バットガール(原題)』(原題:Batgirl)は、DCコミックスの「バットガール」に基づくアメリカ合衆国スーパーヒーロー映画DCエクステンデッド・ユニバースの一作品。バットマンの協力者として知られるゴッサム市警ジェームズ・ゴードンの娘であるバーバラ・ゴードンがバットガールとなって活躍する姿を描く。

バットガール(原題)
Batgirl
監督 アディル・エル・アルビ
ビラル・ファラー
英語版
脚本 クリスティーナ・ホドソン英語版
製作 クリスティン・バー英語版
出演者 レスリー・グレイス英語版
J・K・シモンズ
ブレンダン・フレイザー
マイケル・キートン
アイボリー・アキーノ英語版
音楽 ナタリー・ホルト英語版
撮影 ジョン・マシソン
製作会社 ワーナー・ブラザース
DCフィルムズ
配給 アメリカ合衆国の旗 HBO Max[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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監督は『バットボーイズ フォー・ライフ』『ミズ・マーベル』のアディル・エル・アルビとビラル・ファラー、脚本は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』『バンブルビー』のクリスティーナ・ホドソン、主人公 バーバラ・ゴードン役は『イン・ザ・ハイツ』のレスリー・グレイスが務める。また、映画『ジャスティス・リーグ』でジェームズ・ゴードンを演じたJ・K・シモンズが同役を[2]、映画『バットマン』及び『バットマン リターンズ』でブルース・ウェインを演じたマイケル・キートンが同役を再演する[3][4]

2022年HBO Maxで配信予定だったが、お蔵入りとなった[5][6][7][8][9]

あらすじ

キャスト

バーバラ・ゴードン / バットガール
演 - レスリー・グレイス英語版[10][11]
ジェームズ・ゴードン
演 - J・K・シモンズ
ファイアーフライ
演 - ブレンダン・フレイザー[12][4]
ブルース・ウェイン / バットマン
演 - マイケル・キートン
アリシア・ヨー
演 - アイボリー・アキーノ英語版
アンソニー・ブレッシ
演 - ジェイコブ・スキピオ英語版

公開

ワーナー・ブラザース傘下の定額制動画配信サービスであるHBO Max向けの映画として、2022年配信を目処に製作されていた。

2022年4月には、ワーナーメディアディスカバリーと統合しワーナー・ブラザース・ディスカバリーとなったことを機に、本作が劇場向けに作り変えられるかもしれないという情報がPuck NewsDen of geekより報じられた[13][14]

お蔵入り

本作はマーベル・シネマティック・ユニバースを統括するケヴィン・ファイギも期待を寄せる一作であったが[15]、2022年8月、コスト削減と劇場公開作品へのリソース集中を狙うワーナー・ブラザース・ディスカバリーの新たな企業戦略によって、完成間近でお蔵入りとなった[5][6][7][8][9]ハリウッド・リポーターによれば、本作は試写で『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』や『シャザム!〜神々の怒り〜』並の点数を得るなど好感触であったが、8000万~9000万ドルという『THE BATMAN-ザ・バットマン-』より約1億ドルも少ない予算で作られたが故に劇場公開に見合うスペクタル性を有しているとは見なされず、一方で配信作品にしては費用がかさみすぎていたという[16]

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの最高経営責任者(CEO)のデヴィッド・ザスラフは、2022年8月4日に行われた第2四半期決算説明会の質疑応答の中で、「我々はリセットを行いました。事業を再構築したのです」「我々が取り組むのは『品質重視』。仕上がっていない映画は絶対に公開しません。これからは全ての映画において、どうすればより良いものが作れるかということに集中します」と述べ、撮影が完了していたにもかかわらず、本作品を損切りする形で異例の公開中止に踏み切ったことを事実上認めた[9][17]

このお蔵入りの決定には、経営陣の人種差別が背景にあるのではないかという指摘もある[18]。本作ではDCエクステンデッド・ユニバース初のオープンリーなトランスジェンダーのキャラクターが登場する予定でもあった[19]。この件に関して、監督のアディル・エル・アルビとビラル・ファラーは「ニュースに悲しみ、ショックを覚えています。いまだに信じられません」とコメントを発表し、主演のレスリー・グレースも「最近のニュースを受けて混乱しています。スコットランドで7ヵ月以上、素晴らしいキャストと精力的なスタッフのみんながこの映画に込めた愛、ハードワーク、そして意志を誇りに思います」とコメントをだしている[20]

脚注

  1. ^ Kit, Borys (2021年5月19日). “'Bad Boys for Life' Filmmakers to Direct 'Batgirl' Movie for Warner Bros. (Exclusive)”. The Hollywood Reporter. 2021年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月19日閲覧。
  2. ^ Kit, Borys (2021年7月29日). “'Batgirl' Movie: J. K. Simmons in Talks to Return to Batman Universe as Commissioner Gordon (Exclusive)”. The Hollywood Reporter. 2021年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月29日閲覧。
  3. ^ Kit, Borys (2021年12月22日). “Michael Keaton Joining 'Batgirl'”. The Hollywood Reporter. 2021年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月30日閲覧。
  4. ^ a b “マイケル・キートン、映画『バットガール』で再びバットマンに!”. クランクイン!. (2021年12月31日). https://www.crank-in.net/news/98227/1 2022年1月1日閲覧。 
  5. ^ a b Couch, Aaron (2022年8月2日). “‘Batgirl’ and ‘Scoob!: Holiday Haunt’ Scrapped at Warner Bros. Amid Cost-Savings Push” (英語). The Hollywood Reporter. 2022年8月5日閲覧。
  6. ^ a b Vary, Adam B. (2022年8月2日). “‘Batgirl’ Film Axed by Warner Bros., Won’t Be Released on Any Platform” (英語). Variety. 2022年8月5日閲覧。
  7. ^ a b D'Alessandro, Anthony (2022年8月4日). “‘Batgirl’ Leslie Grace Responds To Warner Bros Discovery Scrapping DC Pic: “I Feel Blessed To Have Worked Among Absolute Greats”” (英語). Deadline. 2022年8月5日閲覧。
  8. ^ a b 【解説】製作費120億円のDC映画『バットガール』お蔵入り、撮影済みにも関わらず”. THE RIVER (2022年8月3日). 2022年8月5日閲覧。
  9. ^ a b c DC映画『バットガール』お蔵入り”. シネマトゥデイ (2022年8月3日). 2022年8月3日閲覧。
  10. ^ Couch, Aaron (2021年7月21日). “'Batgirl' Casts 'In The Heights' Star Leslie Grace as Superhero”. The Hollywood Reporter. 2021年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月21日閲覧。
  11. ^ “DC映画「バットガール」主演に「イン・ザ・ハイツ」のレスリー・グレイス”. 映画.com. (2021年8月2日). https://eiga.com/news/20210802/23/ 2022年1月1日閲覧。 
  12. ^ Rubin, Rebecca (2021年10月25日). “Brendan Fraser to Play Villain in 'Batgirl' Movie”. Variety. 2021年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月25日閲覧。
  13. ^ Have Movie Theaters Gotten Their Mojo Back?” (英語). Puck (2022年4月25日). 2022年8月5日閲覧。
  14. ^ Crow, David (2022年4月26日). “Batgirl Theatrical Release Rumors and the Problem with Streaming” (英語). Den of Geek. 2022年8月5日閲覧。
  15. ^ Davids, Brian (2022年6月13日). “‘Ms. Marvel’ Directors Adil and Bilall Discuss Kevin Feige’s ‘Batgirl’ Fandom and Michael Keaton’s Batsuit Mobility” (英語). The Hollywood Reporter. 2022年8月5日閲覧。
  16. ^ Couch, Aaron (2022年8月3日). “Behind the Cancellation of ‘Batgirl’” (英語). The Hollywood Reporter. 2022年8月5日閲覧。
  17. ^ 【解説】DC10年計画、発表 ─ 「これからは品質重視」米ワーナーCEO、『バットガール』異例中止の理由は”. THE RIVER (2022年8月5日). 2022年8月5日閲覧。
  18. ^ 解説:『バットガール』のお蔵入りと差別問題 ワーナーとDCに批判が集まる経緯と背景”. VG+ (バゴプラ) (2022年8月15日). 2022年9月17日閲覧。
  19. ^ Trans Batgirl actor Ivory Acquino pays ‘heartfelt’ tribute to co-star after film’s cancellation”. PinkNews (2022年8月4日). 2022年9月17日閲覧。
  20. ^ 120億円『バットガール』お蔵入りに監督と主演が反応、「作品を観客に見せることは非常に重要」【全訳】”. フロントロウ (2022年8月4日). 2022年9月17日閲覧。

外部リンク