サー・ニック・アレクサンダー・ファルド MBENick Faldo, 1957年7月18日 - )は、イングランドハートフォードシャーウェリン・ガーデン・シティ出身のプロゴルファーである。非常に安定感のある選手で、マスターズ全英オープンにそれぞれ3勝を挙げ、メジャー大会「6勝」を記録した名選手である。

 ニック・ファルド 
Nick Faldo
基本情報
名前 ニック・ファルド
生年月日 (1957-07-18) 1957年7月18日(66歳)
身長 191 cm (6 ft 3 in)
体重 97 kg (214 lb)
国籍 イギリスの旗 イギリス
出身地 イングランド・ハートフォードシャー
ウェリン・ガーデン・シティ
経歴
成績
優勝回数 欧州30・米国9・国際4
メジャー:マスターズ3勝・
全英オープン3勝
初優勝 1977年スコール・ラガー・
インディビジュアル
賞金王 1992年・欧州ツアー
世界ランク最高位 1位
賞金ランク最高位 1位(欧州ツアー:1983年・1992年)
殿堂表彰者
選出年 1997年
選出部門 国際投票
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世界ランキング1位にも通算「97週」在位した。ヨーロピアンツアーで30勝、アメリカPGAツアーで9勝、国際試合で4勝を挙げる(全英オープンは欧州ツアーとアメリカPGAツアーの両方で優勝回数に数えるため、ファルドの場合は3度の全英優勝が重複記録になる。したがって、生涯通算で40勝を挙げたことになる)。

1976年にプロ入り。1977年に「スコール・ラガー・インディビジュアル」の大会でプロ初優勝。28歳からデビッド・レッドベターとスイングを改造し、30歳1日で第116回全英オープンメジャー大会初優勝。霧と風の最終日は首位と1打差の2位スタートして、全18ホールでパーを拾い続ける我慢のゴルフを展開したところ、一時リードを3打差まで広げていた首位のポール・エイジンガーが後半失速して最後の2ホールで連続ボギーを叩いてしまい、ファルドが1打差で逆転勝利した。

1989年1990年マスターズ(第53、54回大会)では、2年連続でプレイオフを11番ホールで決着させて、大会2連覇を達成した。マスターズでの大会連覇記録は、1965年1966年を連続制覇したジャック・ニクラス以来史上2人目の偉業となった。

1990年にはセント・アンドルーズにあるR&Aゴルフクラブの「オールド・コース」で開かれた第119回全英オープンでも優勝し、メジャー大会で年間2冠を獲得。この時の優勝スコアは 18 アンダーパー(-18, 270ストローク)で、10年後の2000年タイガー・ウッズによって破られるまで(-19, 269ストローク)オールド・コースの最少スコア優勝記録であった。

1992年の第121回全英オープンでは2日目に首位に立ち、最終日は2位に4打差でスタート後、一時は逆に2打リードされる展開となったが、15番ホールで本人曰く「生涯最高のショット」(第2打、5番アイアンでのハーフショット)を放ってバーディ、17番ホールでもバーディを奪ってジョン・クック英語版と首位に並び、18番ホールでクックがボギーを叩いての再逆転劇で、2年ぶり3度目の優勝を達成した。開催コースは初優勝時の1987年と同じミュアフィールドのコースだった。

1996年4月14日、ニック・ファルドは第60回マスターズ・トーナメントの最終ラウンドをグレグ・ノーマンと一緒に回ることになった。(注:会場のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブはパー72のコースである)。スタート時点で、首位のノーマンはファルドに6打差をつけていたが、最終日に悲惨な崩壊状態に陥る。この日のノーマンは78(6オーバー)をたたき、67(5アンダー)で回ったファルドに大逆転負けを喫してしまい、ファルドは6年ぶり3度目の優勝を飾った。(最終成績:ファルド -12, 276ストローク/ノーマン -7, 281ストローク)さすがのファルドも、この優勝には複雑な気持ちを隠せず、素直に喜べるものではなかった。

1997年のマスターズ・トーナメントで、大会前年優勝者のファルドは第1ラウンドを当時21歳のタイガー・ウッズと一緒に回る。マスターズの伝統の1つとして、大会前年優勝者と前年度の全米アマチュア選手権優勝者が予選ラウンドを一緒に回る慣習があり、ウッズは前年度の全米アマチュア選手権優勝者の資格で出場していた。ファルドは若きウッズの勢いにのまれ、大会2日目で予選落ちに終わり、最終日には「21歳3ヶ月」の最年少優勝者となったウッズにグリーン・ジャケットを着せることになった。

1997年、ファルドはセベ・バレステロスと一緒に世界ゴルフ殿堂入りを果たしている。

ファルドは2007年7月18日に50歳を迎え、ヨーロピアンシニアツアーに参戦を開始した。2008年ライダーカップでは、ファルドがヨーロッパ選抜代表チームのキャプテンを務めた。

現在はジム・ナンツとともにCBSスポーツのゴルフ中継の解説者として、2012年からはBBCにおける全英オープンの解説も務めている。

プロ優勝 (41) 編集

PGAツアー (9) 編集

Legend
Major championships (6)
Other PGA Tour (3)
No. Date Tournament 優勝スコア 2位との差 2位(タイ)
1 22 Apr 1984 Sea Pines Heritage −18 (66-67-68-69=270) 1打差   トム・カイト英語版
2 19 Jul 1987 全英オープン −5 (69-68-71-71=279) 1打差   ポール・エイジンガー英語版,   ロジャー・デービス
3 9 Apr 1989 マスターズ・トーナメント −5 (68-73-77-65=283) Playoff   スコット・ホーク英語版
4 8 Apr 1990 マスターズ・トーナメント (2) −10 (71-72-66-69=278) Playoff   レイモンド・フロイド英語版
5 22 Jul 1990 全英オープン (2) −18 (65-67-65-71=270) 5打差   マーク・マクナルティ英語版,   ペイン・スチュワート
6 19 Jul 1992 全英オープン (3) −12 (66-64-69-73=272) 1打差   ジョン・クック
7 5 Mar 1995 Doral-Ryder Open −15 (67-71-66-69=273) 1打差   ピーター・ヤコブセン英語版,   グレグ・ノーマン
8 14 Apr 1996 マスターズ・トーナメント (3) −12 (69-67-73-67=276) 5打差   グレグ・ノーマン
9 2 Mar 1997 ニッサン・オープン −12 (66-70-68-68=272) 3打差   クレイグ・スタドラー

欧州ツアー (30) 編集

Legend
Major championships (6)
Other European Tour (24)
No. Date Tournament 優勝スコア 2位との差 2位(タイ)
1 17 Aug 1977 Skol Lager Individual −5 (68-71=139) Playoff   Craig Defoy,   Chris Witcher
2 29 May 1978 Colgate PGA Championship −10 (71-68-70-69=278) 7打差   ケン・ブラウン
3 26 May 1980 Sun Alliance PGA Championship +3 (73-70-71-69=283) 1打差   ケン・ブラウン
4 25 May 1981 Sun Alliance PGA Championship −10 (68-70-67-79=274) 4打差   ケン・ブラウン,   ニール・コールズ英語版
5 19 Sep 1982 Haig Whisky TPC −18 (69-67-65-69=270) 3打差   Manuel Calero
6 8 May 1983 Paco Rabanne Open de France −11 (69-67-72-69=277) Playoff   ホセ・マリア・カニザレス,   David J Russell
7 15 May 1983 Martini International −12 (67-69-66-66=268) Playoff   ホセ・マリア・カニザレス
8 22 May 1983 Car Care Plan International −8 (67-68-68-69=272) 1打差   ホワード・クラーク,   Brian Waites
9 24 Jul 1983 Lawrence Batley International −18 (71-69-64-62=266) 4打差   Warren Humphreys,   Brian Waites,
  ポール・ウェイ
10 11 Sep 1983 Ebel Swiss Open-European Masters −20 (70-64-68-66=268) Playoff   サンディ・ライル
11 13 May 1984 Car Care Plan International −12 (69-70-66-71=276) 1打差   ホワード・クラーク
12 17 May 1987 オープン・デ・エスパーニャ −2 (72-71-71-72=286) 2打差   Hugh Baiocchi,   セベ・バレステロス
13 19 Jul 1987 全英オープン −5 (68-69-71-71=279) 1打差   ポール・エイジンガー英語版,   ロジャー・デービス
14 26 Jun 1988 プジョー・オープン・ド・フランス −6 (71-67-68-68=274) 2打差   Denis Durnian,   Wayne Riley
15 30 Oct 1988 ボルボ・マスターズ英語版 −4 (74-71-71-68=284) 2打差   セベ・バレステロス
16 9 Apr 1989 マスターズ・トーナメント −5 (68-73-77-65=283) Playoff   スコット・ホーク英語版
17 30 May 1989 Volvo PGA Championship −16 (67-69-69-67=272) 2打差   イアン・ウーズナム
18 4 Jun 1989 Dunhill British Masters −21 (71-65-65-66=267) 4打差   Ronan Rafferty
19 2 Jul 1989 プジョー・オープン・ド・フランス −7 (70-70-64-69=273) 1打差   Hugh Baiocchi,   ベルンハルト・ランガー,
  マーク・ロー
20 8 Apr 1990 マスターズ・トーナメント −10 (71-72-66-69=278) Playoff   レイモンド・フロイド英語版
21 22 Jul 1990 全英オープン −18 (67-65-67-71=270) 5打差   マーク・マクナルティ英語版,   ペイン・スチュワート
22 23 Jun 1991 アイリッシュ・オープン −5 (68-75-70-70=283) 3打差   コリン・モンゴメリー
23 7 Jun 1992 アイリッシュ・オープン −14 (66-65-68-75=274) Playoff   Wayne Westner
24 19 Jul 1992 全英オープン −12 (66-64-69-73=272) 1打差   ジョン・クック
25 2 Aug 1992 Scandinavian Masters −11 (70-72-66-69=277) 3打差   ロバート・アレンビー英語版,   Peter Baker,
  Danny Mijovic,   Frank Nobilo,
  ホセ・マリア・オラサバル,   Peter O'Malley
26 13 Sep 1992 ヨーロピアン・オープン −18 (67-66-64-65=262) 3打差   ロバート・カールソン英語版
27 7 Feb 1993 ジョニー・ウォーカー・クラシック英語版 −11 (67-68-66-68=169) 1打差   コリン・モンゴメリー
28 4 Jul 1993 アイリッシュ・オープン −12 (72-67-72-65=276) Playoff   ホセ・マリア・オラサバル
29 5 Jun 1994 アルフレッド・ダンヒル・オープン英語版 −5 (67-74-67-71=279) Playoff   Joakim Haeggman
30 14 Apr 1996 マスターズ・トーナメント −12 (69-67-73-67=276) 5打差   グレグ・ノーマン

その他優勝 (8) 編集

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集