ハニーボーイ
『ハニーボーイ』（Honey Boy）は2019年のアメリカ合衆国のドラマ映画。アルマ・ハレルの長編映画監督デビュー作で、出演はルーカス・ヘッジズとシャイア・ラブーフなど。 子役出身の俳優であるラブーフが自ら脚本を執筆し、自身の少年時代やマネジャー的役割の厳しい父親との関係を描いた自伝的作品だが、描かれる各事件は背景となる1995年と2005年のラブーフのキャリアとずれがあり、現実を下敷きにしただけと解釈すべきである[4]。なお、原題の「Honey Boy」はラブーフの子供時代のニックネームである[5]。
| ハニーボーイ | |
|---|---|
| Honey Boy | |
| 監督 | アルマ・ハレル |
| 脚本 | シャイア・ラブーフ |
| 製作 |
アルマ・ハレル アニタ・ゴウ ブライアン・カヴァナー＝ジョーンズ クリス・レゲット ダニエラ・タップリン・ランドバーグ |
| 製作総指揮 |
フレッド・バーガー ダニエル・クラウン ヨニ・リーブリング |
| 出演者 |
ルーカス・ヘッジズ ノア・ジュープ シャイア・ラブーフ FKAツイッグス |
| 音楽 | アレックス・ソマーズ |
| 撮影 | ナターシャ・ブライエ |
| 編集 |
ドミニク・ラペリエール モニカ・サラザール |
| 製作会社 |
オートマティック ステイ・ゴールド・フィーチャーズ デリリオ・フィルムズ |
| 配給 |
 アマゾン・スタジオズ ギャガ |
| 公開 |
2019年11月8日 2020年8月7日 |
| 上映時間 | 95分[1] |
| 製作国 |
アメリカ合衆国 |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $3,500,000[2] |
| 興行収入 |
 $3,415,542[3] |
ストーリー 編集
20代の俳優、オーティス・ロートは交通事故を起こした。事故で負った怪我の治療中、オーティスはカウンセラーから「PTSDの症状が見られるのですが、何か思い当たることはありますか」と尋ねられた。その瞬間、オーティスは12歳の頃の自分が体験したことを思い出すのだった。子役として一家の生計を支えていたオーティスは、それ故に父親のジェームズから暴力を振るわれていたのである。ジェームズは誰よりも息子を愛していたが(少なくとも本人の自覚では)、息子に頼らざるを得ない自分に不甲斐なさを感じており、その憤懣をオーティスにぶつけていたのである。
キャスト 編集
- オーティス・ロート: ルーカス・ヘッジズ
- 子供時代: ノア・ジュープ
- ジェームズ・ロート: シャイア・ラブーフ - オーティスの父親。
- シャイガール: FKAツイッグス
- サンドラ: マイカ・モンロー
- 母親: ナターシャ・リオン
- アレック: マーティン・スター
- パーシー: バイロン・バワーズ
- モレノ博士: ローラ・サン・ジャコモ
- トム: クリフトン・コリンズ・Jr
製作 編集
シャイア・ラブーフが本作の脚本を執筆したのは、アルコール依存症のリハビリテーション・プログラムの一環であった。そのため、当初、ラブーフには脚本を映画化する意欲はあまりなかった。ところが、完成した脚本を友人のアルマ・ハレルに見せたところ、その出来映えに感動したハレルから「是非私の手で映画化したい」と言われたのだという[6]。また、ラブーフは父親と6～7年もの間絶縁状態にあったが、本作の製作をきっかけに、父親と会って話をしたのだという[6]。
2018年3月16日、ラブーフとルーカス・ヘッジズが本作に出演するとの報道があった[7]。4月17日、ノア・ジュープの出演が決まったと報じられた[8]。5月、クリフトン・コリンズ・Jrとマイカ・モンローが起用された[9][10]。本作の主要撮影は同月中にロサンゼルスで始まった[11]。6月、FKAツイッグスがキャスト入りした[12]。12月12日、アレックス・ソマーズが本作で使用される楽曲を手掛けるとの報道があった[13]。
公開・マーケティング 編集
2019年1月25日、本作はサンダンス映画祭でプレミア上映された[14]。2月2日、アマゾン・スタジオズが本作の全米配給権を購入したと報じられた[15]。8月8日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[16]。9月6日、本作は第44回トロント国際映画祭で上映された[17]。
評価 編集
本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには238件のレビューがあり、批評家支持率は95%、平均点は10点満点で7.7点、批評家の一致した見解は「シャイア・ラブーフは『ハニーボーイ』という映画を作り上げる中で、過去に負った傷を癒やしていった。彼のユニークな視点はあらゆる出自の観客の心に響くはずである。」となっている[18]。また、Metacriticには41件のレビューがあり、加重平均値は73/100となっている[19]。
出典 編集
- ^ “ハニーボーイ”. 映画.com. 2020年5月21日閲覧。
- ^ O'Falt, Chris (2019年11月1日). “Shia LaBeouf’s Process Was Unpredictable, So the ‘Honey Boy’ Crew Learned to Improvise” (英語). Indiewire 2020年5月21日閲覧。
- ^ “Honey Boy” (英語). The Numbers. 2022年8月20日閲覧。
- ^ “ハニーボーイ”. WOWOW. 2022年8月20日閲覧。
- ^ Shepherd, Jack (2018年6月2日). “Shia LaBeouf looks unrecognisable playing his own father for new role” (英語). The Independent 2019年9月12日閲覧。
- ^ a b Galuppo, Mia (2019年1月26日). “Shia LaBeouf on Writing Biopic 'Honey Boy': "I Was Falling Apart"” (英語). The Hollywood Reporter 2019年9月12日閲覧。
- ^ Busch, Anita (2018年3月16日). “Shia LaBeouf, Lucas Hedges To Star In ‘Honey Boy’” (英語). Deadline.com 2019年9月12日閲覧。
- ^ Kit, Borys (2018年4月17日). “'A Quiet Place' Actor Noah Jupe to Play Young Shia LaBeouf in 'Honey Boy'” (英語). The Hollywood Reporter 2019年9月12日閲覧。
- ^ N'Duka, Amanda (2018年5月10日). “‘Westworld’s Clifton Collins Jr. Joins Lucas Hedges & Shia LaBeouf In ‘Honey Boy’” (英語). Deadline.com 2019年9月12日閲覧。
- ^ Kit, Borys (2018年5月24日). “Maika Monroe Joins Shia LaBeouf's 'Honey Boy'” (英語). The Hollywood Reporter 2019年9月12日閲覧。
- ^ McNary, Dave (2018年5月24日). “Maika Monroe Joins Shia LaBeouf’s Drama ‘Honey Boy’” (英語). Variety 2019年9月12日閲覧。
- ^ Nazim, Hafeezah (2018年6月14日). “FKA Twigs Is Reportedly Starring In Shia LaBeouf’s New Film” (英語). Nylon 2019年9月12日閲覧。
- ^ “Alex Somers Scoring Alma Har’el’s ‘Honey Boy’” (英語). Film Music Reporter. (2018年12月12日) 2019年9月12日閲覧。
- ^ Debruge, Peter (2018年11月28日). “Sundance Film Festival Unveils 2019 Features Lineup” (英語). Variety 2019年9月12日閲覧。
- ^ Siegel, Tatiana (2019年2月2日). “Sundance: Shia LaBeouf's 'Honey Boy' Lands at Amazon (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter 2019年9月12日閲覧。
- ^ “Honey Boy - Official Trailer” (英語). YouTube. Amazon Studios (2019年8月8日). 2019年9月12日閲覧。
- ^ Lee, Benjamin (2019年9月6日). “Honey Boy review – Shia LaBeouf turns therapy into big-screen drama” (英語). The Guardian 2019年9月12日閲覧。
- ^ "Honey Boy". Rotten Tomatoes (英語). 2022年8月20日閲覧。
- ^ "Honey Boy" (英語). Metacritic. 2022年8月20日閲覧。