ハル・ウィルナーHal Willner1956年4月5日 - 2020年4月7日)は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身の音楽プロデューサーである[1]

ハル・ウィルナー
Hal Willner
ハル・ウィルナー
基本情報
生誕 (1956-04-05) 1956年4月5日
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ペンシルベニア州フィラデルフィア
死没 (2020-04-07) 2020年4月7日(64歳没)
活動期間 1981年 - 2020年

人物概要 編集

一般には、ジャンルを超えた顔ぶれのミュージシャンを集めたトリビュート・アルバムの製作で知られるが、テレビ番組や映画の音楽監修、トリビュート・ライブの企画など活動は多岐にわたる。

1981年、ビル・フリゼールカーラ・ブレイらが参加したニーノ・ロータのトリビュート・アルバム『アマルコルド - ニーノ・ロータ・メモリアル・アルバム』をプロデュース。豪華な参加ミュージシャンと、ジャズクラシックポップスまで多様なスタイルによる演奏で、高い評価を受ける。

その後セロニアス・モンククルト・ヴァイルハロルド・アーレン、ヴィンテージ・アニメの音楽など、様々なアーティストを取り上げたトリビュート・アルバムを多数製作している。

トリビュート・アルバムに参加したミュージシャンのプロデュースを手がけることも多く、マリアンヌ・フェイスフルルー・リードビル・フリゼールローリー・アンダーソンなど個性的なアーティストが多い。

また、ウィリアム・バロウズアレン・ギンズバーグなどのビート作家や、ミュージシャンの朗読によるエドガー・アラン・ポーのトリビュートなど、スポークン・ワーズ・アルバムも手がけている。

2020年3月28日、自身のTwitterにて、「私はいつもナンバーワンになりたかったが、これは望んでいなかった」と、2019新型コロナウイルス(COVID-19)に感染し入院したことを仄めかしていた。そのまま回復することなく、同年4月7日に合併症により死去[2][3]。64歳没。

作品 編集

トリビュート・アルバム

主な参加アーティストにドクター・ジョンジョン・ゾーンビル・フリゼールカーラ・ブレイスティングエルヴィス・コステロフィル・ウッズスザンヌ・ヴェガチャーリー・ヘイデンサン・ラリンゴ・スターニック・ケイヴトッド・ラングレン等がおり、大物からアンダーグラウンドまで幅広い。

クルト・ヴァイルのトリビュートではヴァイル自身のピアノ演奏や、「三文オペラ」の原作者ベルトルト・ブレヒトの歌唱などの歴史的録音を挿入したり、チャールズ・ミンガスのトリビュートではアメリカの創作楽器演奏家ハリー・パーチの楽器を使用するといった、様々な趣向が凝らされている。

  • 『アマルコルド - ニーノ・ロータ・メモリアル・アルバム』 - Amarcord Nino Rota: Interpretations of Nino Rota's Music From the Films of Federico Fellini (1981年)
  • 『セロニアス・モンクに捧ぐ』 - That's The Way I Feel Now: A Tribute to Thelonious Monk (1984年)
  • 『星空に迷い込んだ男 - クルト・ワイルの世界』 - Lost in the Stars: The Music of Kurt Weill (1985年)
  • 『眠らないで - 不朽のディズニー名作映画音楽』 - Stay Awake: Interpretations of Vintage Disney Films (1988年)
  • 『メディテイションズ・オン・ミンガス - ナイトメア』 - Weird Nightmare: Meditations on Mingus (1992年)
  • Bird Up! The Charlie Parker Remix Project (1993年)
  • September Songs: The Music of Kurt Weill (1995年)
  • Closed On Account Of Rabies: Poems And Tales Of Edgar Allan Poe (1997年)
  • 『ストーミー・ウェザー - ハロルド・アーレン作品集』 - Stormy Weather: The Music of Harold Arlen (2005年)
  • Rogue's Gallery: Pirate Ballads, Sea Songs, and Chanteys (2006年)
  • The Harry Smith Project: Anthology of American Folk Music Revisited (2006年)
  • Son of Rogues Gallery: Pirate Ballads, Sea Songs & Chanteys (2013年)

なお初期のレコードはほぼ廃盤となっており、入手困難な状況になっている。

プロデュース作品

その他 編集

関連項目 編集

脚注 編集

外部リンク 編集