ナゾラーランドは、1987年から1988年にかけてサン電子が発売したファミリーコンピュータ ディスクシステム用のディスクマガジン。正式名称は『謎のマガジンディスク ナゾラーランド』で、世界文化社パズラー編集部との共同製作で第3号まで発売された。

毎号、ミニゲーム(主にパズル・アドベンチャー・クイズ)が複数収録されている他、雑誌らしくおたよりコーナーなども設けられていた。イメージキャラクターは漫画家のなんきんが担当した。

創刊号 編集

謎のマガジンディスク
ナゾラーランド 創刊号
ジャンル オムニバス
対応機種 ディスクシステム
開発元 サンソフト
世界文化社
発売元 サンソフト
プログラマー 竹内昭人
やまさきよしき
寺尾昌洋
諸田直久
音楽 小高直樹
美術 たばたてつや
なんきん
シリーズ ナゾラーランドシリーズ
人数 1 - 2人(一部多人数プレイ)
メディア ディスクカード両面
発売日   198702061987年2月6日
売上本数 10万本[1]
その他 型式:SSD-NZL
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ゲーム内容 編集

以下の8タイトルが収録されている。

回転迷路ドアマン
  • T字型の回転ドアで各所を仕切られた迷路を、ドアを上手く開閉しながら進み、5階のゴールを目指す。
ナゾラー占い
  • 隠された4つの黄道十二星座のアイコンを、マスターマインドの要領で当てて行く。正解すると、それまでにかかった時間と回数に応じて、その日の運勢が発表される。
スーパージグソー
  • 11×14ピースのジグソーパズルを、任意の2つのピースの入れ替えを駆使しつつ組み立てる。制限時間は60分。ピースは全て正方形であるため、絵柄のみが頼り。
MOMOKO姫を救え!
  • アドベンチャーゲーム。主人公である王子ケイン(ゲーム中では「ユウシ ケイン」)が暗黒の迷宮魔城を探索し、悪魔の妖術師デーモンにさらわれたモモコ姫を救い出す。選択肢を一つ誤るとゲームオーバーのうえ、コンティニューも無い。
  • かつてパズラーに掲載された「セシル姫を救え」が元になっており、第2号のナゾラーBOX(後述)においてそのことが明かされた。
日本一周ウルトラクイズ
  • クイズに答え交通費を稼ぎながら日本全国を旅する。各地にあるアイテムやヒントを集め、7個の「ナゾラーボール」を手に入れて東京へ持ち帰ることが最終目的。エンディングでボタンを連打すると、欲しい物が手に入るかも。
ファミコン適性検査 速撃(はやうち)マっくん
  • 10秒間の連打回数を競う。画面上ではガンマン同士の撃ち合いが表示される。二人対戦用・対コンピュータ用の2種類のモードを選択できる。
押し出しパズル
  • 戦車を模したキャラクターを移動し、砲弾を撃ち出すことによって画面上のピースを移動、絵を完成させる。3種類の難易度が用意されている。
3-D MAZE
  • 立体迷路。マッピング用の方眼紙が説明書に付属している。ゴール地点にはバニーガールがおり、キャンペーン応募用のパスワードを教えてくれる。攻略には、別の場所で手に入る物が役立つかも知れない。

スタッフ 編集

  • プログラマー:竹内昭人、やまさきよしき、寺尾昌洋、諸田直久
  • グラフィック・デザイナー:山本英夫、長田康之、いわたともひと
  • 音楽:小高直樹
  • サウンド・エフェクター:竹内昭人、やまさきよしき
  • 広報:北角浩一
  • パズル:菫工房
  • イラスト:たばたてつや、なんきん
  • パズラー編集部:よこやまひろし、うめざわかずのり
  • クイズ:うめざわかずのり
  • エディター:なとりみのる
  • マネージャー:吉田喜春

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミリーコンピュータMagazine16.18/25点[2]
ユーゲー肯定的[3]
  • ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、16.18点(満25点)となっている[2]。また、同雑誌1991年5月24日号特別付録の「ファミコンディスクカード オールカタログ」では「(書換料の)500円でこの内容なら決して損はしない、書き換えだからこそお得なソフト」と紹介されている[2]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.08 2.93 3.12 3.21 - 3.84 16.18
  • ゲーム誌『ユーゲー』では、「お金をためて電車を乗り継ぐ『日本一周クイズ』はファンの心をわしづかみにした」と評している[3]

第2号 編集

謎のマガジンディスク
ナゾラーランド 第2号
ジャンル オムニバス
対応機種 ディスクシステム
開発元 サンソフト
世界文化社
発売元 サンソフト
プロデューサー 竹内昭人
プログラマー 寺尾昌洋
やまさきよしき
なかがわひろし
なかにしひろよし
音楽 小高直樹
美術 なんきん
ごとうみほこ
人数 1 - 4人(一部多人数プレイ)
メディア ディスクカード両面
発売日   198706121987年6月12日
売上本数 5万本[1]
その他 型式:SSD-NZB
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ゲーム内容 編集

ゲームが5種類に減り、おたよりコーナー「ナゾラーBOX」が新設された。また選択画面ではディスクシステムを模した演出がなされている。

パタリック(ジャンル:パズルI)
  • 8×8のマスに、表裏を赤と白に塗り分けられたパネルが敷き詰められており、Aボタンを押すと自キャラクターのいるマスの縦横1列ずつのパネルすべてを裏返すことができる。64枚すべてのパネルを白にできればステージクリアだが、赤いパネルの多い状態では自キャラクターが天使から悪魔に変身し、操作に時間がかかるようになる。全25ステージ、制限時間は1ステージあたり20分。
世界一周ナゾラークイズ(ジャンル:クイズ)
  • 前作と同様にクイズをしながら交通費を稼ぎ、世界各地を旅行する。7つのナゾラーボールを東京に持ち帰るという目的は前作と同じだが、アドベンチャーゲームとしての要素がなくなり、ボールは世界の各都市にランダムで配置されるようになった。また、最大で4人まで同時に遊べる。
わらしべ(ジャンル:シミュレーション)
  • テレホンカードと鉛筆のみを所持した状態からスタート。個性的な8人のキャラクターを相手に、わらしべ長者のように物々交換を繰り返し、お城の入手を目指す。
爆風トモちゃん(ジャンル:パズルII)
  • 女子高生のトモちゃんが、持っている爆弾を使って床に穴を開け、最下層を目指す。爆風に巻き込まれるか、各所に配置されたネズミに触れるか、セレクトボタンを押して自滅を選ぶとミス。4ステージまで存在する。
ナゾラー少年探偵団・黄金屋敷の謎編(ジャンル:アドベンチャー)
  • プレイヤーは少年探偵団のリーダー・ハカセとして、個性的な3人のメンバー(力持ちで食いしんぼうのダンプ、身軽で器用なサーカス、音楽が得意で観察力も高いアイドル)に的確な指示を出し、屋敷の主がどこかに隠したという遺書を探し出す。不適切な行動を指示すると「し」「ん」「ら」「い」の文字が1つずつ減っていき、全部なくなるとゲームオーバー。また、バッドエンドも存在する。
ナゾラーBOX(ジャンル:ナゾラーBOX)
  • 前作のプレイヤーから届いた手紙や葉書をラジオ番組のように紹介する「おたよりコーナー」(パーソナリティはナゾラー少年探偵団のメンバーの一人・アイドル)、次号の企画「ミス・ナゾラーコンテスト」の告知をする「ぼしゅうコーナー」、その応募用にドット絵が描けるツール「CHRエディター」、制作者からのメッセージを紹介する「へんしゅうぶから」の4つのコーナーから成る。

スタッフ 編集

  • プロデューサー:竹内昭人
  • プログラマー:寺尾昌洋、やまさきよしき、なかがわひろし、なかにしひろよし
  • グラフィック・デザイナー:山本英夫、石川巧、ふくおかさちこ
  • 音楽:小高直樹
  • サウンド・エフェクター:ふじいひろかつ
  • デザイナー:奥村一晃
  • パズル:菫工房
  • イラスト:なんきん、ごとうみほこ
  • 世界文化社:なとりみのる、よこやまひろし、うめざわかずのり
  • マーケティング:北角浩一
  • アシスタント:たきなおみ

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通30/40点
(シルバー殿堂)[4]
ファミリーコンピュータMagazine16.64/25点[2]
ユーゲー肯定的[3]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計30点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得している[4]
  • ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、16.64点(満25点)となっている[2]。また、同雑誌1991年5月24日号特別付録の「ファミコンディスクカード オールカタログ」では「第1号では、数の多さの割りに、中途半端なゲームが目立ったのに比べて、かなり内容の充実がなされている」と紹介されている[2]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.31 3.10 3.34 3.36 - 3.53 16.64
  • ゲーム誌『ユーゲー』では、「物々交換をしていく『わらしべ』は、単純ながらどっぷりハマってしまう面白さがあった」と評している[3]

第3号 編集

謎のマガジンディスク
ナゾラーランド 第3号
ジャンル オムニバス
対応機種 ディスクシステム
開発元 サンソフト
世界文化社
発売元 サンソフト
人数 1 - 4人(一部多人数プレイ)
メディア ディスクカード両面
発売日   198803111988年3月11日
売上本数 5万本[5]
その他 型式:SSD-NZC
テンプレートを表示

ゲーム内容 編集

実質的な最終号。ゲームの種類はかなり絞られる。

スゴロクイズ
爆走トモちゃん
  • トモちゃんシリーズ第2弾。ブロックだらけの通路を走り抜け、右端にある扉までたどり着ければステージクリア。全4ステージ。各所にある「↑」マークのついた床は、ステージごとに3回までしかその上を通過できない。
ナゾラー少年探偵団
  • 一人で密室に閉じ込められたハカセが、室内の道具を駆使して脱出を試みるアドベンチャーゲーム。説明書には、閉じ込められるまでの経緯がマンガ形式で描かれている。
ビンゴゲーム
  • ビンゴ用カードの発行と番号の抽選をする機能。ゲーム性は皆無。
ナゾラーBOX おたよりコーナー
  • 前号に引き続きおたよりコーナー。ゲストとして、「デッドゾーン」の主人公・カークが登場する。
ナゾラーBOX ミス・ナゾラーコンテスト

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通25/40点
ファミリーコンピュータMagazine15.20/25点[6]
ユーゲー肯定的[3]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計25点(満40点)となっている。
  • ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、15.20点(満25点)となっている[6]。また、同雑誌1991年5月24日号特別付録の「ファミコンディスクカード オールカタログ」では、「各ゲームの路線もはっきりとうちだされてきており、より一層好みのわかれるところとなっている」と紹介されている[6]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.20 2.90 3.00 2.90 - 3.20 15.20
  • ゲーム誌『ユーゲー』では、「この中ではやはり『少年探偵団』。たったひとつの部屋を舞台に、さまざまなアイテムを工夫して脱出するという密室AVGにはうならされた」と評している[3]

関連作品 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 「ディスクライター 書き換えゲーム全カタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第5巻第12号、徳間書店、1989年7月7日、81頁。 
  2. ^ a b c d e f 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、111頁。 
  3. ^ a b c d e f 「総力特集 フォーエバー DISK SYSTEM」『ユーゲー 2003 Vol.09』第7巻第18号、キルタイムコミュニケーション、2003年10月1日、35頁、雑誌17630-10。 
  4. ^ a b ナゾラーランド 第2号 まとめ [ファミコン]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2016年11月19日閲覧。
  5. ^ 「ディスクライター 書き換えゲーム全カタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第5巻第12号、徳間書店、1989年7月7日、82頁。 
  6. ^ a b c 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、112頁。