ビートルジュース』(Beetlejuice)はティム・バートン監督によるホラーコメディ映画。ビートルジュースという名前はベテルギウスの英語読みの発音にbeetle(カブトムシ)とjuice(ジュース)を当てはめたものである。アメリカでは1988年3月29日にプレミア上映されたのち、3月30日に公開され、週末興行成績で初登場から4週連続で1位になり、11週間トップ10内にとどまる大ヒットとなった。第61回(1988年度)アカデミー賞にてメイクアップ賞を受賞した。

ビートルジュース
Beetlejuice
監督 ティム・バートン
脚本 マイケル・マクダウェル
ウォーレン・スカーレン
製作 マイケル・ベンダー
ラリー・ウィルソン
リチャード・ハシモト
出演者 マイケル・キートン
アレック・ボールドウィン
ジーナ・デイヴィス
音楽 ダニー・エルフマン
撮影 トーマス・アッカーマン
編集 ジェーン・カーソン
配給 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国の旗 1988年3月30日
日本の旗 1988年12月10日
上映時間 92分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $15,000,000
興行収入 アメリカ合衆国の旗 $73,707,461[1]
配給収入 日本の旗4億円[2]
次作 Beetlejuice Beetlejuice
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ストーリー

ニューイングランドののどかな田舎町に住むアダムとバーバラの夫婦は、車の運転中に事故で橋から自動車ごと転落しあえなく死んでしまう。2人は幽霊になったが、それをなかなか自覚できない。しかし家の外に出ると、サンドウォームのような怪物に襲われ、屋根裏部屋には「新しく死者になった者へのガイドブック」が置かれていたため、ようやく自覚した。

やがてその家に、ニューヨークから金儲けの機会をたえず狙っているチャールズと、一人よがりの彫刻を作っている妻デリア、前妻との娘で妙に冷めているリディアの一家が越して来た。アダムらは彼らを追い出そうと脅かすが、一家には彼らの姿は見えないらしく、まるで効果がない。ハンドブックを頼りに、後世社会(アフター・ライフ)のケースワーカー・ジュノーに相談すると、「ビートルジュースにだけは頼んではいけない」と忠告を受ける。ビートルジュースは正式にはベテルギウスといい、人間を追い出すバイオ・エクソシストの仕事をしている人物のことで、効果はないどころかトラブルが起きるだけだという。一方、一家のひとり娘である孤独なリディアは2人の幽霊の存在に気付き、彼らは仲良くなる。

ある日、チャールズが友人を呼んでパーティを開いたので、アダムらは脅かそうと試みる。その場にいたリディア以外の人物にバナナ・ボートを踊らせてみたが、彼らは驚くどころかチャールズは幽霊博物館を作って金儲けをしようと計画する。仕方なくアダムとバーバラはビートルジュースを呼び出したが、口八丁手八丁でスケベな彼は大騒動を巻き起こす。

キャスト

※括弧内は日本語吹替

製作

1985年公開の映画『ピーウィーの大冒険』を成功させたティム・バートンのもとには多数の脚本が送られてくるようになったが、そのほとんどはバートンを失望させるような想像力に欠けたものだった。そのような状況の中で、バートンはマイケル・マクダウェルが書き上げた『ビートルジュース』の脚本に出会う。マクダウェルの脚本に感銘を受けたバートンは『ビートルジュース』の監督を引き受け、この映画を大ヒットへと導いた[3]

配役

キャスティングにおいて、当初リディアの母親役には『アダムス・ファミリー』のモーティシア役で知られるアンジェリカ・ヒューストンが演じる予定だったが、病気のためにキャサリン・オハラが同役を演じた。尚、オハラは同作品の美術を担当したボー・ウェルチと出会い結婚した。

リディア役には数々の若手女優が候補に挙がり、ジェニファー・コネリーサラ・ジェシカ・パーカージュリエット・ルイスブルック・シールズダイアン・レインらがいた。

評価

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは62件のレビューで支持率は85%、平均点は7.20/10となった[4]Metacriticでは18件のレビューを基に加重平均値が70/100となった[5]

アニメ(カートゥーン)版

実写映画を元に製作されたアニメーションビートルジュースen:Beetlejuice (TV series))は映画公開の翌年(1989年−91年)に、テレビシリーズとしてアメリカカナダの合作でアニメ化された。全4シーズン、109話。アメリカ合衆国では第3ジーズンまでABC放送で放送。第4シーズンはフォックス放送内のFox Kidsにて放送された。

また、他国ではカートゥーン ネットワークなどでも放送されたりもした。

なお、日本ではワーナー・ブラザースよりビートルジュース20周年記念 特別版としてDVDBlu-ray Discで特典として一部だけ見る事ができる。

  • 名探偵ビートルジュース(12分)
  • クローゼットの中のガイコツたち(12分)
  • 恐怖のブティック(12分)

声の出演

  • ビートルジュース - スティーブン・ウィメッテ
  • リディア - アリソン・コート
  • デリア - エリザベス・ハンナ

テーマパーク

 
ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドにて

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにて上演されているアトラクション、『ユニバーサル・モンスター・ライブ・ロックンロール・ショー[6]およびユニバーサル・スタジオ・フロリダとで上演されていたショー(en:Beetlejuice's Rock and Roll Graveyard Revue)の司会進行を務めている。ユニバーサル・スタジオ・フロリダにおけるショーのビートルジュースはウォーリー・ウィンガートが1994年から1997年まで演じた。

ショー内容は映画のシナリオとはさほど関係が無く、特に日本版のビートルジュースの挙動は映画のキャラクターとはやや離れているため、USJ版を先に見慣れている人が映画版を見るとやや違和感を覚えることもある。映画版の原型を垣間見ることが出来るのはショー冒頭で客に自分の名前を三回呼ばせるところなどである[7]。ちなみに、映画自体はワーナー映画製作のため、USJのガイドマップなどの著作権クレジットにはその旨が書いてある。

フロリダの内容は長らく日本のそれのほぼ逆輸入の内容だったが[8]、2006年に再び変更があり、日本とはまた違った内容になっている。

かつてはフロリダ、ハリウッドのアッパー・ロットにも存在したが、ハリウッドでは1999年に、フロリダでは2016年に閉鎖された。陽気な墓場のDJというキャラクターが人気を博し日本ではパークのほかのキャラクターと共にUSJスペシャルショーにも出演。

舞台

2016年、アレックス・ティンバーズ英語版の演出、ワーナー・ブラザースのプロデュース、エディ・パーフェクト英語版作詞作曲、スコット・ブラウン英語版およびアンソニー・キング英語版脚本によるブロードウェイ・ミュージカル版の制作が開始した[9]クリストファー・フィッツジェラルド英語版が主演で読み合わせが行なわれ、その後クリス・ククルが音楽監督、コナー・ギャラガーが振付となった.[10]。2018年10月14日から11月18日の期間限定でワシントンD.C.のナショナル・シアターにてブロードウェイを見据えた試験興行が行なわれ、アレックス・ブライトマン英語版タイトル・ロールのビートルジュース役を演じた[11]

2019年12月、ウィンター・ガーデンでの公演がヒュー・ジャックマンサットン・フォスター英語版主演の『ザ・ミュージックマン』再演のために2020年6月6日に閉幕することが発表された。別の劇場を模索していたが、2020年3月、コロナウィルスの世界的蔓延によりブロードウェイ全公演が上演中止となった。その後、北米ツアー公演を含み世界中で上演されることとなった。2022年4月8日、マーキー・シアターにてブロードウェイ公演が再開した。

続編

2023年に続編が制作され、2024年9月6日にアメリカで公開予定[12]マイケル・キートンウィノナ・ライダーキャサリン・オハラが前作に引き続いて出演する。

脚注

  1. ^ Beetlejuice (1988)”. Box Office Mojo. 2009年9月17日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報』1989年2月下旬号。
  3. ^ Salisbury, Mark; Burton, Tim (2006). Burton on Burton. Faber and Faber. p. 54. ISBN 0-571-22926-3.
  4. ^ Beetlejuice”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年7月16日閲覧。
  5. ^ Beetlejuice Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2022年7月16日閲覧。
  6. ^ USJ開園後暫くは"ロッキン・ミッドナイト・モンスター・フェスト"というタイトルだった。
  7. ^ 映画ではこれがビートルジュースとの契約の意思表明である。
  8. ^ 設立自体は1992年とオーランドの方が早いが、USJオープン後に日本とほぼ同内容への変更があった。
  9. ^ “ティム・バートン監督「ビートルジュース」がブロードウェイミュージカルに”. 映画.com. (2016年8月30日). https://eiga.com/news/20160830/11/ 2022年8月24日閲覧。 
  10. ^ The Beetlejuice Musical Finds Its Writing Team | Playbill” (英語). Playbill (2017年3月29日). 2017年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月31日閲覧。
  11. ^ Beetlejuice Musical Sets Spring 2019 Broadway Opening Date | Playbill” (英語). Playbill (2018年9月13日). 2018年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月14日閲覧。
  12. ^ “ティム・バートン『ビートルジュース』続編が2024年公開「ウェンズデー」女優が出演”. シネマトゥデイ. (2023年5月10日). https://www.cinematoday.jp/news/N0136740 2023年11月29日閲覧。 

外部リンク