ナガバハリフタバ Spermacoce remota Lam.アカネ科の小柄な草。対生する葉の付け根に小さな白い花を多数つける。世界の熱帯地方に分布し、日本では沖縄に帰化している。

ナガバハリフタバ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク上群 superasterids
階級なし : キク類 asterids
階級なし : asterids I
: リンドウ目 Gentianales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : アカネ亜科 Rubioideae
: Spermacoceae
: ハリフタバ属 Spermacoce
: ナガバハリフタバ Spermacoce remota
学名
Spermacoce remota Lam.
和名
ナガバハリフタバ

特徴 編集

1-2年生の草本[1]は倒れ伏して伸びるか斜めに立ち、根元で枝を分けて伸び、高さ20-40センチメートルに達する。全体に無毛、またはほぼ無毛である。茎は断面が四角形をしている。葉は対生で、長楕円状披針形で長さは1.5-2.5センチメートル、葉質は薄くてなめらかで先端は尖っている。托葉は櫛の歯状に裂けている。

は多数が葉脇に束になってつく。は緑色で長さ1.5ミリメートル。花冠は長さ1.2ミリメートル、ほとんど基部まで裂けている。花冠は4裂して白であるが、ただし時に裂片の先端がわずかに紅色を帯びることがある[2]

なお、和名としては初島(1975)はナガバハリフタバムグラを採っている。なおこの書でも属名はハリフタバ属となっている。

分布と生育環境 編集

熱帯アジアマレーシアミクロネシアアフリカなどに分布し、日本では沖縄に戦後に帰化した[3]。原産地は熱帯アメリカとされる[2]

海岸近くの荒れ地でよく見られる[4]

分類 編集

本種の属するハリフタバ属には世界の暖帯から亜熱帯域に約250種が知られ[2]、日本では在来種としてはハリフタバ[注 1]南西諸島石垣島大東諸島から知られ、本種とは花がかなり大きく(花冠が長さ5ミリメートル)、全体に粗い毛があることで区別できる[6]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 従来は Spermacoce articularis L.f. のこととされてきたが、これはハリフタバに比べ花冠筒が長さ4-7ミリメートルで萼片よりもはるかに長く種子に網状紋がある点で異なるとされ、実際にハリフタバにあたるのは Spermacoce hispida L. とされている[5]

出典 編集

  1. ^ 以下、主として初島(1975),p.852
  2. ^ a b c 大橋他編(2017),p.291
  3. ^ 初島(1975),p.852
  4. ^ 池原(1979),p.168
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=48769 (2021年10月7日).
  6. ^ 初島(1975),p.586

参考文献 編集

  • 初島住彦 『琉球植物誌』追加・訂正版、(1975)、 沖縄生物教育研究会
  • 大橋広好他編、『改訂新版 日本の野生植物 4 アオイ科~キョウチクトウ科』
  • 池原直樹、『沖縄植物野外活用図鑑 第3巻 帰化植物』、(1979)、新星図書

外部リンク 編集