ピーター・ガン』(Peter Gunn) は、同名のテレビ番組ピーター・ガン』のテーマ曲としてヘンリー・マンシーニが作曲した楽曲[1]。オリジナル・サウンドトラック・アルバム『The Music from Peter Gunn』の冒頭に収録されて、1959年にリリースされた[2]。このアルバムによって、マンシーニはエミー賞に加え、グラミー賞をふたつ、アルバム・オブ・ザ・イヤーと最優秀編曲賞を獲得した[3]

ピーター・ガン
ヘンリー・マンシーニシングル
初出アルバム『The Music from Peter Gunn
B面 The Brothers Go to Mother's
リリース
録音 1958年
ジャンル ロックンロールジャズ
時間
レーベル RCAビクター
作曲 ヘンリー・マンシーニ
プロデュース Simon Rady
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録音と発売 編集

マンシーニは、1989年に発表した自伝『Did They Mention the Music?』の中で、次のように述べている。

『ピーター・ガン』のテーマは、実際のところ、ジャズ由来というより、ロックンロール由来である。ギターとピアノをユニゾンで使い、音楽用語で言うオスティナートを奏でるのだが、この用語は頑固という意味の言葉だ。作品を通して、音が持続され、不穏な印象を与え、そこに怯えたようなサクソフォーンの響きや叫ぶような金管楽器が加えられている。この作品は、全編を通してひとつのコードと、非常に単純な旋律しかない[3]

マンシーニは、この曲の最初のシングル・バージョンを、トランペット奏者レイ・アンソニー英語版のために1959年に編曲した。キャピトル・レコードのために録音され、テナー・サクソフォーン奏者プラス・ジョンソン英語版をフィーチャーしたこのバージョンは、Billboard Hot 100 で第8位、R&B chart で第12位まで上昇した[4]

マンシーニはこのテーマ曲を何回も異なるバージョンとして録音しており、1965年のアルバム『The Latin Sound of Henry Mancini』に収録した「Señor Peter Gunn」や、1967年の映画Gunn』のための新たな編曲などがある[5]

歌詞は、ジェイ・リビングストンレイ・エバンズによって後から書かれ、1965年サラ・ヴォーンがアルバム『Sarah Vaughan Sings the Mancini Songbook』で、ビル・ホルマン英語版[6]。マンシーニは、「Bye Bye」と題されたボーカル・バージョンも録音しており、1967年サウンドトラック・アルバム『Gunn...Number One!』に収録している[7]

その他のチャート入りしたバージョン 編集

マンシーニが録音した様々な「ビーター・ガン」のテーマの異なる編曲とは別に、この曲は他の多数のアーティストたちによっても録音された。その中で、各種のチャート入りを果たした例には以下がある。

脚注 編集

  1. ^ Henry Mancini: Sounds and Scores, Northridge Music, Inc. 1973, 1986
  2. ^ RCA Victor LPM/LSP-1956 liner notes
  3. ^ a b Did They Mention the Music?, Henry Mancini with Gene Lees, Contemporary Books, 1989, page 236
  4. ^ a b Whitburn, Joel (1988). Top R&B Singles 1942–1988. Menomonee Falls, Wisconsin: Record Research. pp. 26; 116. ISBN 0-89820-068-7 
  5. ^ Dryden, Ken. “Henry Mancini: 'Peter Gunn' – Review/Appears On”. AllMusic. 2020年10月14日閲覧。
  6. ^ Liner notes to Mercury Records SR 61009
  7. ^ Liner notes to RCA Victor LPM/LSP-3840
  8. ^ Duane Eddy – Singles”. Official Charts. 2020年6月27日閲覧。
  9. ^ Billboard (November 14, 1960). “Hot 100”. Billboard: 34. ISSN 0006-2510. 
  10. ^ RPM Top Singles – July 12, 1986”. Library and Archives Canada. 2016年6月26日閲覧。
  11. ^ Art of Noise, In Visible Silence Retrieved April 26, 2014