ファーモイ男爵英語: Baron Fermoy)は、アイルランド貴族男爵位。

アイルランドの選挙区選出の庶民院議員エドモンド・バーク・ロッシュ1856年に叙されたのに始まる。

歴史 編集

アイルランドコーク県選挙区英語版選出の自由党庶民院議員だったエドモンド・バーク・ロッシュは、1856年9月10日勅許状アイルランド貴族爵位ファーモイ男爵に叙された。アイルランド貴族であるため貴族院議員とはならず、その後もメリルボーン選挙区英語版から選出されて庶民院議員を務めている[1][2]

初代男爵の次男である3代男爵ジェイムズ英語版(1852–1920)1896年から1900年にかけて保守党庶民院議員を務めている[1][3]

その息子である4代男爵エドムンド(1885–1955)1924年から1935年1942年から1945年にかけて庶民院議員を務めた[1][4]。彼はルース・ギルと結婚し、その間に娘フランセス(1936-2004)を儲けているが、このフランセスは第8代スペンサー伯爵エドワード・スペンサー(1924-1992)に嫁ぎ、その間に皇太子時代のチャールズ3世妃となるダイアナ(1961-1997)を儲けている。ダイアナが皇太子に嫁ぐうえで重要な役割を果たしたのはエリザベス皇太后の女官を務めていたルースだったといわれる[5]

2016年現在の当主は6代男爵パトリック英語版(1967-)である[1][6]

家訓は「我が神は我が心の支え(Mon Dieu Est Ma Roche)」[1]

ファーモイ男爵 (1856年) 編集

家系図 編集

 
 
ファーモイ男爵、1856年
 
 
 
 
 
初代ファーモイ男爵
エドモンド

(1815-1874)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2代ファーモイ男爵
エドムンド

(1850-1920)
 
3代ファーモイ男爵
ジェイムズ
英語版

(1852–1920)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
4代ファーモイ男爵
エドムンド

(1885-1955)
 
ルース
(1908-1993)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
8代スペンサー伯
エドワード・スペンサー

(1924-1992)
 
フランセス
(1936-2004)
 
5代ファーモイ男爵
エドムンド
英語版

(1939-1984)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ダイアナ皇太子妃
(1961-1997)
 
 
 
6代ファーモイ男爵
パトリック
英語版

(1967-)
 
エドムンド
(1972-)
推定相続人
 

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e Heraldic Media Limited. “Fermoy, Baron (I, 1856)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年2月16日閲覧。
  2. ^ Lundy, Darryl. “Edmund Burke Roche, 1st Baron Fermoy” (英語). thepeerage.com. 2016年2月16日閲覧。
  3. ^ Lundy, Darryl. “James Boothby Burke Roche, 3rd Baron Fermoy” (英語). thepeerage.com. 2016年2月16日閲覧。
  4. ^ Lundy, Darryl. “Edmund Maurice Burke Roche, 4th Baron Fermoy” (英語). thepeerage.com. 2016年2月16日閲覧。
  5. ^ キャンベル 1998, p. 17-21.
  6. ^ Lundy, Darryl. “Patrick Maurice Burke Roche, 6th Baron Fermoy” (英語). thepeerage.com. 2016年2月16日閲覧。

参考文献 編集

  • キャンベル, コリン 著、小沢瑞穂 訳『ダイアナ“本当の私”』光文社、1998年(平成10年)。ISBN 978-4334960834