ナザレス英語: Nazareth)は、スコットランド出身のハードロックバンド

ナザレス

ドイツ・ヴァッケン公演(2018年8月)
基本情報
出身地 スコットランドの旗 スコットランド
ファイフ州ダンファームリン
ジャンル ハードロック
ヘヴィメタル
活動期間 1968年 - 現在
レーベル Pegasus Records
Mooncrest Records
A&Mレコード
ヴァーティゴ
Mountain Records
MCAレコード
Griffin
ポリドール・レコード
SPV
Edel Records
Union Square Music
公式サイト nazarethdirect.co.uk
メンバー ピート・アグニュー (B)
カール・センタンス (Vo)
ジミー・マリソン (G)
リー・アグニュー (ドラムス)
旧メンバー ダン・マッカファーティー (Vo)
マニー・チャールトン (G)
ダレル・スウィート (Ds)
ほか別記参照

HR/HMの創生に貢献したブリティッシュ・ロックグループの一つとして、50年以上の長い活動歴を誇る。

経歴・概要 編集

 
オリジナル・ラインナップ - USA.サウスベンド公演 (1976年6月)

1968年ダンファームリンで結成。1971年に『ナザレス』でアルバム・デビュー。

ディープ・パープルの前座を務めた際、パープルのメンバーから実力を評価され、1973年発表のアルバム『ラザマナズ』ではロジャー・グローヴァーがプロデュースを担当した。このアルバムでバンドの基礎を固めると同時に、イギリスのみならずアメリカでも評価を上げる。シングルカットされた「ブロークン・ダウン・エンジェル」は全英シングルチャートの9位を記録。同年9月、ジョニ・ミッチェルのカバーである「ディス・フライト・トゥナイト」をシングルとして発表[1]。同曲は西ドイツで1位、オーストリアで2位を記録した。

1974年にシングル化されたバラードで、エヴァリー・ブラザーズのカバーである「ラヴ・ハーツ」は最大のヒット曲となり、アメリカでゴールドディスクを獲得。1975年発表のアルバム『人食い犬(Hair of the Dog)』のアメリカ盤にもこの曲が収められている。これによってブリティッシュ・ハードロックの中堅としての地位を確実にした。

その後は爆発的なヒットこそないものの堅実に活動を続け、2018年現在で24枚のスタジオ・アルバムを発表した。

正統派のロックンロールやバラードを得意にしているが、マッカファーティーのハイトーンかつパワフルなボーカルがバンドに唯一無二の個性を与えている。最初期のヒット曲「バッド・バッド・ボーイ(Bad Bad Boy)」(1973年のシングル)にその特徴がよく現れている。

バンド名がザ・バンドの曲「ザ・ウェイト」の歌詞から採られたこと、エヴァリー・ブラザーズやボブ・ディラン、(ブレイクする前に)リトル・フィートといった多彩なナンバーをカヴァーしていることからも分かる通りイギリスのハードロック勢の中でも、アメリカン・ロックへの志向が強く、実際に本国以上にアメリカでの名声・知名度が高い。アクセル・ローズが敬愛していることでも知られ、音楽性に影響が聞き取れるほか、特徴的な歌唱法はアクセルがシャワーを浴びながら「人食い犬」を歌っていたのを他のメンバーが気に入ったから、という逸話まである。

メンバー 編集

1979年から2年間はティア・ガスセンセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドに所属していたギタリスト、ザル・クレミンソンが追加加入していた。また1999年にスウィートが急死したため、ピートの息子であるリー・アグニューが参加している。

2013年、ダン・マッカファーティーが健康上の問題により脱退。スコットランド人シンガー、リントン・オズボーンを迎えるが、病気により一年足らずで脱退。2015年、カール・センタンスを新ボーカリストとして迎えた。

2017年時点で、オリジナル・メンバーはピート・アグニューのみ在籍[2]。ダレル・スウィートは1999年に、マニー・チャールトン、ダン・マッカファーティは2022年に亡くなっている[3]

オリジナル・ラインナップ 編集

  • ダン・マッカファーティー (Dan McCafferty) - ボーカル (1968年-2013年)※2022年死去
  • マニー・チャールトン (Manny Charlton) - ギター (1968年-1990年) ※2022年死去
  • ピート・アグニュー (Pete Agnew) - ベース (1968年- )
  • ダレル・スウィート (Darrell Sweet) - ドラムス (1968年-1999年) ※1999年死去

現ラインナップ 編集

  • ピート・アグニュー (Pete Agnew) - ベース (1968年- )
  • カール・センタンス (Carl Sentance) - ボーカル (2015年- ) ※元Persian Risk、Geezer Butler Bandクロークス
  • ジミー・マリソン (Jimmy Murrison) - ギター (1994年- )
  • リー・アグニュー (Lee Agnew) - ドラムス (1999年- ) ※ピート・アグニューの息子

旧メンバー 編集

(オリジナル・メンバー以外)

  • ザル・クレミンソン (Zal Cleminson) - ギター (1978年-1980年)
  • ビリー・ランキン (Billy Rankin) - ギター (1980年-1983年、1990年-1994年)
  • ジョン・ロック (John Locke) - キーボード (1980年-1982年) ※2006年死去
  • ロニー・レイフィー (Ronnie Leahy) - キーボード (1994年-2002年)
  • リントン・オズボーン (Linton Osborne) - ボーカル (2014年-2015年)

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

  • 『ナザレス』 - Nazareth (1971年)
  • 『エクササイズ』 - Exercises (1972年)
  • ラザマナズ』 - Razamanaz (1973年)
  • 威光そして栄誉』 - Loud 'n' Proud (1973年) ※別邦題『ラウド・アンド・プラウド』
  • 競獅子』 - Rampant (1974年) ※読みは「きおいじし」
  • 人食い犬』 - Hair of the Dog (1975年) ※別邦題『ヘアー・オブ・ザ・ドッグ』
  • 『宿命のロックン・ローラー』 - Close Enough for Rock 'n' Roll (1976年) ※別邦題『クロース・イナフ・フォー・ロックン・ロール』
  • 『プレイン・ザ・ゲーム』 - Play 'n' the Game (1976年)
  • 『無情の剣』 - Expect No Mercy (1977年)
  • 『ノー・ミーン・シティ』 - No Mean City (1979年)
  • 『マリス・イン・ワンダーランド』 - Malice in Wonderland (1980年) ※旧邦題『不思議な国のマリス』
  • 『ザ・フール・サークル』 - The Fool Circle (1981年)
  • 『2XS』 - 2XS (1982年)
  • 『サウンド・エリクシール』 - Sound Elixir (1983年)
  • The Catch (1984年)
  • Cinema (1986年)
  • 『スネイクン・ラダーズ』 - Snakes 'n' Ladders (1989年)
  • 『ノー・ジャイヴ』 - No Jive (1991年)
  • Move Me (1994年)
  • 『ブーガルー』 - Boogaloo (1998年)
  • The Newz (2008年)
  • Big Dogz (2011年)
  • Rock 'n' Roll Telephone (2014年)[4]
  • 『タトゥード・オン・マイ・ブレイン』 - Tattooed on My Brain (2018年)[5]
  • Surviving the Law (2022年)

ライブ・アルバム 編集

  • 『スナッズ』 - 'Snaz (1981年) ※旧邦題『稲妻のライブ』
  • 『BBCラジオ・ワン・ライヴ』 - BBC Radio 1 Live in Concert (1991年)
  • 『ベスト・オブ・ライヴ』 - Best Of Live (1994年)
  • Live at the Beeb (1998年)
  • Back to the Trenches (2001年)
  • Homecoming (2002年)
  • Alive & Kicking (2003年)
  • The River Sessions Live 1981 (2004年)
  • Live in Brazil (2007年)

コンピレーション・アルバム 編集

  • 『グレイテスト・ヒッツ』 - Greatest Hits (1975年) ※旧邦題『ラブ・ハーツ/ナザレスの逆襲』
  • Hot Tracks (1976年)
  • The Very, Very Best of Nazareth (1984年)
  • The Ballad Album (1985年)
  • The Ballad Album Vol.2 (1990年)
  • The Singles Collection (1990年)
  • From the Vaults (1993年)
  • The Singles Collection (1994年)
  • Greatest Hits Volume II (1998年)
  • The Very Best Of Nazareth (2001年)
  • The Ballads (2002年)
  • Maximum XS (2004年)
  • Golden Hits Nazareth (2004年)
  • The Anthology (2009年)
  • The Singles (2012年)

脚注 編集

外部リンク 編集