パドトロワ日本競走馬である。2012年中央競馬アイビスサマーダッシュキーンランドカップで優勝し、2012サマースプリントシリーズのチャンピオンとなった。2013年には函館スプリントステークスを優勝した。馬名の由来はバレエ用語で三人で踊る。

パドトロワ
2012年 春雷ステークス(中山競馬場)
欧字表記 Pas de Trois
香港表記 三人共舞
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2007年4月20日
死没 2022年9月17日(15歳没)
抹消日 2014年9月3日
スウェプトオーヴァーボード
グランパドドゥ
母の父 フジキセキ
生国 日本の旗 日本北海道千歳市
生産者 社台ファーム
馬主 吉田照哉
調教師 鮫島一歩栗東
厩務員 金山美世子[1]
競走成績
生涯成績 35戦9勝
獲得賞金 2億6988万8000円
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戦績 編集

2009年 - 2010年 編集

2009年11月29日京都芝1600mの新馬戦でデビュー(3着)。12月13日阪神の未勝利戦芝1200mで2戦目で初勝利。

2010年3月の阪神戦以降1番人気に推され、1着、2着、3着がそれぞれ1回ずつと安定した成績になるも初GIとなったNHKマイルカップは距離が長すぎて16着惨敗となる。以後は1400m戦以下での出走となり、6月福島のさくらんぼ特別で3勝目をあげる。

2011年 編集

3月の阪神の準オープン心斎橋ステークスで4勝目をあげて、オープン入り。続くオープン特別のオーストラリアトロフィーも勝利し、2連勝を飾る。函館スプリントステークスは6着に敗れるも、同じ函館のUHB杯は人気に応えて6勝目となった。続くスプリンターズステークスは9番人気ながらカレンチャンの2着に健闘する。しかし初の海外重賞出走となった香港スプリントは14着惨敗となった。

2012年 編集

4ヶ月の休み明け以後のオープン戦はそれぞれ7着、6着となり、函館スプリントステークスを4着に敗れて迎えた新潟アイビスサマーダッシュで重賞初制覇を果たし、続く札幌キーンランドカップは先行で人気のダッシャーゴーゴーに競り勝ち、レコードタイムで重賞2勝目をあげるとともに2012サマースプリントシリーズのチャンピオンとなった。しかしスプリンターズステークスは先行しながら直線伸びず8着に敗れた。京阪杯はいいところなく15着に敗退。鞍上の安藤勝己はこのレースで「馬を上手く動かせなくなった」と強く感じたため引退を決意し、以降は1度も騎乗することなく翌年1月末に騎手免許を返上している[2][3]

2013年 編集

休み明けとなった京王杯スプリングカップは先行するも直線失速して14着に敗退。函館スプリントステークスは先行勢にとりついて最後押し切って重賞3勝目を飾った。鞍上の勝浦正樹にとっては2007年朝日杯フューチュリティステークス以来約5年半ぶりの重賞制覇となった(重賞の連敗は150でストップ)。続くアイビスサマーダッシュ、キーンランドカップと連覇を掛けて挑んだものの、それぞれ10着、14着に敗れた。スプリンターズステークスでは2番手からレースを進めたが直線で失速し15着に敗れた。

2014年 編集

休み明けの阪急杯は先行したものの直線で馬群に飲まれ15着に敗れ、デビュー以来初のダート戦となる東京スプリントにも出走したがこちらも15着に敗れた。その後4走したがいずれも2桁着順に終わり、9月3日付けで競走馬登録を抹消された。引退後はレックススタッド種牡馬となる[4]

競走成績 編集

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2009.11.29 京都 2歳新馬 芝1600m(良) 18 5 10 03.2(2人) 03着 R1:36.6(36.5) -1.3 安藤勝己 55kg フラムドール
0000.12.13 阪神 2歳未勝利 芝1200m(良) 16 4 8 02.2(1人) 01着 R1:10.3(35.5) -0.4 安藤勝己 55kg (アンフィルージュ)
2010.03.13 阪神 3歳500万下 芝1200m(良) 12 8 12 03.3(1人) 02着 R1:10.1(35.4) -0.1 藤岡佑介 56kg アーリーデイズ
0000.03.27 阪神 3歳500万下 芝1200m(良) 14 8 14 02.4(1人) 01着 R1:09.9(34.9) -0.1 安藤勝己 56kg (タバルナ)
0000.04.25 京都 橘S OP 芝1400m(良) 18 6 11 04.9(1人) 03着 R1:21.2(35.2) -0.6 安藤勝己 56kg エーシンダックマン
0000.05.09 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 4 8 142.4(17人) 16着 R1:33.7(36.5) -2.3 柴田善臣 57kg ダノンシャンティ
0000.06.19 福島 さくらんぼ特別 1000万下 芝1200m(良) 16 6 12 03.4(1人) 01着 R1:08.5(35.0) 同着 松岡正海 54kg ダイワナイト
0000.10.03 阪神 道頓堀S 1600万下 芝1400m(良) 15 3 5 13.4(5人) 06着 R1:21.8(34.7) -0.4 藤岡康太 55kg サワヤカラスカル
0000.10.24 京都 桂川S 1600万下 芝1200m(良) 18 7 13 05.7(4人) 03着 R1:08.4(34.7) -0.3 安藤勝己 55kg ティファニーケイス
2011.02.27 中山 アクアマリンS 1600万下 芝1200m(良) 16 3 5 08.3(4人) 07着 R1:07.8(34.7) -0.4 松岡正海 56kg ゴールドアグリ
0000.03.26 阪神 心斎橋S 1600万下 芝1400m(良) 18 4 8 05.7(4人) 01着 R1:20.5(34.9) -0.4 安藤勝己 57kg (サザンスターディ)
0000.04.23 京都 オーストラリアT OP 芝1200m(不) 18 7 13 06.1(3人) 01着 R1:09.2(35.3) -0.0 安藤勝己 55kg スプリングソング
0000.07.03 函館 函館スプリントS GIII 芝1200m(良) 12 8 11 14.0(7人) 06着 R1:09.0(35.6) -1.0 安藤勝己 56kg カレンチャン
0000.07.31 函館 UHB杯 OP 芝1200m(良) 11 6 7 01.8(1人) 01着 R1:08.9(35.8) -0.2 安藤勝己 56kg (ローズカットダイヤ)
0000.08.28 札幌 キーンランドC GIII 芝1200m(良) 16 6 12 14.1(4人) 03着 R1:08.6(35.6) -0.0 安藤勝己 56kg カレンチャン
0000.10.02 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 15 2 3 49.4(9人) 02着 R1:07.7(34.6) -0.3 安藤勝己 57kg カレンチャン
0000.12.11 沙田 香港スプリント G1 芝1200m(良) 14 - 11 - 14着 - - 安藤勝己 57kg Lucky Nine
2012.04.08 中山 春雷S OP 芝1200m(良) 16 2 4 04.4(1人) 07着 R1:08.8(34.0) -0.4 戸崎圭太 58kg エーシンホワイティ
0000.04.29 福島 福島民友C OP 芝1200m(良) 15 3 5 05.6(3人) 06着 R1:07.9(34.2) -0.5 勝浦正樹 58kg ドリームバレンチノ
0000.06.17 函館 函館スプリントS GIII 芝1200m(良) 11 6 7 10.0(3人) 04着 R1:10.0(35.5) -0.6 安藤勝己 56kg ドリームバレンチノ
0000.07.22 新潟 アイビスサマーD GIII 芝1000m(良) 18 8 16 11.6(7人) 01着 R0:54.2(32.2) -0.2 安藤勝己 56kg (エーシンダックマン)
0000.08.26 札幌 キーンランドC GIII 芝1200m(良) 14 2 2 06.4(3人) 01着 R1:07.6(34.1) -0.0 安藤勝己 56kg ダッシャーゴーゴー
0000.09.30 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 6 11 10.0(4人) 08着 R1:07.3(34.6) -0.6 安藤勝己 57kg ロードカナロア
0000.11.24 京都 京阪杯 GIII 芝1200m(良) 18 5 9 10.6(6人) 15着 R1:09.5(34.9) -1.0 安藤勝己 58kg ハクサンムーン
2013.05.11 東京 京王杯スプリングC GII 芝1400m(稍) 18 3 6 104.6(17人) 14着 R1:21.6(35.8) -1.0 北村宏司 56kg ダイワマッジョーレ
0000.06.16 函館 函館スプリントS GIII 芝1200m(良) 16 7 14 18.0(6人) 01着 R1:08.5(34.3) -0.0 勝浦正樹 58kg シュプリームギフト
0000.07.28 新潟 アイビスサマーD GIII 芝1000m(良) 18 6 11 08.0(2人) 10着 R0:55.4(32.9) -1.2 勝浦正樹 59kg ハクサンムーン
0000.08.25 函館 キーンランドC GIII 芝1200m(良) 16 8 15 04.8(3人) 14着 R1:13.1(37.9) -1.4 勝浦正樹 57kg フォーエバーマーク
0000.09.29 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 4 8 133.0(14人) 15着 R1:08.3(35.3) -1.1 勝浦正樹 57kg ロードカナロア
2014.03.02 阪神 阪急杯 GIII 芝1400m(良) 16 2 4 051.5(12人) 15着 R1:24.0(38.9) -3.3 後藤浩輝 56kg コパノリチャード
0000.04.02 大井 東京スプリント JpnIII ダ1200m(良) 16 2 3 13.2(4人) 15着 R1:13.7(39.5) -3.0 和田竜二 56kg ノーザンリバー
0000.06.15 東京 エプソムC GIII 芝1800m(良) 17 4 8 191.2(16人) 17着 R1:49.3(37.3) -3.1 石橋脩 59kg ディサイファ
0000.07.13 中京 プロキオンS GIII ダ1400m(稍) 16 8 16 148.3(15人) 12着 R1:23.8(37.2) -1.2 和田竜二 56kg ベストウォーリア
0000.08.03 新潟 アイビスサマーD GIII 芝1000m(良) 12 5 7 41.0(9人) 12着 R0:55.5(33.4) -1.2 内田博幸 59kg セイコーライコウ
0000.08.31 札幌 キーンランドC GIII 芝1200m(良) 16 1 1 51.2(11人) 12着 R1:09.6(35.0) -0.6 N.ローウィラー 56kg ローブティサージュ
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

種牡馬時代 編集

引退後はレックススタッドで種牡馬となった。すると、初年度産駒より、古馬となってからダート重賞で活躍することとなるダンシングプリンスを出した。しかし、ダンシングプリンスの活躍で種牡馬としての需要の高まりが期待された矢先の2022年9月17日に急死した[5]。15歳没。

主な産駒 編集

太字はGI・JpnI競走を示す

グレード制重賞優勝馬 編集

地方重賞優勝馬 編集

血統表 編集

パドトロワ血統ミスタープロスペクター系 / Northern Dancer 6.25% 5x5) (血統表の出典)

*スウェプトオーヴァーボード
Swept Overboard
1997 芦毛
父の父
*エンドスウィープ
End Sweep
1991 鹿毛
*フォーティナイナー Mr. Prospector
File
Broom Dance Dance Spell
Witching Hour
父の母
Sheer Ice
1982 芦毛
Cutlass Damascus
Aphonia
Hey Dolly A. Ambehaving
Swift Deal

グランパドドゥ
1997 鹿毛
フジキセキ
1992 青鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ミルレーサー Le Fabuleux
Marston's Mill
母の母
スターバレリーナ
1990 鹿毛
Risen Star Secretariat
Ribbon
*ベリアーニ Nureyev
Eleven Pleasures F-No.8-k

脚注 編集

  1. ^ 【香港国際競走】〜日本勢3頭 香港到着後の陣営コメント”. ラジオNIKKEI. 2022年6月25日閲覧。
  2. ^ パドトロワが引退 安藤勝己氏・現役最後の騎乗馬”. 競馬ラボ. 2022年6月25日閲覧。
  3. ^ andokatsumiのツイート(331575891849273344)
  4. ^ パドトロワ号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2014年9月3日). 2014年9月3日閲覧。
  5. ^ パドトロワ 馬・牧場・施設検索 - 競走馬のふるさと案内所、2022年9月29日閲覧

外部リンク 編集