ニュートピア』 (Neutopia) は、1989年11月17日に日本のハドソンから発売されたPCエンジン用のアクションロールプレイングゲーム

ニュートピア
ジャンル アクションRPG
対応機種 PCエンジン (PCE)
開発元 ハドソン
発売元 ハドソン
ディレクター 和泉勇
デザイナー 安田圭吾
島田周樹
高津敏之
プログラマー 金田孝司
音楽 前野知常
美術 関口暁信
シリーズ ニュートピアシリーズ
人数 1人
メディア 3メガビットHuCARD[1]
発売日 日本 198911171989年11月17日
アメリカ合衆国 1990年
対象年齢 日本 CEROA(全年齢対象)
アメリカ合衆国 ESRBE(6歳以上)
ヨーロッパ PEGI7
コンテンツ
アイコン
アメリカ合衆国 Mild Fantasy Violence
ヨーロッパ Violence
その他 型式:日本 HC89022
アメリカ合衆国 TGX030029
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主人公の勇者「フレイ」を操作し、悪魔「ラファエル」を倒して攫われたララン姫とメダリオンを奪還する事を目的としている。十字キーによる移動と、ワンボタンで繰り出される剣による攻撃が基本となっている。冒険を進めるごとに新たなアイテムを入手し、進める場所が増えていくのが特徴。

開発はハドソンが行い、ディレクターは『ドラえもん 迷宮大作戦』(1989年)にてプログラムを手掛けた和泉勇が担当、ゲーム・デザインは『カトちゃんケンちゃん』(1987年)を手掛けた安田圭吾と高津敏之、『うる星やつら STAY WITH YOU』(1990年)を手掛けた島田周樹が担当、音楽はファミリーコンピュータ用ソフト『サラダの国のトマト姫』(1988年)を手掛けた前野知常が担当している。

2007年Wii用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信された他、2010年にはPlayStation PortableおよびPlayStation 3用ソフトとしてPCエンジンアーカイブスにて配信、さらに2014年にはWii U用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信された。

ストーリー 編集

8つの「メダリオン」と聖なる姫「ララン」の力で守られた、平和な国「ニュートピア」。しかしある夜突然の雷鳴と共に現れた悪魔「ラファエル」が姫とメダリオンを奪い世界を闇に閉ざしてしまった。勇者「フレイ」はメダリオンを取り戻し、ララン姫を救い出すために立ち上がった。

登場人物 編集

フレイ
世界を救うために現れた勇者。攻撃、防御、すばやさのバランスがいい。
闇の皇帝ラファエル
最終ステージで登場するボスキャラクター。
ララン姫
闇の皇帝ラファエルにさらわれたヒロイン。メダリオンの力を正しく導く。

移植版 編集

本作は他のハドソン制作コンテンツ同様、現在はコナミデジタルエンタテインメント(KDE)が知的財産権(いわゆる版権)を保有している。このため、ユーザーが現在新規に購入出来るデータ商品およびPCエンジンmini版は、すべてKDEが販売元になっている。

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 ニュートピア   2007年5月1日[2][3]
  200708202007年8月20日
  200708242007年8月24日
Wii ハドソン ハドソン ダウンロード
バーチャルコンソール
- 2019年1月31日配信・販売終了
2 ニュートピア   2010年6月16日[4]
  201104192011年4月19日
PlayStation Portable
PlayStation 3
(PlayStation Network)
ハドソン ハドソン
※ 現在はKDEより配信
ダウンロード
PCエンジンアーカイブス
-
3 ニュートピア   2014年4月16日[5]
  201703022017年3月2日
Wii U ハドソン KDE ダウンロード
(バーチャルコンソール)
-
4 ニュートピア   201405142014年5月14日
Smart TV Box ハドソン KDE クラウドゲーム
(GameNow)
-
5 ニュートピア   201405292014年5月29日
G-cluster ハドソン KDE クラウドゲーム
(Gクラスタ)
-
6 ニュートピア   201406272014年6月27日
ひかりTV STB ハドソン KDE クラウドゲーム
(ひかりTVゲーム)
-
7 ニュートピア
Neutopia
  202003192020年3月19日
  202003192020年3月19日
  202003192020年3月19日
  PCエンジン mini
  TurboGrafx-16 mini
  PC Engine CoreGrafx mini
M2
※ 移植開発担当
KDE プリインストール - 日本版(PCエンジン版)と北米版(TurboGrafx-16版)を同時収録

開発 編集

本作のゲームシステムやゲームデザインは、任天堂から発売されたファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフト『ゼルダの伝説』(1986年)に対する強いオマージュとなっている。発売時にゲーム誌などでの紹介では「類似している」とも評された。本作に関わっていないが当時ハドソンに在籍していた岩崎啓眞によれば、本作は開発の中心人物が「二人ともゼルダを崇拝していて『ゼルダのようなゲームをPCエンジンで作りたい』から始まった企画だった」と述べている[6]

スタッフ 編集

  • ディレクター:和泉勇
  • チーフ・プログラマー:金田孝司
  • アシスタント・プログラマー:飛澤正人、こんどうとしろう
  • チーフ・デザイナー:関口暁信
  • グラフィック・デザイナー:東明彦、及川泰恵
  • 音楽:前野知常
  • サウンド・エフェクト:滝本利昭
  • ゲーム・デザイナー #1:安田圭吾
  • ゲーム・デザイナー #2:島田周樹
  • ゲーム・デザイナー #3:高津敏之
  • シナリオ・アドバイザー:荒井弘二、川田忠之
  • サンクス:浦敏治、小山俊典
  • スペシャル・サンクス:遠藤英俊

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー28/40点 (PCE)[7]
Eurogamer6/10点 (Wii)[9]
ファミ通27/40点 (PCE)[8]
ゲーム・インフォーマー8.5/10点 (PCE)[10]
GameSpot7.0/10点 (Wii)[11]
IGN7.5/10点 (Wii)[12]
NintendoLife8.0/10点 (Wii)[13]
月刊PCエンジン84/100点 (PCE)
マル勝PCエンジン29/40点 (PCE)
PC Engine FAN22.33/30点 (PCE)[1]
(総合140位)
Power Play81% (PCE)[14]
Defunct Games70% (PCE)[15]
Aktueller Software Markt7/12点 (PCE)[7]
The Games Machine43% (PCE)[7]
PCエンジン完全ガイド肯定的 (PCE)[16]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では7・7・8・5の合計27点(満40点)[8]、『月刊PCエンジン』では85・90・75・85・85の平均84点(満100点)、『マル勝PCエンジン』では7・7・8・7の合計29点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.33点(満30点)となっている[1]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で140位(485本中、1993年時点)となっている[1]。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、本作が4つの世界を冒険する壮大なストーリーである事を指摘した上で、経験値が存在しない事が本作の特徴であるとし、「単調な経験値稼ぎの繰り返しにうんざり、ということもなくなった」と肯定的に評価した[1]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 4.13 3.84 3.85 3.94 3.72 2.85 22.33
  • ゲーム本『懐かしゲーム機大百科 PCエンジン完全ガイド 1987-1999』では、『ゼルダの伝説』に類似したゲームシステムである事を指摘した上で、同作と比較して破壊できる壁が明確にされている点や所持できるコインの数が多い事などから「初心者でも楽しめるように難易度調整していて遊びやすい」と肯定的に評価した[16]

続編 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、47頁。 
  2. ^ Wii「バーチャルコンソール」の5月配信タイトルが明らかに” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2007年4月27日). 2020年1月26日閲覧。
  3. ^ バーチャルコンソール配信ソフト3タイトル追加!(5/1)” (日本語). iNSIDE. イード (2007年5月1日). 2020年1月26日閲覧。
  4. ^ 木原卓 (2010年6月22日). “週刊ダウンロードソフトウェアカタログ 2010年6月第4週分” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2020年1月26日閲覧。
  5. ^ 津久井箇人 a.k.a. そそそ (2014年4月9日). “Wii Uバーチャルコンソール4月16日配信タイトル ― 『ミスティッククエスト』『悪魔城伝説』『グラディウス(PCE版)』『ニュートピア』の4本” (日本語). iNSIDE. イード. 2020年1月26日閲覧。
  6. ^ 岩崎啓眞 (2010年5月9日). “1989年 - ハドソンで作られていたゲームについて::Colorful Pieces of Game” (日本語). 2016年1月31日閲覧。
  7. ^ a b c Neutopia for TurboGrafx-16 (1989)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月22日閲覧。
  8. ^ a b ニュートピア まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年5月16日閲覧。
  9. ^ Neutopia for Wii (2007)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月22日閲覧。
  10. ^ Neutopia”. Game Informer (109): 85. (May 2002). 
  11. ^ Shau, Austin (2007年11月9日). “Neutopia Review for Wii”. GameSpot. 2008年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月4日閲覧。
  12. ^ Thomas, Lucas M. (2007年9月7日). “Neutopia Review – The Legend of Zelda: TurboGrafx Edition”. IGN. 2011年1月4日閲覧。
  13. ^ van Duyn, Marcel (2007年8月19日). “Neutopia (Virtual Console /TG-16) Review”. Nintendo Life. 2011年1月4日閲覧。
  14. ^ Gaksch, Martin (February 1990). “Neutopia” (German). Power Play 1990 (2): 68. 
  15. ^ Romano, Adam (2008年3月8日). “Antiquated Reviews – Neutopia”. Defunct Games. 2010年1月4日閲覧。
  16. ^ a b 「PCエンジンソフト完全カタログ 1989年」『懐かしゲーム機大百科 PCエンジン完全ガイド 1987-1999』スタンダーズ、2018年6月15日、52頁。ISBN 9784866362670 

外部リンク 編集