ノヂシャ(野萵苣、学名: Valerianella locusta)は、スイカズラ科[3]ノヂシャ属1年草2年草。おもにサラダ用として生食する。

ノヂシャ
Valerianella locusta
Valerianella locusta
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : 真正キク類II euasterids II
: マツムシソウ目 Dipsacales
: スイカズラ科 Caprifoliaceae
: ノヂシャ属 Valerianella
: ノヂシャ V. locusta
学名
Valerianella locusta (L.) Laterr. (1821)[1]
シノニム
英名
Lamb's lettuce, Corn salad

チシャキク科)とは近縁ではない。

形態・生態 編集

高さは50センチメートルほどになる。茎が何度も二股に分れて細く伸びるのが特徴。分岐のすぐ下に長さ1から5センチの葉が対生する。青紫色の花をつける[4]

分布 編集

ヨーロッパ原産で、日本と北アメリカでは帰化植物。日本では1886年(明治19年)に東京で初めて報告された[4]。北アメリカでは北はカナダ南部から南はアメリカ合衆国テネシー州ノースカロライナ州までで、かつミシシッピ川より東に分布する[4]

人間との関わり 編集

欧米では若葉を食用としている。英語で、子羊が好むことからラムズレタス (lamb's lettuce[5])、また小麦畑に野生でよく生えることからコーンサラダ (corn salad) ともよばれる(コーン corn は小麦・大麦など穀物の意味がある)[6]フランス語では一般的にマーシュ (mâche) として知られるが[6]ローヌ=アルプ地域圏スイスフランス語圏スイス・ロマンド)ではランポン(rampon)とも呼ばれる。は秋から冬にかけてで、季節の味覚としてサラダ肉料理の付け合わせに供される。クセがなくて食べやすく、生のままサラダやサンドイッチに入れたりするほか、スープ炒め物に使われる[6]。栄養素として、β-カロテンビタミンCなどが含まれる[6]

ノヂシャ属 編集

ノヂシャ属(ノヂシャぞく、学名: Valerianella)は、スイカズラ科の一つ。

脚注 編集

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Valerianella locusta (L.) Laterr. ノヂシャ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年5月8日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Valerianella olitoria (L.) Pollich ノヂシャ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年5月8日閲覧。
  3. ^ 大場秀章編著『植物分類表』アボック社、2009年、227頁。ISBN 978-4-900358-61-4 
  4. ^ a b c 清水建美「ノヂシャ」(『週刊朝日百科植物の世界』9、朝日新聞社、1994年)1-275頁。
  5. ^ バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント編 編、山本紀夫監 訳『世界の食用植物文化図鑑 : 起源・歴史・分布・栽培・料理』柊風舎、2010年、189頁。ISBN 978-4-903530-35-2 
  6. ^ a b c d 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 60.

参考文献 編集

  • 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、60頁。ISBN 978-4-415-30997-2 
  • 清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七編著『日本帰化植物写真図鑑 : Plant invader 600種』全国農村教育協会、2001年、309頁。ISBN 4-88137-085-5 
  • 清水建美「ノヂシャ」、『週刊朝日百科植物の世界』9(マツムシソウ オミナエシ)、朝日新聞社、1994年6月12日。
  • 平野隆久写真『野に咲く花 : 写真検索』林弥栄監修、門田裕一改訂版監修(増補改訂新版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2013年、504頁。ISBN 978-4-635-07019-5 

関連項目 編集

外部リンク 編集