バートウ郡 (ジョージア州)

ジョージア州の郡

バートウ郡: Bartow County)は、アメリカ合衆国ジョージア州にあるである。人口は10万8901人(2020年)[1]郡庁所在地カーターズビルであり、同郡で人口最大の都市である。

ジョージア州バートウ郡
カーターズビル市にあるバートウ郡庁舎、1902年建設
バートウ郡の位置を示したジョージア州の地図
郡のジョージア州内の位置
ジョージア州の位置を示したアメリカ合衆国の地図
州のアメリカ合衆国内の位置
設立 1832年12月3日
郡庁所在地 カーターズビル
最大の都市 カーターズビル
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水

1,218 km2 (470.11 mi2)
1,190 km2 (459.43 mi2)
28 km2 (10.69 mi2), 2.27%
人口
 - (2020年)
 - 密度

108,901人
標準時 東部: UTC-5/-4
ウェブサイト www.bartowga.org

バートウ郡はアトランタ都市圏(正確にはアトランタ・サンディスプリングスマリエッタ大都市統計地域)に属している。郡政府は単一コミッショナー方式を採用しており、この方式を採用する郡としては最大である。

歴史 編集

バートウ郡は1832年12月3日に、チェロキー郡の中の元はチェロキー族インディアンの領土だった所に設立された。当初の郡名はルイス・カス将軍(1782年-1866年)に因んで「カス郡」と名付けられた。カスは、アンドリュー・ジャクソン大統領の政権で陸軍長官ジェームズ・ブキャナン大統領の政権で駐フランス大使と国務長官を務めた[2]。1681年12月6日、郡名はアメリカ連合国の政治指導者フランシス・S・バートウに因んで「バートウ郡」と改名された。当初の郡庁所在地はカスビルだったが、郡庁舎が焼け、ウィリアム・シャーマン軍が郡庁所在地を占領した後、カーターズビルに移され、現在に至っている。

バートウ郡は南北戦争の影響が大きく、経済的に数十年間停滞した。1864年5月18日と19日、北軍ジョージ・ヘンリー・トーマス将軍がカンバーランド軍を率いて、南軍ウィリアム・J・ハーディ将軍のテネシー軍軍団を追い、また北軍ジェイムズ・マクファーソン将軍がテネシー軍を率いて西にハーディ軍の側面を衝くべく動いた。この巨大な軍隊は破壊的であり、また食料を求めていた。部隊によっては統制が取れず、家屋を襲って乏しい物資を奪った[3]

戦中に資産が破壊され、郡出身兵士の3分の1が戦死したことで、多くの者にとって経済的にも社会的にも大惨事となった。

奴隷は自由を得て、共和党を通じて短期間だがその参政権を行使した。1870年、黒人家族12軒のうちの1軒が自分の土地を所有した。黒人の3分の1以上が白人の家産で生活し、家僕や労働者となった。解放奴隷の大多数が日雇い労働者が農園労働者であり、ごく少数が鍛冶屋、車輪修理工、鉄工屋など技能職に就いた[4]

1870年代後半まで誰もが困難な時代を過ごした。黒人はジム・クロウ法によって第2級の市民に落とされていった。

政治 編集

バートウ郡は1960年代以来共和党の強い地盤である。2008年アメリカ合衆国大統領選挙では、ジョン・マケインが郡投票総数の72.1%を得た。バラク・オバマは26.8%を得たに留まり、バートウ郡は州内で最も民主党が弱い郡となっている。

地理 編集

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は470.11平方マイル (1,217.6 km2)であり、このうち陸地459.43平方マイル (1,189.9 km2)、水域は10.69平方マイル (27.7 km2)で水域率は2.27%である[5]

主要高規格道路 編集

州間高速道路 編集

アメリカ国道 編集

ジョージア州道 編集

  •   ジョージア州道3号線
  •   ジョージア州道20号線
  •   ジョージア州道20号線支線
  •   ジョージア州道61号線
  •   ジョージア州道113号線
  •   ジョージア州道140号線
  •   ジョージア州道293号線
  •   ジョージア州道293号線接続路
  •   ジョージア州道401号線

隣接する郡 編集

人口動態 編集

人口推移
人口
18409,390
185013,30041.6%
186015,72418.2%
187016,5665.4%
188018,69012.8%
189020,61610.3%
190020,8231.0%
191025,38821.9%
192024,527−3.4%
193025,3643.4%
194025,283−0.3%
195027,3708.3%
196028,2673.3%
197032,66315.6%
198040,76024.8%
199055,91137.2%
200076,01936.0%
2010100,15731.8%
2020108,9018.7%
U.S. Decennial Census

以下は2000年の国勢調査による人口統計データである。

基礎データ

  • 人口: 76,019人
  • 世帯数: 27,176 世帯
  • 家族数: 21,034 家族
  • 人口密度: 64人/km2(166人/mi2
  • 住居数: 28,751軒
  • 住居密度: 24軒/km2(63軒/mi2

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 27.9%
  • 18-24歳: 8.3%
  • 25-44歳: 33.0%
  • 45-64歳: 21.4%
  • 65歳以上: 9.4%
  • 年齢の中央値: 34歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 97.7
    • 18歳以上: 94.9

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 38.2%
  • 結婚・同居している夫婦: 61.9%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 11.1%
  • 非家族世帯: 22.6%
  • 単身世帯: 18.7%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 6.7%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.76人
    • 家族: 3.14人

収入 編集

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 43,660米ドル
    • 家族: 49,198米ドル
    • 性別
      • 男性: 35,136米ドル
      • 女性: 24,906米ドル
  • 人口1人あたり収入: 18,989米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 8.6%
    • 対家族数: 6.6%
    • 18歳未満: 9.6%
    • 65歳以上: 12.2%

都市と町 編集

未編入の町 編集

  • アトコ
  • カスビル
  • ローランドスプリングス
  • スティルズボロ

博物館 編集

  • バートウ歴史博物館[6]、1987年開設、カーターズビル市中心街の旧郡庁舎(1869年建設)にある。この地域にチェロキー族インディアンが住んでいた19世紀初期からのバートウ郡開拓と開発に焦点をあてた、加工品、写真、文書を常設展示している。初期ヨーロッパ人開拓者の生活、鉄鉱石とボーキサイトの鉱業、南北戦争での闘争、戦後の回復、世界恐慌時代、初期の繊維産業と著名人物が、常設展示場での対話的な展示で表されている。さらに幅広い教育、講義や会員参加行事がある。
  • ブース・ウェスタン美術館[7]、スミソニアン博物館の支所、カーターズビルにある広さ12万平方フィート (11,000 m2) の美術館。西部開拓時代の工芸品、大統領の肖像画や手紙、南北戦争時の美術、200以上のインディアン工芸品、政治ブラッシュ牧場子供のギャラリーを通じて、来館者はアメリカの物語が見られる。2003年8月に開館され、州内では2番目に大きな美術館であり、国内でも最大の西部に関する常設展示場がある。
  • テラス科学博物館[8]、スミソニアン博物館の支所、カーターズビル、州間高速道路75号線第293出口近くにある広さ12万平方フィート (11,000 m2) の世界的博物館。ウェインマン・ミネラル・ギャラリー、フォッシル・ギャラリー、動く科学、コリンズ家マイ・ビッグ・バッグヤードの4つのギャラリーがある。120席のデジタル・プラネタリウムや最新式20インチ (50 cm) 望遠鏡のある天文台もある。
  • ユーハーリー歴史博物館[9]、カーターズビル中心街から西に約9マイル (14 km)、ユーハーリーのユーハーリー屋根付き橋に隣接してある。1997年に開館され、ユーハーリー歴史協会とユーハーリー市が共同運営している。
  • アデアズビル鉄道駅蒸気の時代博物館[10]、アデアズビル歴史的公共広場に、1847年建設の鉄道駅を移築し、地元運営の案内所もある。南北戦争、シェニール織りブーム、鉄道の歴史、初期農業用具、武器など、150年間の地域の生活をカバーする工芸品や写真が展示されている。

レクリエーション 編集

  • バートウ郡・ジョージア・ハイキングトレイル[11]

脚注 編集

  1. ^ Quickfacts.census.gov”. 2023年10月16日閲覧。
  2. ^ [1],
  3. ^ Howard, Frances Thomas (2007). In and Out of the Lines. Cartesville, Georgia: Etowah Valley Historical Society. pp. 9, overleaf 
  4. ^ Keith S. Hébert, "The Bitter Trial of Defeat and Emancipation: Reconstruction in Bartow County, Georgia, 1865–1872," Georgia Historical Quarterly, Spring 2008, Vol. 92 Issue 1, pp 65–92
  5. ^ Census 2010 U.S. Gazetteer Files: Counties”. United States Census. 2011年11月5日閲覧。
  6. ^ Bartow History Museum
  7. ^ Booth Western Art Museum
  8. ^ Tellus Science Museum
  9. ^ Euharlee History Museum Facebook page
  10. ^ Adairsville Rail Depot Museum
  11. ^ Bartow County Georgia Hiking Trails

外部リンク 編集

座標: 北緯34度14分 西経84度50分 / 北緯34.24度 西経84.84度 / 34.24; -84.84