バレークイーン (Ballet Queen) [1]は、アイルランド生まれの繁殖牝馬

バレークイーン
欧字表記 Ballet Queen[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1988年4月16日[1]
死没 2010年6月2日(22歳没)
Sadler's Wells[1]
Sun Princess[1]
母の父 イングリッシュプリンス[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド[1]
生産者 Ballymacoll Stud Farm Ltd[1]
競走成績
生涯成績 不出走[1]
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経歴 編集

オークスヨークシャーオークスセントレジャーを制した名牝サンプリンセスを母に持つ良血馬だが、競走に出走することなく繁殖牝馬となり、カーリアンの仔を受胎した状態で1992年日本社台ファーム早来に輸入された。翌1993年に出産した産駒が1996年東京優駿(日本ダービー)を優勝したフサイチコンコルドである。その後もトニービンサンデーサイレンスなどの日本の一流種牡馬と交配され続け、皐月賞馬のアンライバルド、重賞馬のボーンキング、種牡馬のミラクルアドマイヤなどを送り出した。フサイチコンコルドとアンライバルドのGI馬両頭は、一族の象徴的存在と見なされている[2]。また、牝系の観点から見ても、産駒のグレースアドマイヤ皐月賞馬のヴィクトリーや重賞馬のリンカーンを輩出したのをはじめ、複数の重賞優勝馬を送り出している[2]

田原成貴はバレークイーンの産駒について、見た目が素晴らしい反面精神面に問題を抱えている馬が多く、そのために競走能力を発揮できないままに終わった馬もいたとしている。田原は自ら管理したフサイチミニヨンについて、調教では優駿牝馬を勝てると思うほどの動きを見せながら、他の馬を極端に怖がる性格が災いし2戦していずれも最下位というキャリアで引退を余儀なくされたと述べている[3]。フサイチミニヨンは繁殖牝馬として、重賞馬のアンブロワーズを輩出している。

またアンライバルドの管理調教師である友道康夫が語ったところによると、バレークイーンは元々蹄が弱くあまり歩かない傾向があったことから、母馬にくっついて歩く仔馬の馬体重が重くなりがちであったため、ノーザンファームではわざわざアメリカから装蹄師を呼び削蹄を行わせたところ、バレークイーンが普通に歩くようになったという。その直後に生まれたアンライバルドが皐月賞を制覇したことから、友道は「(それまでの産駒は)運動不足だったのでしょう」と分析している[4]

2010年6月2日付で死亡を理由に繁殖牝馬としての供用が停止されている。

繁殖成績 編集

馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績 供用 出典
初仔 フサイチコンコルド 1993年 鹿毛 Caerleon 栗東小林稔 関口房朗 5戦3勝
東京優駿菊花賞3着
種牡馬 [5]
2番仔 グレースアドマイヤ 1994年 鹿毛 トニービン 近藤英子 15戦5勝
サンスポ賞4歳牝馬特別3着
繁殖牝馬 [6]
3番仔 ミラクルアドマイヤ 1995年 鹿毛 栗東・作田誠二 近藤利一 3戦1勝 種牡馬 [7]
4番仔 フサイチミニヨン 1996年 鹿毛 サンデーサイレンス 栗東・田原成貴 関口房朗
吉田勝己
2戦0勝 繁殖牝馬 [8]
5番仔 ネオクラシック 1997年 鹿毛 美浦藤沢和雄 吉田勝己 14戦2勝 繁殖牝馬 [9]
6番仔 ボーンキング 1998年 鹿毛 栗東・松田国英 金子真人
→金子真人ホールディングス(株)
17戦2勝
京成杯
種牡馬 [10]
7番仔 ピタゴラス 1999年 鹿毛 金子真人 1戦0勝 [11]
8番仔 ボレロ 2000年 栗毛 (有)サンデーレーシング 1戦0勝 種牡馬 [12]
9番仔 メガトンカフェ 2002年 鹿毛 美浦・小島太 西川光一 10戦3勝 [13]
10番仔 フレンチバレリーナ 2003年 栗毛 フレンチデピュティ - (サンデーレーシング) 不出走 繁殖牝馬 [14]
11番仔 フレンチバルザック 2004年 鹿毛 美浦・藤沢和雄
大井月岡健二
(有)サンデーレーシング
→吉田俊介
中央不出走
地方1戦1勝
[15]
12番仔 アンダルーサ 2005年 鹿毛 アグネスタキオン 栗東・友道康夫 吉田勝己 不出走 [16]
13番仔 アンライバルド 2006年 鹿毛 ネオユニヴァース 栗東・友道康夫 (有)サンデーレーシング 10戦4勝
皐月賞スプリングステークス
種牡馬 [17]
14番仔 サンリヴァル 2007年 鹿毛 スペシャルウィーク 美浦・堀宣行 7戦1勝 [18]
15番仔 インステイト 2009年 栗毛 ダイワメジャー 栗東・友道康夫 16戦1勝 [19]
16番仔 トランプクイーン 2010年 鹿毛 ネオユニヴァース 美浦・尾関知人 5戦0勝 繁殖牝馬 [20]

主要なファミリーライン 編集

「f」は「filly(牝馬)」の略、「c」は「colt(牡馬)」の略。太字はGI級競走優勝馬。#は重賞競走優勝馬。

その他の近親 編集

本馬の祖母Sunny Valleyからも牝系が広がっており、その系図を以下に記載する。

牝系図の出典:牝系検索α

血統表 編集

バレークイーン (Ballet Queen)血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サドラーズウェルズ系
[§ 2]

Sadler's Wells
1981 鹿毛
父の父
Northern Dancer
1961 鹿毛
Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
父の母
Fairy Bridge
1975 鹿毛
Bold Reason Hail to Reason
Lalun
Special Forli
Thong

Sun Princess
1980 鹿毛
*イングリッシュプリンス
English Prince
1971 鹿毛
Petingo Petition
Alcazar
English Miss Bois Roussel
Virelle
母の母
Sunny Valley
1972 鹿毛
Val de Loir Vieux Manoir
Vali
Sunland Charlottesville
Sunny Gulf
母系(F-No.) (FN:1-l) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ [21]
  2. ^ [22]
  3. ^ [21][22]
  4. ^ [21][22]


脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l バレークイーン(IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  2. ^ a b 河合力「辛口スタッフもほめたコペルニクス。日本の競馬を転回させるか?」”. web Sportiva Love Sports. 集英社 (2016年10月17日). 2020年4月5日閲覧。
  3. ^ 『競馬最強の法則 2009年2月号』(KKベストセラーズ)、64頁。
  4. ^ 『競馬最強の法則』2009年6月号・p.31
  5. ^ フサイチコンコルド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  6. ^ グレースアドマイヤ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  7. ^ ミラクルアドマイヤ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  8. ^ フサイチミニヨン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  9. ^ ネオクラシック”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  10. ^ ボーンキング”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  11. ^ ピタゴラス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  12. ^ ボレロ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  13. ^ メガトンカフェ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  14. ^ フレンチバレリーナ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  15. ^ フレンチバルザック”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  16. ^ アンダルーサ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  17. ^ アンライバルド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  18. ^ サンリヴァル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  19. ^ インステイト”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  20. ^ トランプクイーン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月5日閲覧。
  21. ^ a b c 血統情報:5代血統表|バレークイーン(IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2017年5月26日閲覧。
  22. ^ a b c バレークイーンの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年4月5日閲覧。

外部リンク 編集