ドライカレー

カレーライスのバリエーションのひとつ

ドライカレー(Dry Curry)は、日本独自のカレーライスのバリエーションの1つ。

概要 編集

 
ドライカレー(挽肉タイプ)
 
ドライカレー(カレーチャーハン)
 
インド料理店におけるドライカレーの一例(インゲンとポテトを香辛料で煮込んだもの)

インド料理を原型として、日本で独特の発展をしたカレーライスのバリエーションのひとつである。日本のインド料理店において、汁気の少ない香辛料を使った煮物を、ドライカレーと称している例もある。

以下のスタイルのカレーライスが、ドライカレーと呼ばれている。

  1. 挽肉みじん切りにした野菜を炒め、カレー粉で風味をつけ、スープストックで味付けをして煮詰め、平皿に盛ったに載せた料理。一種のキーマカレー。(挽肉タイプ
  2. カレー風味の炒飯。家庭で簡単に作れる「ドライカレーの素」や、冷凍食品が各社から発売されている。「カレーチャーハン」とも呼ばれる。
  3. 生の米とカレー粉を具材と一緒に炒め、炊き上げたもの。カレーピラフ

歴史 編集

挽肉タイプの歴史 編集

挽肉タイプのドライカレーを考案したのは日本郵船欧州航路船「三島丸」で船舶料理士として働いていた日本人コックであるとされる[1][2][3]。1911年4月9日の三島丸のディナーメニューには「Lobster & Dried Curries」とあることが記録に残っている[1][2]

船の長旅から食欲不振になった客のために考案された[2][3]。また、カレーに福神漬けを添えるようにしたのも、三島丸が発祥である[1][3]。当初はチャツネを添えていたが、チャツネが不足した際に代用にピクルスを添えてみた。しかし、ピクルスは酸味が強すぎて不評だったので、福神漬けにしたところ好評であった[1][3]。なお、福神漬けは当時は高価でもあったので、三等客向けにはタクアンを添えていた[1]

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e 中村恵二『図解入門業界研究最新運輸業界の動向とカラクリがよーくわかる本』秀和システム、2014年、78頁。ISBN 9784798041629 
  2. ^ a b c 船上の伝統 ドライカレー 「欧風ダイニング ポールスター」”. 産経新聞 (2017年11月19日). 2022年3月2日閲覧。
  3. ^ a b c d NYKトリビア ドライカレーと福神漬け」(PDF)『NYK plus』Vol.20Autumn、2016年、16頁。