パトリック・マッコート

北アイルランドのサッカー選手

パトリック・ジェームズ・"パディ"・マッコートPatrick James "Paddy" McCourt, 1983年12月16日 - )は、北アイルランドロンドンデリー出身の元同国代表サッカー選手。現役時代のポジションはFW(WG)。兄のハリーも元サッカー選手。

パディ・マッコート
セルティック時代(2010年)
名前
本名 パトリック・ジェームズ・マッコート
Patrick James McCourt
ラテン文字 Paddy MCCOURT
基本情報
国籍 北アイルランドの旗 北アイルランド
生年月日 (1983-12-16) 1983年12月16日(40歳)
出身地 ロンドンデリー
身長 178cm
体重 70kg
選手情報
ポジション FW (WG)
利き足 両足
ユース
1998-2000 北アイルランドの旗 フォイル・ハープス
2000-2001 イングランドの旗 ロッチデール
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2001-2005 イングランドの旗 ロッチデール 79 (8)
2005 アイルランドの旗 シャムロック・R 17 (7)
2005-2008 北アイルランドの旗 デリー・C 61 (5)
2008-2013 スコットランドの旗 セルティック 66 (9)
2013-2014 イングランドの旗 バーンズリー 23 (2)
2014-2015 イングランドの旗 ブライトン 10 (0)
2015 イングランドの旗 ノッツ (loan) 12 (1)
2015-2016 イングランドの旗 ルートン 24 (1)
2016 北アイルランドの旗 グレネイヴォン 12 (1)
2017-2018 アイルランドの旗 フィン・ハープス 48 (5)
通算 352 (39)
代表歴
2002-2005 北アイルランドの旗 北アイルランド U-21 9 (0)
2009 北アイルランドの旗 北アイルランド B 1 (0)
2002-2015 北アイルランドの旗 北アイルランド 18 (2)
1. 国内リーグ戦に限る。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

経歴 編集

ロッチデール 編集

北アイルランドロンドンデリーで生まれたマッコートは、地元のスティールス・タウン小学校で学び、フォイルハープYFCで早くからサッカーを始めた。その後、ロッチデールAFCのユースチームと契約した。マッコートのポテンシャルは凄まじく、加入して一年足らずの2001年12月にトップチームと3年半の契約を結んだ。ほどなくして、キダーミンスター・ハリアーズFC戦でデビュー。最初のシーズンは、23試合出場4ゴールを記録。最初に訪れたマッコートのキャリア絶頂期だった。[1]2002-03中は、ブラックバーン・ローヴァーズFCマンチェスター・シティFCを始めとしたプレミアリーグの幾つかのクラブから注目を集めた。[2]

2003-04シーズン、ロッチデールでプレーしながらも2部ノリッジ・シティFC[3]クルー・アレクサンドラFCのトライアルを受けた。ゴールを挙げるなど活躍していたが、その後、怪我による不調で2005年2月にチームを去ることになった。

ロッチデールの監督スティーヴ・パーキンは、マッコートに放出を伝えた。その後、マッコートは、スコティッシュ・プレミアリーグマザーウェルFCのトライアルに参加した。2週間そこで過ごしたが、トライアルは不合格だった。

シャムロック・ローヴァーズ 編集

2005年3月に、ロディ・コリンズが監督を務めるアイルランドリーグシャムロック・ローヴァーズFCとプロ選手として契約を結んだ。[3]

マッコートは、最初の6試合で3ゴールを挙げると、2005年5月時点で得点ランクトップに躍り出た。その後、クラブはスタジアムのコストが原因で資金難に遭ったために、トランスファーリストの選手全員をフリーで放出しなければならなくなった。しかし、マッコートだけは除外された。17試合に出場し7ゴールを決め、活躍するマッコートにブリストル・シティFCクイーンズ・パーク・レンジャーズFCが関心を示した。次の資金が必要だったチームは、手放すことを決めた。マッコートは地元のクラブで、アイルランドリーグに越境参加しているデリー・シティFCと契約を結んだ。移籍金は6万ポンドとみられている。このシーズンは、選手協会が選ぶ最優秀若手選手賞を受賞した。[4]

デリー・シティ 編集

マッコートは移籍すると、チームを2005年, 2006年と2位に押し上げる手助けをした。特に2006年は、UEFAカップ一次・二次予選のIFKヨーテボリグレトナFCに勝利し本選出場。国内では、カップとリーグカップ優勝に貢献した。2007年は、シーズン通算30試合6ゴールを記録、リーグカップで再び優勝した。 マッコートのスキルに、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFCが興味を示していると伝えられた。デリー・シティは、このプレミアリーグに新たに昇格したクラブと合意に達したと、2008年6月に発表した。

セルティック 編集

 
セルティック・パークを歩くマッコート

2008年6月、デリー・シティはセルティックFCとマッコートが合意したと伝えた。しかし、ウェスト・ブロムも選手とクラブ両方と合意していた。最終的にマッコート本人が、セルティックに参加することに魅力を感じ、手助けをするためにグラスゴーへの移籍を志願した。[5]6月19日にマッコートは、セルティックと3年契約(移籍金は公表されていない)を結んだ。[5]10月25日のハイバーニアンFC戦(4-2の勝利)でデビューを果たした。[6]

マッコートは、セルティックのリザーブチームで顕著なプレーを見せた。特に、2009年4月28日に行われたグラスゴー・レンジャーズFC戦では好調なプレーを披露した。8シーズン連続となる優勝に貢献し、キャリアの頂点を迎えた。[7]また、オフシーズンに開催されたウェンブリーカップマンチェスター・シティFCとの試合でも、好プレーを見せた。

9月23日、リーグカップフォルカークFC戦で5人のディフェンス陣を突破し、チップキックで相手GKロバート・オレイニクの上を通すという、記憶に残るゴールを挙げた。[8]その3日後の26日にセントミレンFC戦でリーグ初ゴールを記録した。[9]6人のディフェンス陣を突破してゴールするという3日前と似たようなゴールだった。2010年1月24日のセント・ジョンストンFC戦、ペナルディボックス内から右隅にシュートを決めてリーグ戦2ゴール目を挙げた。[10]また、7月18日のシアトル・サウンダースFCとの親善試合では、2ゴールを決め2-1の勝利に貢献した。[11]

2010-11シーズンの開幕戦、昇格したばかりのインヴァネス・カレドニアン・シッスルFC戦で苦戦していたが、マッコートが1人で3人のディフェンス陣を突破し、端からゴールネットに突き刺した。これが、決勝ゴールになった。[12]セルティック・パークハート・オブ・ミドロシアンFC(3-0の勝利)を迎えた試合では、またしても3人のディフェンス陣を突破、チップキックでGKの上に通しホーム初ゴール(シーズン2ゴール目)を決めた。11月6日のアバディーンFC戦では、PKを決め、これが9-0で大勝した試合の最後の得点になった。[13]27日には、曲がりくねったドリブルと正確なシュートでセルティックのホーム通算600点目(プレミア後)となるゴールを決めた。[14]12月29日のマザーウェルFC戦では巧みなドリブルから20ヤードものゴールを決め1-0で勝利に貢献した。[15]8月15日に、リヴァプールFCを含むプレミアリーグの幾つかのクラブが興味を示していることが報告された。[16]

ルートン・タウン 編集

2015年7月1日、フットボールリーグ2ルートン・タウンFCと2年契約を結んだ[17]

フィン・ハープス 編集

2016年7月にグレネイヴォンFCと1年契約を結んだが、12月21日にクラブとの双方合意に基づき退団[18]。翌年2月21日、フィン・ハープスFCに加入することが発表された[19]。2018年6月、現役引退を発表した。

代表 編集

マッコートは、元北アイルランド代表選手である。[20]U-21代表では、9試合出場した。[21]

2002年4月に監督のサミー・マッキロイは、スペイン代表戦に招集。A代表デビューを記録した。[22][23]2キャップ目は、2009年2月の2010 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選サンマリノ代表戦に途中出場したものだった。[24][25]

2011年8月20日のUEFA EURO 2012予選フェロー諸島代表戦で4-0と勝利。そのうち、代表初ゴールを含む2ゴールを挙げた。[26]

プレースタイル 編集

マッコートは、優れたボールコントロールとドリブル技術だけでなく、一人でゴールを決めるスキルを持っている。このプレースタイルから、ファンや評論家からは、"デリーのペレ"との愛称で呼ばれている。[27][28][29]

プライベート 編集

マッコートの兄もデリー・シティでプレーし、1991-92シーズンはアイルランドリーグの得点王だった。[30]現在ハリーは、デリー・シティのディレクター職に就いている。[31]

2011年1月12日に、北アイルランドにあるマッコートの家のポストに弾丸が送りつけられた。セルティックの監督ニール・レノンとチームメイトのニール・マッギンにも同じ週に同じ様な箱が送りつけられた。[32]

所属クラブ 編集

  ノッツ・カウンティFC 2015 (loan)

タイトル 編集

クラブ 編集

デリー・C
セルティック
グレネイヴォン

個人 編集

脚注 編集

  1. ^ Hard work still to be done for Patrick
  2. ^ West Brom pull out of battle for McCourt as Celtic target Derry winger
  3. ^ a b Patrick McCourt – Biography
  4. ^ Ireland - Player of the Year and Other Awards
  5. ^ a b McCourt seals transfer to Celtic
  6. ^ Celtic's McCourt says he just wants to be taken seriously
  7. ^ Mystery man McCourt's magic show
  8. ^ McCourt sparkles as Celts win
  9. ^ McCourt sparkles as Celts win
  10. ^ Fortune favours the Hoops against Saints Archived 2010年3月2日, at the Wayback Machine.
  11. ^ McCourt takes chance to make point
  12. ^ Inverness CT 0 - 1 Celtic
  13. ^ Celtic 9 - 0 Aberdeen
  14. ^ Celtic 2 - 2 Inverness CT
  15. ^ Celtic 1 - 0 Motherwell
  16. ^ Liverpool line up shock swoop for Celtic's 'Derry Pele' McCourt
  17. ^ Paddy McCourt and Magnus Okuonghae join Luton Town”. BBC Sport (2015年7月1日). 2015年10月17日閲覧。
  18. ^ Pat McCourt to leave Glenavon with immediate effect by mutual agreement”. BBC Sport (2016年12月21日). 2017年3月1日閲覧。
  19. ^ Former NI winger Paddy McCourt signs for Finn Harps”. BBC Sport (2017年2月21日). 2017年3月1日閲覧。
  20. ^ [1]
  21. ^ Paddy McCourt recalled to Northern Ireland squad
  22. ^ McCourt given senior chance
  23. ^ Raul mauls McIlroy's makeshift side in Spanish stroll
  24. ^ McCourt ready for his second cap
  25. ^ San Marino 0-3 Northern Ireland
  26. ^ N Ireland 4-0 Faroe Islands
  27. ^ Hooper's a big fan of the 'Derry Pele
  28. ^ Celtic must give Paddy McCourt more game time to see him flourish, says ex-boss Stephen Kenny
  29. ^ Having to answer fitness questions the only thing leaving Paddy McCourt out of breath
  30. ^ Northern Ireland – List of Topscorers
  31. ^ Derry City to meet with season ticket holders
  32. ^ Bullets in post target Celtic footballer Paddy McCourt

外部リンク 編集