-1998年)

トヨタ・ランドクルーザー
FJ80G/FZJ80G/HDJ81V/HZJ81V型
80系前期型・USモデル
90-97 LandCruiser.jpg
80系ワゴンVX後期型ニッポン放送 ラジオ中継車
Landcruiser80-JOLF.jpg
80系バンGX 観音開きバックドア型
高速道路パトロール車
Toyota Land Cruiser 80 Van 001.jpg
乗車定員 5-8名
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン 3F-E(1990~1992)
1FZ-FE(1992~1997)
1HD-T(1990~1995)
1HD-FT(1995~1997)
1HZ(1990~1997)
最高出力 215ps/4600rpm(1FZ-FE)
170ps/3600rpm(1HD-FT)
最大トルク 38.0kg・m/3200rpm(1FZ-FE)
38.7kg・m/2500rpm(1HD-FT)
変速機 5MT/4AT
駆動方式 フルタイム4WD式
(一部バングレードはパートタイム4WD式)
サスペンション 前 リーディングアーム
後 4リンク式
全長 4970mm
全幅 1930mm
全高 1860mm
ホイールベース 2850mm
車両重量 2230kg(ワゴン)
2270kg(バン)
データモデル ワゴン VXリミテッド
バン VXリミテッド EGR装着車
-自動車のスペック表-

ランドクルーザー80
1989年10月、60系がフルモデルチェンジされ、80系が登場。ボディサイズが一回り大きくなり、メインマーケットの北米やオーストラリア向けに開発されたモデルとなる。

一番の変更点はパワートレインで60系のパートタイム方式から、センターデフロック付のフルタイム方式へと変更、但しバンの一部グレードにはパートタイム4WD(STD、GX)も用意されていた。サスペンションは、前後共にコイルスプリングを採用したリンク式リジッドアクスル

日本国内向けは8人乗りのワゴンと5人乗りのバンが用意されており、エンジンはワゴンがガソリン、バンはディーゼルを搭載していた。

80系は見栄えの向上と装備の充実により、高級SUVへと性格が変化したモデルであったが、オフロード性能はランクルの名に恥じない走りを見せた。次世代の100系はオフロード走行に不向きな面もあるため、あえて80系に乗り続けるユーザーも少なくない。バンではキャンピングカーに改造された車も見られ、メーカー純正のキャンピングカー仕様車「アクティブヴァケーション」も設定されていた。

バックドアは、STD(1989年 - 1993年)とGX(1993年 - 1998年)が70系同様、左右の幅が異なる観音開き、VXとVXリミテッドが上下開きを採用した。尚、STDにはオーバーフェンダーが装着されなかったが、GXについては後期型(1996年 - 1998年)のワゴン及びバンのディーゼルターボに装着されていた。

1995年にマイナーチェンジされた時は、テレビ及びラジオコマーシャルが放映された(CMソングは白鳥英美子が担当、使用車両はバンVXリミテッド)。

オーストラリアでは、地元においてアトラクションツアー用に改造された、荷物室を窓1つ分延ばし、後ろの車軸を2軸とした、6輪車が存在した(後後軸にはデフは装備されていない)。

100系(1998年-2007年)

トヨタ・ランドクルーザー
UZJ100W/HDJ101K
100系 2004 USモデル
UZJ100LW
2004 Toyota Land Cruiser.jpg
100系前期型(1998年1月 - 2002年8月)リア
Toyota Land Cruiser (eighth generation) (100) (rear), Serdang.jpg
ランドクルーザーシグナス
2005 Toyota Land Cruiser-cygnus 02.jpg
乗車定員 5-8名
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン 2UZ-FEV型8気筒DOHC4663cc
1HD-FTE直列6気筒OHCターボ4163cc
最高出力 235ps/4800rpm(2UZ-FE)
196ps/3200rpm(1HD-FTE)
最大トルク 43.0kg・m/3600rpm(2UZ-FE)
44.0kg・m/1200~3200rpm(1HD-FTE)
変速機 5AT
駆動方式 フルタイム4WD式
サスペンション 前 ダブルウイッシュボーン式独立懸架
後 トレーリングリンク車軸式コイルばね(スタビライザー付)
全長 4890mm
全幅 1940mm
全高 1890mm
ホイールベース 2850mm
車両重量 2430kg(ワゴン)
2470kg(シグナス)
2550kg(バン)
データモデル VXリミテッド Gセレクション
-自動車のスペック表-

1998年1月、フルモデルチェンジで100系に。

1999年1月、上級グレード「ランドクルーザーシグナス」を追加。

80系同様にワゴンとバンの仕様があり、グレードは下からVX、VXリミテッド、VXリミテッド Gセレクション、そして途中追加されたレクサスLX470の国内版のシグナスがある。シグナスは4灯ヘッドライト、大径クロームメッキホイールという外観の違いがある。エンジンは、ワゴンには当時の国産車ではセンチュリーを除き事実上量産車最大排気量となるV型8気筒DOHC4700ccの2UZ-FEを採用し、バンは4.2リッターディーゼルターボを採用。ミッションは4速ATだが、バンのVXには5速MTも設定された(2002年8月のマイナーチェンジを期に廃止)。月間販売台数は常に2000台以上を維持しており、ライバル車の日産サファリ、三菱パジェロを大きく突き放し好調な売り上げを維持していた。

2002年8月にマイナーチェンジを実施。ATが5速化され、エンジンの馬力向上、内外装が変更された。また大径アルミホイールをVX Limited G selection,VX Limitedに標準装備。バンVXは廃止された。又、バン全車は、同年10月より施行された「自動車NOx・PM法」の規制対象車となったため、規制対象地域では、購入する事が出来なくなった。

2005年にはテールランプがLED化され、背面スペアタイヤが廃止された。

平成17年排出ガス規制に適合しないことを理由に、2007年7月に日本国内向けの生産を終了し後の200系へとバトンタッチされた。

80系との一番の相違点はフロントの足回りであり、コイルスプリング + 3リンクのリジッドアクスル式サスペンションから、トーションバースプリング + ダブルウィッシュボーン式サスペンション独立懸架となり、操舵方式もボール循環式からラック&ピニオン式へと変化を遂げ、より操安性と快適性の向上が図られた。これにより、前輪のホイールトラベルが大幅に減少し、オフロード(なかでも極端な不正地)での接地性が下がる懸念があったが、油圧による車高調整機能やトラクションコントロールが設定されており「ランクル」ブランドの名に恥じることのない走破性能を維持していた。

その内装の豪華さ、V8エンジンの静粛性は発売後から好評で、日本では「オフロード界のセルシオ」と言われることもあった。アメリカ合衆国においては、所有者の世帯収入中央値が20万ドル(約2,400万円)以上[3]という高級車となった。

一方で前述のようにハイドロニューマチックサスペンションの装備や(Gセレクションには標準装備)、多くの制御が電子化されたことで、クロスカントリーカーとしての信頼性が下がったと見る向きもある[3]。また、高価格と人気を反映して、日本ではランドクルーザー100だけを狙った窃盗団による窃盗の被害が多発した。

また、日本市場ではレクサス・LXバッジエンジニアリング車が、「ランドクルーザー・シグナス」の名称で発売された。同モデルには、Gセレクション同等の装備に加え、レクサスLX 専用装備となる、電動リアクォーターウインドウや、エンジンフードやドア内部の遮音材が追加されている。足元灯、ムードランプ(センターコンソール用ダウンライト)、インナードアハンドルランプ、ステップランプなど、照明関係も充実している。

北米向けはLX470を含めライトデューティー仕様となっており、アイシンAW製の乗用車用4A/Tを積んでおり、その他の仕向け地用のアイシン精機製のライトトラック用4A/Tを持つものに比べ、重量が40kgほど軽くなっている。後に5A/Tに変更されている。

日本国内の一般向けモデルのバックドアは上下開きのみの設定となったが、機動隊の現場指揮官車や、高速道路会社パトロールカーとして納入されているモデルは、バックドアが左右非対称の観音開きとなっている。

105型(欧州向け)

105型

コルゲーテッドロードCorrugated road または Washboarding)と呼ばれる洗濯板状の未舗装路を多く持つオーストラリアからの強い要望で、実績のない前輪独立懸架に対する「保険」の意味で、80系のコイル&リジッドのフロント足回りを100系に移植した「105型」と呼ばれるモデルが設定されている。

主に国連やオーストラリア向けとして輸出され、ガソリンディーゼル共に直列6気筒エンジンのみの設定である。装備を充実させた「GXL」グレードも用意されていたが、多くは簡素な業務用モデルである。

オーストラリア向けは、70系トゥループキャリアー同様、予備の燃料タンクを持ち(合計180L)、インパネに追加燃料計とメインタンクへ汲み出すポンプ用スイッチを装備する。

日本の愛好家のなかには、逆輸入を試みる者もいた。

200系(2007年 -)

トヨタ・ランドクルーザー200系
UZJ200W・URJ202W型
フロント(前期型)
2007 Toyota Land Cruiser-200 01.jpg
リア
(前期型 AX Gセレクション)
Toyota Land Cruiser 200 002.JPG
乗車定員 5人(GX)
8人(AX・ZX)
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン 前期:2UZ-FE型 4.7L V8 DOHC 288ps/45.7kgm
後期:1UR-FE型 4.6L V8 DOHC 318ps/46.9kgm
変速機 前期:5速AT
後期:6速AT
駆動方式 4WD
サスペンション 前:ダブルウィッシュボーン
後:トレーリングリンク車軸式
全長 4950mm
全幅 1970mm
全高 1880mm
ホイールベース 2850mm
車両重量 2490 - 2700kg
先代 トヨタ・ランドクルーザー100系
-自動車のスペック表-
2007年4月4日
先ずはレクサスの「LX570」がニューヨーク国際オートショーにおいて発表され、同年9月18日にはフルモデルチェンジした200系が発売された。200系は歴代のランドクルーザーを意識させるデザインである。2UZ-FEにVVT-iが追加された。
レクサスLX570はATが6速化され、ガソリンV8エンジンは車名が表す通り、2007年モデルのタンドラとともに発表された5.7Lの「3UR-FE」が設定された。

なお日本国内向けの200系は、100系に採用されていた2UZ-FE型をVVT-i化し出力を向上させたものが搭載される。ATは5速でディスチャージヘッドランプやムーンルーフは装備されない。 国内での目標月間販売台数は700台と発表されている。2008年には100カ国以上で販売され、グローバルな目標年間販売台数は10万台と発表されている。

2009年4月16日
初のマイナーチェンジを実施(公式リリース上では小改良とアナウンスされている)。
全車2UZ-FE型エンジンを、クラウンマジェスタレクサス・LS460 と同じ新世代の1UR型へ換装。ただし車の性格にあわせてトルク重視のチューニングを行なっており、燃料の供給方式をポート噴射式へ変更(よって型式は1UR-FE型となる)。最高出力を318PSへダウン(それでも2UZ型に比べ30PS以上の出力向上となるが)させる代わりに最大トルクを46.9kgf・mまで向上させ、かつトランスミッションも6速化されて燃費も向上(「AX」は、10・15モード燃費を7.1km/L・・・従来型比約8%向上、「AX G Selection」は6.9km/L・・・従来比約5%向上)している。
また、以前より要望の多かった「チルト&スライド電動ムーンルーフ」をメーカーオプション設定する(ZXグレードは標準装備)。
そしてこのマイナーチェンジで新たに追加された新グレードの「ZX」は、100系に登場した「シグナス」の後継にあたるグレードであり、ZX専用デザインの20インチアルミホイール&タイヤ(LX570とタイヤサイズは同じ)やLX570と同じエアロタイプのサイドステップにリアスポイラー、チルト&スライド電動ムーンルーフ、サイドビューカメラ等を標準装備するなど、他のグレードよりも外観を一層上質でスポーティに仕立てている。また、さまざまな機能を搭載したHDDナビゲーションシステム&トヨタプレミアムサウンドシステム(18スピーカー)も標準装備するなど、装備を充実させて“トヨタ版LX570”と呼ぶにふさわしいプレミアムグレードとなっている。
なお「ZX」の4WDシステムには、やはりLX570と同じ“4-Wheel AHC&AVS”を採用し、オンロードとオフロードの走行性能を高めながら快適な乗り心地を追求している。
2010年7月13日
生誕60周年を記念し、シート表皮・ドアアームレストにブラックレザーを採用し、クォーターピラーに専用エンブレムを、スマートキーに専用ロゴを配した記念パッケージ「ZX 60th Black Leather Selection」および「AX G 60th Black Leather Selection」を新設定。また、装備内容を厳選し、価格を抑えた5人乗りグレード「GX」を新設した(いずれも8月2日より販売開始)。
2011年12月19日
マイナーチェンジ(2012年1月6日販売開始)。「GX」を除く全グレードにおいて、走行環境に応じてスイッチ操作でトラクションやブレーキ制御を切り替え、オフロードの走破性を高めるマルチテレインセレクトや車載カメラの映像から周囲の路面状況を確認できるマルチテレインモニター(メーカーオプションのHDDナビゲーションシステムの装着とセットで装備)を採用。クルーズコントロールの速度設定を3段階から5段階に増やすとともに、タイトなコーナーでの回転性を高めるターンアシスト機能を追加した。デザインにおいてはフロント周り、リアコンビランプ、アルミホイール等を変更するとともに、プロジェクター式ヘッドランプやLEDポジショニングランプを新採用。「GX」を除く全グレードにおいてはドアミラーをサイドターンランプ付に、フロントワイパーは雨滴センサー付のオートタイプにそれぞれ変更した。さらに、「ZX」にはステアリングヒーター(「AX Gセレクション」にも装備)を追加し、フロント・サードシートの機能追加を行った。ボディカラーはアティチュードブラックマイカ、ベージュマイカメタリックの2色を加えた7色を、内装色はシェルを加えた3色となった。

販売店

※札幌トヨタディーゼル - 1973年にトヨタカローラ北海に組織変更されたため、以後は札幌トヨタで販売。
※宮城トヨタディーゼル - 1969年にトヨタカローラ宮城に組織変更されたため、以後は宮城トヨタで販売。
※埼玉トヨタディーゼル - 1969年にトヨタカローラ新埼玉に組織変更されたため、以後は埼玉トヨタで販売。
※千葉トヨタディーゼル - 1969年にトヨタカローラ京葉に組織変更されたため、以後は千葉トヨタで販売。
※東京トヨタディーゼル - 1980年1月に解散されたため、以後は東京トヨタで販売。
※横浜トヨタディーゼル - 1970年にトヨタカローラ東急に組織変更されたため、以後は神奈川トヨタで販売。
※静岡トヨタディーゼル - 1969年にトヨタカローラ東海に組織変更されたため、以後は静岡トヨタで販売。
※名古屋トヨタディーゼル - 1989年にトヨタカローラ名都(後にトヨタカローラ愛豊に吸収合併)に組織変更されたため、以後は愛知トヨタで販売。BJ73V/74Vをベースとした4ドア試作車の販売も行なった。
※大阪トヨタディーゼル - 1972年にトヨタカローラ大阪に組織変更されたため、以後は(旧)大阪トヨタ自動車(現・大阪トヨペット)で販売。
※神戸トヨタディーゼル - 1970年にトヨタカローラ兵庫に組織変更されたため、以後は兵庫トヨタで販売。
※福岡トヨタディーゼル - 1970年にトヨタカローラ福岡に組織変更されたため、以後は福岡トヨタで販売。

脚注

  1. ^ [1]
  2. ^ ただし、日本国内向けにおいては2002年以降排出ガス規制の強化に伴ってガソリンエンジン仕様が販売の主軸となり、70系は国内販売を終了、200系ではディーゼルエンジン仕様を日本国内向けには設定していない。
  3. ^ 姿勢や車高の電子・油圧制御を省き、単純なコイルスプリングとショックアブソーバーの組み合わせのみとしたグレードも設定されていた。

関連項目

外部リンク