座標: 北緯25度6分52.8秒 東経55度8分16.07秒 / 北緯25.114667度 東経55.1377972度 / 25.114667; 55.1377972

パーム・ジュメイラ英語: Palm Jumeirah)は、アラブ首長国連邦ドバイ政府所有の企業ナキールが作ったペルシア湾人工島で、ドバイ市街地の西郊のジュメイラ地区の海岸部に建設された。パーム・アイランド3島の一つで、パーム・アイランド3島の中でも最小であり、最初に作られた。パーム・ジュメイラ建設によりドバイの海岸線は520km長くなった。

2012年のパーム・ジュメイラ(ドバイ)

概要 編集

 
2005年のパーム・ジュメイラ
 
根元部分。2008年3月11日

パーム・ジュメイラはヤシの木のような形をしている[1]。幹に当たる部分から、枝に当たる部分が16本延びている。周囲は全長11キロメートルの三日月形の防波堤に取り囲まれている。敷地は5キロメートル四方であり、その面積はサッカー競技場で800面分以上になる[2]。幹の根元は本土と300メートルの橋で結ばれており、周囲の三日月形防波堤は幹の先と海底トンネルで結ばれている[2]

パーム・ジュメイラは観光地・別荘地として開発され、観光施設建設が進めば数年以内に世界一のリゾート地になるとして宣伝されている。パーム・アイランドは自らを「世界八番目の不思議」と宣言している。この島の埋め立てにより、ドバイの海岸線の長さは2倍になった[3]

開発者の宣伝資料によると[4]、ジュメイラ・パーム島はテーマ・ホテル、3つの別荘地(シグネチャーヴィラ、ガーデンホームズ、カナルコーヴタウンホームズ)、海岸線沿いの集合住宅、ビーチ、マリーナ(ヨットの波止場)、レストラン、カフェ、小売店舗などがある。2009年中に、以下のようなホテルが30軒以上開業する[2]

 
オセアナリゾート&スパ。2007年5月1日
  • トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー (The Trump International Hotel & Tower
  • アトランティス・ザ・パーム 2008年9月開業
  • タジ・エクソティカホテル&リゾート (The Taj Exotica Hotel & Resort
  • グランジャー・レジデンス(Grandeur Residences)
  • オットマン・パレス(Ottoman Palace) 2009年下期開業。
  • エスク・パーム・ジュメイラ(Essque Palm Jumeirah) ティアラ・レジデンス・プロジェクトの一つ。2010年開業。
  • オセアナリゾート&スパ(Oceana Resort & Spa)
  • フェアモント・パーム・レジデンス(The Fairmont Palm Residence)
  • フェアモント・パーム・ホテル&リゾート(The Fairmont Palm Hotel & Resort), フェアモント・ホテル&リゾート (Fairmont Hotels and Resorts
  • ドバイ・エステートホテル&パーク(The Dubai Estates Hotel & Park)
  • ホテル・ミッソーニ・ドバイ(Hotel Missoni Dubai)
  • ラディッソンSASホテルドバイ(Radisson SAS Hotel Dubai, The Palm Jumeirah)
  • ケンピンスキ・エメラルド・パレス(Kempinski Emerald Palace)
  • ケンピンスキ・エメラルド・パレス・レジデンス(Kempinski Emerald Palace Residences)

人工魚礁を作るため、F-100戦闘機2機がパーム・ジュメイラ近くの海に沈められており、ダイビングスポットになっている[5]

2007年6月18日、海運会社キュナード・ラインは、クルーズ客船クイーン・エリザベス2をドバイの企業イスティスマールに売却した。イスティスマールはこれをパーム・ジュメイラの海に浮かぶホテルとして2009年に開業させる予定であったが[6]ナキールの都合によりケープタウンに移されている[7]

交通 編集

 
パーム・ジュメイラモノレール

パーム・ジュメイラモノレールは路線長5.4キロメートルであり、アトランティスホテルと島の根元のゲートウェイタワーズを結ぶ。2009年5月6日に開業した[8]

構成 編集

パーム・ジュメイラの建設工事は2001年6月に開始され、2006年に最初の宅地の分譲が始まった[2]。埋立工事の分野で実績のあるオランダのVan Oord社が建設を行った。島の埋め立てには9,400万立方メートルの砂と700万トンの岩石が使用され、深さ10.5メートルほどの海底に土砂が投入され海面上3メートルの高さまで積み上げられた。防波堤には天然の岩石が使われており、年月が経つにつれ海の生物が周囲に住むよう意図されている。


発生した問題 編集

プロジェクトはいくつかの原因で計画よりも遅れた。建設内容が複雑だったことが原因の一つである。2005年の時点で計画は2年遅れであった。また、当初の計画でナキールは住宅4500(別荘2000とアパート2500)を作り、それを計画の投資者に優先的に提供すると発表していたが、後に各住宅の大きさを小さくするなどしてこれを8000にまで増やすと発表したため、多くの苦情が寄せられた[9]

ギャラリー 編集

出典 編集

  1. ^ トラビス・エルボラフ, アラン・ホースフィールド『世界の果てのありえない場所 本当に行ける幻想エリアマップ』日経ナショナルジオグラフィック社、2017年、124頁。ISBN 978-4-86313-377-8 
  2. ^ a b c d The Palm Jumeirah”. Nakheel (2006年). 2007年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年2月11日閲覧。
  3. ^ Pitfalls in paradise: why Palm Jumeirah is struggling to live up to the hype”. guardian.co.uk (2008年4月26日). 2008年4月27日閲覧。
  4. ^ The Palm Jumeirah”. Nakheel Website. 2007年6月19日閲覧。
  5. ^ Flourishing Marine Life”. The Palm Jumeirah Website. 2007年8月2日閲覧。
  6. ^ QE2 To Leave Cunard Fleet And Be Sold To Dubai World To Begin A New Life At The Palm”. キュナード・ライン (2007年). 2007年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年6月20日閲覧。
  7. ^ QE2 Today: The Future”. Chris' Cunard (2009年). 2009年7月15日閲覧。
  8. ^ “Nice and Easy, but Fares Not So Fair”. Khaleej Times. (2009年5月8日). https://www.khaleejtimes.com/article/20090507/ARTICLE/305079948/1002 
  9. ^ "Palm before a storm?" Daily Telegraph article by Catherine Moye, 20th August 2005”. 2009年10月12日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集