ノート:国際金融のトリレンマ

最新のコメント:9 年前 | トピック:概説の「独立した金融政策による物価の安定」について | 投稿者:ShuBraque

概説の「独立した金融政策による物価の安定」について 編集

概説には

為替相場の固定(固定相場制)
独立した金融政策による物価の安定
自由な資本移動

とありますが、独立した金融政策は必ずしも物価安定が目的とは限らないのではないでしょうか?たとえば短期の利子率を景気引き締めの目的で高く設定することも金融政策ですが、これは物価安定が目的ではありません(つまり、中心国とは違う金利=その国独自の金利=独立した金融政策)。「独立した金融政策による物価の安定」は修正したほうが良いと思うのですが、どうでしょうか?--ShuBraque会話2014年7月25日 (金) 05:34 (UTC)返信

  • 岩田健治(2012)「現代国際金融論 第4版」上川孝夫・藤田誠一編,有斐閣ブックス, pp.269に準じたものに変更しておきますので、もし何か反論があれば教えてください。--ShuBraque会話2014年7月25日 (金) 05:53 (UTC)返信
  コメント特に反論というわけではないですが、独自研究ではないので新書ですが出典は、示しておきます。
国際通貨制度の変遷は、基本的にはつぎの三つの要素をどうやって結びつけるかの歴史です。一つ目の要素は「資本移動の自由」です。(中略)二つ目は「固定相場」です。(中略)三番目が「物価の決定」です。これは「独立した金融政策」といい換えることができます。(中略)「中央銀行が貨幣の量を変えること」が金融政策で、この三つ目の要素は、中央銀行の金融政策により物価を決めることができる、という意味です。 — 若田部昌澄 『もうダマされないための経済学講義』 光文社〈光文社新書〉、2012年、135-136頁。
まずは定義を書いてみようか。「資本の国際的に自由な移動、自国の物価の安定(金融政策の自律性)、自国の為替の安定(固定相場)、この三つを同時に成立させることはできない」 — 若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、188頁。
さらに独立した金融政策とは、為替レートの安定化や国際資本移動の自由化の影響を受けずに、安定的な物価上昇率を達成するように金融政策を運営することを指します。(中略)つまり国際金融のトリレンマとは、為替レートの安定化、国際資本移動の自由化、独立した金融政策という3つの政策目的を同時に達成することは不可能であるということになります。 — 片岡剛士 『円のゆくえを問いなおす: 実証的・歴史的にみた日本経済』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、86頁。
①は、為替レートの安定化と国際資本移動の自由化の2つを達成するというものです。この場合、金融政策はこの2つの達成が優先されるために制約を受ける、つまり為替レートの安定化や国際資本移動の自由化を優先することで、安定的な物価上昇率の維持を通じた、国内経済の安定化の達成という目標を諦める場合がありえるというのが含意です。 — 片岡剛士 『アベノミクスのゆくえ 現在・過去・未来の視点から考える』 光文社〈光文社新書〉、2013年、81-82頁。

--チンドレ・マンドレ会話2014年7月25日 (金) 13:45 (UTC)返信

  コメントなるほど、若田部さんは非常に有名な方ですね。物価安定は主要な目的ではありますが、必ずしも物価安定だけが目的ではないと思うのでやはり修正したほうが良いと思います。チンドレ・マンドレさん、貴重な資料をご提示いただき、ありがとうございます。--ShuBraque会話2014年7月25日 (金) 18:48 (UTC)返信
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